プラグマ 〜永続的な愛〜

真凛 桃

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第2章

84話 話し合い

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シュンは嬉しくて母親が帰った後スミに電話をかけた。


「もしもしシュン」

「スミ」

「どうしたの?」

「さっきスミのお母さんが来てたんだよ」

「えっ⁈シュンの会社に?どうして?」

「俺とスミのこと認めてくれた…」

「ほっ、本当⁈」

「うん」

「よかったぁ~‼︎じゃあ後は裕二だけか…」

「明日3人で会おうか」

「明日?」

「うん。仕事が終わったら迎えに行くから。彼には自分から連絡しとく」

「わかった。ありがとう」


シュンとの電話を切った後、スミは母親に電話をかけた。


「もしもしお母さん」

「スミ?」

「うん」

「どうしたの?」

「お母さん…シュンとの事ありがとう」

「聞いたのね」

「うん。明日裕二と会って話すから」

「1人で大丈夫?」

「シュンも一緒だから」

「そう…じゃあ私はその後に裕二さんに会うわ」

「…うん」

「他の事はそれからでも考えましょう」

「わかった…」



その頃シュンは裕二に電話をかけていた。


「もしもし地曽田ですが」

「何だよ‼︎」

「明日19時頃お会いして話したいんですが」

「お前と2人で何を話すんだよ!」

「スミも一緒です」

「スミも⁈3人でかよ‼︎」

「もし不満なら自分は少し離れた所に居ますので」

「同じだよ‼︎お前が来ないなら行く」

「それはダメです」

「…わかったよ。3人で話せばいいんだろ。どこに行けばいいんだよ‼︎」

「うちの会社のホテルにあるFカフェの個室に来て下さい」

「…ああ」


電話を切った裕二は探偵事務所に連絡した。


「柳本だけど何かわかったか?」

「あ…はい。地曽田が会社から帰るとこを尾行したら自宅に帰っていました」

「自宅に?会社ってどこで働いてるんだ?」

「地曽田グループですが」

「あいつ戻ったのか⁈」

「それが昨日は会社から直接マンションに行って22時過ぎに自宅に帰ってました」

「それを早く言え」

「女性の所に行っていたかまだ確信がなかったのではっきりして伝えようと思ってました」

「わかったからマンションの住所教えろ」

「すぐにメールします」 


電話を切った後スミの居るマンションの住所が送られてきた。


あいつら…
今別々に住んでるのか…
まさか別れたのか⁈
それで明日話しに…?


裕二は大きな勘違いをし明日3人で会う事に前向きになっていた。



翌日、仕事を終えたシュンはスミを迎えに行きホテルのカフェに行った。

個室のドアを開けると既に裕二が来ていてウイスキーを飲んでいた。


「来たか」

「お酒抜きで話したいんですが」

「いいだろ。早く座れよ」

「あの…裕二…」

「あっ、そう言えばこいつの奥さん…あ、元奥さんか…聞いただろ?俺が浮気してたって」

「…ええ」

「誤解だからな。スミのせいで相談に乗ってただけだから…安心しろ」


シュンは怒りをグッと抑えていた。


「そんなのはどうでもいい」

「そっか。さすがスミ…俺のとこに戻ってきたいんだろ?」

「え?」

「そうだろ」

「違う。離婚して欲しいの」

「…は?」

「裕二…お願い」

「なっ何言ってんの?そんなの無理に決まってんだろ。お義母さんだって許すはずがない」

「お母さんは許してくれた」

「嘘つくな‼︎遺言書の事もあるじゃないか‼︎」

「その事は…」

「お義母さんはその事も含めよく考えて許してくれたんです。1番はスミの為を思って」

「うるさい‼︎そんなこと許される訳がない‼︎お義父さんは俺に会社を任せる事が望みだろ」


裕二はグラスを投げ付けようとしたが必死に我慢しトイレに行った。


「スミ、大丈夫?」

「…うん」

「今日は無理だと思う」

「そうだね…」


トイレに行った裕二は鏡に映る自分を睨んでいた。


結局あいつら別れてないのかよ…
クソーッ!!
俺を馬鹿にしやがって!!
お義母さんも結局あいつらの味方かよ!!
でもここで俺が暴れたらあいつらの思うツボだ…
待てよ…あいつに暴れさせたらいいのか…
それを動画に撮れば…


裕二はスッキリした顔で戻った。


「柳本さん、どうして遺言書に執着するんですか?」

「そんなの…お義父さんの願いだからだよ」

「スミのことは心から愛しているんですか?」

「…当たり前だろ」

「なのに、よく暴力振るえますよね」


裕二は必死で我慢した。


「それは愛し過ぎてるからだよ。俺を裏切るから…つい度が過ぎた。スミごめん…」

「じゃあ何で浮気したの?2回も」

「だから誤解だって」

「…そうね。そういう事にしておくけど私はもう裕二とは無理だから」

「地曽田‼︎お前のせいだからな!」

「シュンが居なくても私は裕二とはとっくに無理だった」

「いや、地曽田が居なければこんなふうにはなってなかった」

「…自分も悪いとは思っています」

「シュンッ‼︎」

「本当にそう思ってるならここで土下座しろよ。そしたら考えてやってもいい」

「え…」

「裕二!何言ってんの‼︎」

「スミのこと好きなんだろ?俺と別れて欲しいんだろ。そしたら土下座ぐらい出来るだろ」

「、、、、、」


シュンは葛藤していた。


「シュン、もう行こ。話しにならない」

「スミ…ちょっと目つぶってて」

「え…う、うん…」


するとシュンは裕二の前でゆっくりと膝をついた。


こ…こいつ本当にやりやがった…


「…これで…いいか…?」


裕二は笑い転げた。


「マジでやりやがった。ウケるんですけど。それで本当に俺が考え直すって本気で思ったのか?バッカじゃねーの?」


シュンは立ち上がり裕二の胸ぐらを掴んで殴ろうとした。


「何だよ、殴れよ」


裕二は携帯を手に取って動画を撮る準備をした。

シュンは殴らずに裕二を突き飛ばした。


「スミ、行こう。こいつとは話しにならない」

「…うん」

「俺は別れないからなーっ‼︎」


シュンとスミは無視して出て行った。


車に乗るとしばらく停まったままシュンは怒りを押し殺していた。


「シュン…」

「ごめん…冷静になるからちょっと待って」

「…うん」


しばらく沈黙が続いた。


「スミ、弁護士立てようか」

「えっ…」

「何度話し合っても離婚に応じないと思う。ただ弁護士つけるとリスクはあるけど」

「…うん、そうだね」

「お義母さんとも話して弁護士立てるなら俺に任せて」







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