90日間の恋人【完結】

真凛 桃

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第1章

13話 告白

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2月3日 22時

2人は公園に行った。

いざ話すとなると緊張して、マリは口数が少なかった。


「マリ、どうしたの?さっきから喋らないけど」

「う、うん…」

「マリ?何かあった?」

「テグ…今から話す事、信じられないかも知れないけど、本当の事だからちゃんと聞いて欲しい…」

「え?な、何?」

「昨年の12月24日、福岡であるお婆さんに出会ったんだけど」

「イブの日?俺と居たじゃない」

「うん。お婆さんに出会ったから」

「え?よく意味がわからないんだけど」

「簡単に言うと、そのお婆さんに私の願い事を叶えてもらったの」

「…願い事って?」

「…テグの彼女になりたいって」

「えー?だから叶ったって事?アハハ」

「うん。90日間だけ…だから2月22日までなの」

「マリ…何言ってるんだよ」

「本当なのよ。初めは90日間でも充分だと思ったけど、一緒に居るうちに離れたくなくなって…この前、お婆さんに何とかならないか聞くために福岡に行って来たの」

「そ、それで行ってたの?」

「…うん。そしたら、2月3日に全てをテグに話して受け入れてくれたら、私たちずっと一緒に居られるって言われて…」

「マリ、本気で言ってるの?」

「本当の話だから」

「受け入れなかったら?」

「2月22日で終わっちゃう。テグの記憶からも私は消える」

「マリ…そんな事あり得ないだろ。アハハ…夢でも見たんじゃないの?」

「…本当なの。信じて…」

「…マリ」


マリの真剣な表情を見て、テグは信じるしかなかった。


「22日で終わるなんて無理だし、マリの事を忘れてしまうなんて…あり得ない。受け入れるに決まってるだろ」

「テグ…」

「…でも、俺の彼女になりたいって何で願ったの?」

「…それは」


本当の事を言うしかない…


「テグのファンだから…昔から」

「え…ファン?」

「テグ…ごめん」

「う…嘘だろ…だってマリは俺の事を知らなかったって…」

「嘘ついてごめん…」

「そんな…」

「テグ」


マリがテグの手を握ろうとすると、テグは振り払った。


え…


「ごめん、受け入れられない…」

そう言うとテグはマリを置いてその場を去ってしまった。


テグ…
やっぱり無理だった…
ごめんね…


マリはその場に座り、泣き崩れた。


すると、しばらくしてテグが戻って来た。








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