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第11章 トンネルを抜けて…
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「なんの心配事もなさそうな顔をしてる…」
赤ちゃんの顔をのぞき込んで、しみじみとアリサが言う。
それも、ついさっきまで、この子が灯里のお腹の中に
いたなんて…まだ、信じられない気がする。
「あっ、この子…名前は決めた?」
じぃっと飽かず眺めていたアリサが、顔をあげて、灯里に聞く。
「えぇ、久志さんが」
何の躊躇もなく、灯里がうなづく。
「え~っ、なになに?」
まさに黄色い歓声を上げ、すぐにアリサが、目を輝かせて食いついてくる。
身を乗り出すアリサを見ると、そうっと看護師さんが、部屋を出て行った。
看護師さんがいなくなると、フフフ…と灯里がアリサの顔を見ると
「ひより」
ポンと答える。
「ヒヨリ?」
予想と違ったので、思わず声が漏れる。
「そう、ヒヨリ」
「へぇ~」
ひよりちゃんなのかぁ~
思ったよりも、可愛い名前だ。
だが、当の本人は、全く反応するでもなく、我関せず、
という雰囲気で、スヤスヤと寝ている。
「やっぱり、この子…将来大物になるわ」
アリサはくすくすと笑いながら、ツンツンとひよりの頬を
つっつく。
「そうかしら?」
「そうよぉ」
ニッコリと微笑むアリサを見ていると…
この人と、友達でよかった…
そう思う灯里だ。
「ねぇ、久志さんは…この子に会った?」
赤ちゃんを見つめたまま、アリサはポツンと言う。
「さぁ、見たんじゃあない?」
灯里としては…これがはじめての対面だ。
ボンヤリと見ている。
あの人はきっと…わかっているはずだ。
灯里はなぜだか、そう思う。
赤ちゃんの顔をのぞき込んで、しみじみとアリサが言う。
それも、ついさっきまで、この子が灯里のお腹の中に
いたなんて…まだ、信じられない気がする。
「あっ、この子…名前は決めた?」
じぃっと飽かず眺めていたアリサが、顔をあげて、灯里に聞く。
「えぇ、久志さんが」
何の躊躇もなく、灯里がうなづく。
「え~っ、なになに?」
まさに黄色い歓声を上げ、すぐにアリサが、目を輝かせて食いついてくる。
身を乗り出すアリサを見ると、そうっと看護師さんが、部屋を出て行った。
看護師さんがいなくなると、フフフ…と灯里がアリサの顔を見ると
「ひより」
ポンと答える。
「ヒヨリ?」
予想と違ったので、思わず声が漏れる。
「そう、ヒヨリ」
「へぇ~」
ひよりちゃんなのかぁ~
思ったよりも、可愛い名前だ。
だが、当の本人は、全く反応するでもなく、我関せず、
という雰囲気で、スヤスヤと寝ている。
「やっぱり、この子…将来大物になるわ」
アリサはくすくすと笑いながら、ツンツンとひよりの頬を
つっつく。
「そうかしら?」
「そうよぉ」
ニッコリと微笑むアリサを見ていると…
この人と、友達でよかった…
そう思う灯里だ。
「ねぇ、久志さんは…この子に会った?」
赤ちゃんを見つめたまま、アリサはポツンと言う。
「さぁ、見たんじゃあない?」
灯里としては…これがはじめての対面だ。
ボンヤリと見ている。
あの人はきっと…わかっているはずだ。
灯里はなぜだか、そう思う。
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