ダンナ様はエスパー?

daisysacky

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第9章   やっぱり、あなたは…?

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「あの、これ…よかったら」
 その女性が、すぃっと紙袋を差し出す。
「えっ、いいんですか?」
よく灯里が利用するような、近所の和菓子屋さんどころか、
駅前のデパートにある、人気の洋菓子店の紙袋だった。
よく行列の出来る店だ…
さすがに恐縮して、困った顔で、押し返すようにすると、
「いいから、遠慮しないで。
 2人で出し合って、買ったものだから」
アリサがニッコリ微笑むと、加勢するように言う。
 すかさずアルサがにっこりと微笑むと、その袋を手に取って
「お茶を入れるね」
慣れた様子で、スタスタとキッチンへと向かう。
「あっ、スリッパをどうぞ」
あわてて灯里は、真面目な顔をして、靴箱をあける。
 こんなことなら、もっといいスリッパを、買っておけばよかった、
そう思う。
「あっ、いいのよ、自分でするから」
 
 少しお腹のふくらみが、目立ってきた。
灯里のことを気にして、その人は微笑みながら、スリッパに足を通す。
プン…
いい匂いがしていて、この人は自分を磨いているのだなぁ~
と、あらためて感じた。

 ようやくリビングのソファーに落ち着くと、丁度アリサが
ティーセットを持って現れる。
「ごめん、アリサ」
お客さんに、そんなことをさせて…と、灯里があわてて立ち上がると、
「いい、いい、ニンプさんは、おとなしく座ってて」
 勝手知ったる、友人の家…とばかりに、慣れた様子でかいがいしく
動く姿に…
アリサには本当に、世話になっているなぁと、感心する。
「はじめまして」

あらためて、灯里がその女性を見つめると、なぜか彼女は
クスリと笑った。

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