真実【完結】

真凛 桃

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59話 辛く 幸せな時間

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チスンはマンションに着くとマネージャーに休みの日を確認して、部屋に入った。


「パパ、おかえりー」  


チスンが帰ると、いつも真っ先にジスンが迎えてくれる。


「ジスン、ただいま」


リビングに行くと久美子が料理をしていた。


「チスン!おかえり!」

「クミ、ただいま!」

「もうちょっとで出来るから、先にシャワー浴びて来る?」

「うん」


とにかく何も考えず、今を大事に過ごそう…


チスンはそう決めてシャワーを浴びた。



3人でテーブルを囲む。


「明後日休みなんだけど、3人でどこか行こうか?」

「やったーっ!」

「久しぶりのお出かけだね!」

「どこ行きたい?」

「公園!」

「公園?」

「遊園地とかじゃなくて?」

「うん。遊園地はママお腹に赤ちゃんいるから、乗り物に乗れないでしょ。だから公園行きたい」

「ママは見てるから大丈夫よ!」

「ううん。公園がいい!」

「ジスンは本当に優しい子だね。じゃ公園でも大きな広い公園に行こう!」

「わーい!」


食事を終えるとジスンはすぐに寝てしまった。


「明後日、のり巻き作ろうかな」

「のり巻き?やった!クミの作ったのり巻き美味しいもんなぁ~」

「本当?じゃあ、たくさん作っちゃお」

「クミ…ジスンは本当にいい子だね。優しい子だよ」

「チスンに似たんだろうね」

「俺じゃなくクミに似たんだよ」

「ウフフ…私とチスンの子だから優しいのか!」

「ハハハ…そうだね」

「ドラマの撮影はあとどの位で終わるの?早くドラマ観たいな~」

「あと2週間位かな」


そっか…もう2週間で終わるのか…


「そういえば、さっき薬飲んでたでしょ?何の薬?」

「えっ…あ…胃薬だよ。ちょっと食べ過ぎたから…」

「え?チスンそんなに食べてなかったような…逆に最近、少食になったんじゃない?」

「そ、そうかな…年のせいかな…」

「年のせいって…」


チスンは別の部屋に行き、何かを持ってリビングに戻って来た。


「クミ…これ渡しておくよ」

「え…これって…」


通帳と印鑑だった。


「どうして?チスンが持っていればいいじゃない」

「…俺が持っていても使わないし。クミが持ってて。必要な時は使って」


通帳を確認すると8億円入っていた。


「こっ、こんなに⁈え⁈うっ、うそ…」

「子供の学費とか必要になるし、好きに使って」

「え、チスンが持っててよ」

「クミに管理してて欲しいんだ。お願い」
   
「でも…」

「こういうのって大体、女性が管理する物でしょ」

「…まぁどうせ結婚するからね…そこまで言うなら分かったよ」


クミ…ありがとう…



約束の日、3人は公園に行った。


「うわー!広ーいっ‼︎」

「広いだろー!ソウルで1番大きな公園だよ!」

「こんなに広い公園があったのね!」

「パパー、あっち行こう!」

「うん、行ってみよう」

「ジスンったら、すごく嬉しそう!」


しばらく歩いたところでシートを敷き、チスンと久美子は並んで座って、遊んでいるジスンを見ていた。


「天気よくて良かったね」

「そうだね」
  
「この子が生まれたら、またここに来ようね」

「…うん」

「パパー!ママー!」


ジスンが滑り台の上から大きく手を振ってきた。


「ジスン楽しそうだね」

「本当…今すごく幸せ感じる!ねっ、チスン!」

「うん…」




このまま時間が止まればいいのに…



チスンは心からそう思った。










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