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第10章 捨てる神あれば拾う神あり
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臨月を迎える頃になると、身動きを取るのも大変で…
まるで子供のように、ちょこちょこと仮眠をとるのが、習慣となった。
寝返りを打つのも、起き上がるのも大変で…
常に久志が寄り添っていた。
ふぅふぅ言いながら、よちよちと歩き、
靴をはくのも、爪を切るのも、お腹が邪魔で難しい…
1日を過ごすのも、休み休み動くのが億劫なくらいだった。
そのたびごとに、
「休んだ方がいいわよ。
今は、身体を休ませるのが、一番だからね」
そう言われてしまうと、日がな一日、うつらうつらすることが
多くなるのだった。
どんな時でも、久志は優しい。
ちょっとでも動こうとしようものなら、
「何をしているの?」
時には、ついて回る始末。
軽くカーテンをしめると、陶子は静かにドアを閉める。
灯里に手を貸して、ようやくベッドに身体を横たえると…
窓から入って来る心地よい風を、頬に感じて…
灯里は軽く目を閉じた。
(私も…陶子さんのように、優しい人になろう」
目を閉じながらも、なぜだか今までに感じたことがないくらい、
穏やかな気持だ。
とても安らかな…さえざえとした気持ち…
目を軽く閉じた状態で、すぅ~っと、気持ちの良い風が、
灯里のオデコを優しく撫でる。
こんな気落ちは、初めてかもしれない…
灯里は、今までの落ち着かない気持ちが、
一気にときほぐされるような気がした。
まるで子供のように、ちょこちょこと仮眠をとるのが、習慣となった。
寝返りを打つのも、起き上がるのも大変で…
常に久志が寄り添っていた。
ふぅふぅ言いながら、よちよちと歩き、
靴をはくのも、爪を切るのも、お腹が邪魔で難しい…
1日を過ごすのも、休み休み動くのが億劫なくらいだった。
そのたびごとに、
「休んだ方がいいわよ。
今は、身体を休ませるのが、一番だからね」
そう言われてしまうと、日がな一日、うつらうつらすることが
多くなるのだった。
どんな時でも、久志は優しい。
ちょっとでも動こうとしようものなら、
「何をしているの?」
時には、ついて回る始末。
軽くカーテンをしめると、陶子は静かにドアを閉める。
灯里に手を貸して、ようやくベッドに身体を横たえると…
窓から入って来る心地よい風を、頬に感じて…
灯里は軽く目を閉じた。
(私も…陶子さんのように、優しい人になろう」
目を閉じながらも、なぜだか今までに感じたことがないくらい、
穏やかな気持だ。
とても安らかな…さえざえとした気持ち…
目を軽く閉じた状態で、すぅ~っと、気持ちの良い風が、
灯里のオデコを優しく撫でる。
こんな気落ちは、初めてかもしれない…
灯里は、今までの落ち着かない気持ちが、
一気にときほぐされるような気がした。
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