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34 撮られていた2人の写メ
しおりを挟む翌日、陸と和が会社に着くといつもと社内の雰囲気が違っていた。
2人が挨拶しても、みんな目を合わせようともしない。
「何か変ですね」
「そうだな」
「佐田と大村っ。ちょっといいか?」
「はい…」
陸と和は部長に連れられ会議室に行った。
イスに座ると部長は険しい顔をしていた。
「あっ、あの何でしょうか」
「あぁ…ちょっと聞きにくいんだが」
「え…」
「お前たち…その…付き合ってるのか?」
えっ…まさか広川が…
「なっ、何言ってるんですかっ?付き合ってる訳ないじゃないですかっ。男同志ですよっっ」
「そっ、そうですよっ」
「だが…社内でお前たちがデキてるって噂になってるぞ」
「え…」
だからみんなオレと和を避けてたのか…
広川の奴!!
でも証拠はないんだ…
付き合ってないって言い切るしかない…
「ただの噂ですよ。付き合ってません‼︎なぁ…大村」
「はっ、はいっ‼︎付き合うなんて有り得ません」
「じゃあ…これは何なんだ?」
部長は携帯を開いて陸と和に見せた。
えっ⁈どっ…どうして…
それは陸と和が手を繋いで歩いている写メだった。
「こっ…これは」
「誰とは言わんがお前たちを見た人から写メが送られてきたんだ」
「えっ、もしかしてみんなに送られてるんですか⁈」
「そうみたいだ」
「そっ…そんな」
「さすがに男同志で手は繋がないよな…?いい年した2人が…」
すると陸は立ち上がった。
「失礼しますっ」
陸は急いで社内に戻り広川の胸ぐらを掴んだ。
「何だよ⁈いきなり‼︎」
「全部お前だろ!」
「ああそうだよ」
「貴様っ‼︎言うなって言ったのに!」
「オレは言わないとは言ってねーし」
「おっ…お前がそこまで酷い奴だとは思わなかった…まさか写メまで撮ってるとは」
「部長に見せてもらったか?うまく撮れてただろ~」
コイツ…ムカつくっ!
「だいたい男同志でキモイんだよっ」
「何だとっ!」
陸は広川を床に押し倒し何度も殴った。
社内に戻ってきた和と部長が慌てて止めに入った。
「先輩っ、やめて下さい!」
「佐田っ…落ち着くんだっ」
陸が手を止めると広川は立ち上がり陸から離れた。
「佐田っ!覚えとけよ!」
そう言うと広川は出て行った。
周りの社員は白い目で陸と和を見ている。
「だっ、大丈夫ですか?」
「ああ…大村っ…出よう」
「部長、大村と外回りしてきます」
「えっ…ああ」
陸は和を連れて車を走らせた。
「陸さん…僕…今日内勤ですることがあったんですが…」
「今日の今日で会社にいれるか?」
「見ただろ、みんながオレたちを見る目」
「、、、、」
「今日の分の仕事は明日しろ。明日オレも内動するから」
「え…でも2人ともいたら…」
「オレ1人ならいいけど、お前1人だと心配なんだ」
「陸さん…」
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