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第9章 やっぱり、あなたは…?
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「えっ」
思わず3人は黙り込む。
さっきまで、久志のことを話しこんでいたので、まさか本人なのでは、と
たじろいでいた。
「あの」
緒方さんが、灯里を見る。
「電話に出たら?」
もっともなことなのだが…何となくうしろめたくて、電話に出られないでいる。
「大丈夫よぉ」
アリサが励ますように、声をかける。
「そう?」
ようやく出る気になった。
電話は、まるで出るまでは切らない、と決めているみたいに、
意地になっているように鳴り続けている。
これは、ガマン比べ?
灯里ははぁ~とため息をつくと、
「もしもし」
ようやく電話に応じた。
「あら、灯里さん、やっぱりいたの?」
のん気な声が、耳に響く。
灯里は軽く手を上げると、廊下に出た。
(しまった!油断していた!)
電話の相手を確かめもせずに、出てしまった…
あまりに無防備だった、と思うけれど、もう後の祭り。
「えぇ」
思わずため息が出た。
だが、そんな彼女の様子には気付かない様子で、
「あなた…入院したんですってね?
もう大丈夫なの?」
珍しく、優しい口調で聞いてくる。
「ええ、まぁ…
無理をしなければ、大丈夫です」
そう言いながらも、灯里は心のどこかで、警戒している。
この人…いい顔をしたら、また前のように、日参してくるぞ、と
思わず身がまえていた。
思わず3人は黙り込む。
さっきまで、久志のことを話しこんでいたので、まさか本人なのでは、と
たじろいでいた。
「あの」
緒方さんが、灯里を見る。
「電話に出たら?」
もっともなことなのだが…何となくうしろめたくて、電話に出られないでいる。
「大丈夫よぉ」
アリサが励ますように、声をかける。
「そう?」
ようやく出る気になった。
電話は、まるで出るまでは切らない、と決めているみたいに、
意地になっているように鳴り続けている。
これは、ガマン比べ?
灯里ははぁ~とため息をつくと、
「もしもし」
ようやく電話に応じた。
「あら、灯里さん、やっぱりいたの?」
のん気な声が、耳に響く。
灯里は軽く手を上げると、廊下に出た。
(しまった!油断していた!)
電話の相手を確かめもせずに、出てしまった…
あまりに無防備だった、と思うけれど、もう後の祭り。
「えぇ」
思わずため息が出た。
だが、そんな彼女の様子には気付かない様子で、
「あなた…入院したんですってね?
もう大丈夫なの?」
珍しく、優しい口調で聞いてくる。
「ええ、まぁ…
無理をしなければ、大丈夫です」
そう言いながらも、灯里は心のどこかで、警戒している。
この人…いい顔をしたら、また前のように、日参してくるぞ、と
思わず身がまえていた。
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