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第1章
48話 裕二の秘密
しおりを挟むシュンが会社に着くと知らない電話番号から着信が入った。
「…もしもし」
「柳本です」
「え…どうして私の番号を…」
「そんなのどうでもいいでしょ。今から会えますか?」
「…はい。私もあなたに会いに行こうと思っていました」
「じゃ、俺の会社に1時間以内に来て下さい」
「わかりました」
シュンは柳本に会う為、柳本グループの社長室に行った。
シュンが社長室に入って行くと、尾行していた会長の部下が中の様子を伺っていた。
顔を合わせたシュンと裕二はお互いに怒りが込み上げて口論とになった。
「お前‼︎スミを連れて行っただろ‼︎」
「…はい」
「どうしてわかったんだ⁈…いやそんな事はどうでもいい。スミは今どこだ⁈」
「教える訳ないじゃないですか…」
「何だと⁈」
「あんた最低だよ‼︎女性をあそこまで殴って‼︎あと1日遅かったらスミは…」
「お前らが悪いんだ!箱根なんか一緒に行きやがって‼︎」
「だからって、やる事が異常だと思わないのか⁈」
「別に…お仕置きだからな」
「何⁈あなたみたいにイカれてる奴のとこにスミは行かせない!」
「はぁ⁈イカれてるだと⁈お前‼︎」
「やる事がイカれてるだろ!!」
「ただのお仕置きだろ‼︎」
シュンは怒りのあまり裕二の胸ぐらを掴んだ。
「何だよ、殴るのか、この泥棒が!」
「お前なんか殴る価値がない。心が腐ってる」
「何とでも言えよ。俺はスミと絶対に別れないしスミも親が出て来たら別れらない‼︎」
「なっ、何だよそれ‼︎」
「え?」
こいつ…スミの正体知らないんだな…
遺言書のことも…
なるほどね~こりゃ面白い…
「まぁいい。しばらくスミを貸してやるよ」
「何だと⁈」
「それとこれ、スミに返しといてくれ」
GPSが付いている事を思い出しスミの携帯をシュンに渡した。
「じゃ、スミを貸してる間は大事に扱えよ~」
そう言って裕二は机に戻ろうとした。
「…スミは」
「は?」
「スミは物じゃないんだよ!!」
怒りが限界に達したシュンは裕二を思い切り殴った。
「いってぇー‼︎何すんだよっ‼︎」
「スミがお前にされた事に比べたらこんなもんじゃ足りない…もしまたスミに何かしたら俺は黙っちゃいないから」
そう言うとシュンは出て行ってさた。
裕二は倒れ込んだまま床を殴りつけた。
クッソー‼︎地曽田!!
ふざけやがって!!
まぁいい…これでスミの居場所もわかるし…
スミは俺のとこに戻るしかないんだ…
俺たちは別れられないんだ…
俺が書いた遺言書のこともあるし…
裕二はスミの親の会社を自分の物にする為に、義父が遺した遺言書を書き直していたのだ。
裕二がシュンのことを嫌いな理由は、義父が書いた遺言書にも関係があったのだ。
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