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第10章 捨てる神あれば拾う神あり
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「赤ちゃんの顔を見て、決めるのもいいかもねぇ」
つられて灯里も言う。
何だかこんな風に、穏やかに話せる日を、待ち望んでいたのかも
しれない。
幸運なことに、今同部屋の人がいないおかげで…2人は遅くまで
話し込んでる。
時々、点滴の交換に、看護師さんが顔をのぞかせるけれど…
「あらぁ、ダンナさんなの?
仲がよくて、いいわねぇ」
羨ましそうに、ニコニコとする。
久志に向かって、帰れとも、静かにしろとも言われない。
むしろそそくさと、部屋を出て行ってくれた。
フフッ…
目を見合わせると、まるで共犯者のように、ニヤリと笑う。
久志さんって…こんなに御茶目なところも、あるのか…と、
彼の意外な一面を、初めて見たような気がする。
すっかり夜も更けて
「消灯時間になりました。
大きい電気を消しますよぉ」
遠慮がちに、看護師さんが顔をのぞかせる。
久志はあわてて腰を上げると
「あっ、ボク…そろそろ帰らなければ」
微笑みながら、灯里に向かって言う。
実のところ、まだ話し足りないけれど…
遠慮がちに、久志は看護師さんを見つめる。
「あっ、今日はいいですよぉ。
隣も今は、誰もいないし」
その若い看護師さんは、ヘラッと笑う。
「いいの?」
驚いて聞き返すと
「いいです、ナイショです」
しぃ~っと、人差し指を口に当てる。
「ありがとうございます」
久志は浮かしかけた腰を、もう1度落とすと…
深々と頭を下げた。
つられて灯里も言う。
何だかこんな風に、穏やかに話せる日を、待ち望んでいたのかも
しれない。
幸運なことに、今同部屋の人がいないおかげで…2人は遅くまで
話し込んでる。
時々、点滴の交換に、看護師さんが顔をのぞかせるけれど…
「あらぁ、ダンナさんなの?
仲がよくて、いいわねぇ」
羨ましそうに、ニコニコとする。
久志に向かって、帰れとも、静かにしろとも言われない。
むしろそそくさと、部屋を出て行ってくれた。
フフッ…
目を見合わせると、まるで共犯者のように、ニヤリと笑う。
久志さんって…こんなに御茶目なところも、あるのか…と、
彼の意外な一面を、初めて見たような気がする。
すっかり夜も更けて
「消灯時間になりました。
大きい電気を消しますよぉ」
遠慮がちに、看護師さんが顔をのぞかせる。
久志はあわてて腰を上げると
「あっ、ボク…そろそろ帰らなければ」
微笑みながら、灯里に向かって言う。
実のところ、まだ話し足りないけれど…
遠慮がちに、久志は看護師さんを見つめる。
「あっ、今日はいいですよぉ。
隣も今は、誰もいないし」
その若い看護師さんは、ヘラッと笑う。
「いいの?」
驚いて聞き返すと
「いいです、ナイショです」
しぃ~っと、人差し指を口に当てる。
「ありがとうございます」
久志は浮かしかけた腰を、もう1度落とすと…
深々と頭を下げた。
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