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70話 本当の事を知ったスミ
しおりを挟む翌日、朝から岸田秘書は専務と一緒に裕二の携帯のデータを見ていた。
すると岸田秘書の携帯に裕二から電話がかかってきた。
「もしもし」
「おいっ、どうして昨日は先に帰ったんだ」
「あっすみません。何度も起こしたんですが全然岡田社長起きなくて…」
「だからって…そのまま置いて帰るか?店員に起こされて恥ずかしかったんだぞっ」
「すみません。それに急用が出来て時間なかったし仕方なかったんです」
「もういい」
裕二は電話を切った。
「何だって?」
「昨日、酔い潰れた岡田を置いて帰ったので怒ってました」
「だろうな」
「あいつと酒なんて地獄でしたよ」
「よく頑張ったよ」
「それにしても通話履歴からどうやって証拠を探しましょうか。名前もわからないし」
「そうだよな。1件1件電話するのもなぁ」
「それらしいメールもないし…」
「メールは会社関係ばかりだな」
「後は…ショートメール…」
ショートメールを確認すると岸田秘書の目が止まった。
「専務っ…これ…」
「何だ?」
そこには、いかにもそれらしい文章が残っていた。
“明日社長室に来い。仕事を与える。報酬は300だ”
「こいつだな」
「はい。送信日もスミさんが襲われる前です」
「…どうやって捕まえるか考えないとな」
「岡田のフリしてメールで呼び出しましょうか」
「でも岡田の携帯からじゃないと怪しまれないか?」
「携帯変えた事にすればいいんじゃないですか?」
「それもそうだな」
その頃スミは岸田秘書とシュンの面会に行く為、地曽田グループの入り口まで来ていた。
「ただ…捕まえたとしても本当の事は話さないでしょうね」
「そうだよな…」
「どんな奴か知らないけど少しでも情がある奴だったら岡田の本性を知れば考えが変わらないかな」
「そうですね」
「まぁ…まともな奴じゃないだろうな」
「だとすると金ですかね。岡田が出した300万より多く渡せば白状しますかね?」
「…金かぁ」
「どっちにしても証人にさせないと社長の無実が証明されないです」
「そうだよな。早く社長の無実を証明しないとな。いつまでも社長を刑務所なんかに入れておけない」
えっ…どういう事っ…⁈
部屋の外で偶然会話を聞いていたスミがドアを開けた。
「今の話…どういう事ですかっ⁈」
「スミさんっ」
「うわ…」
「あっ…面会に行くんでしたねっ」
岸田秘書はスミが会社に来ると言っていた事をすっかり忘れていた。
「シュンが無実って⁈本当ですかっ⁈」
「…それは」
「もういいだろ。本当のこと話して…」
「シュンはやってないんですかっ⁈」
「そうですよ。社長はやってません」
「じゃあ…何で捕まったんですかっ⁈」
「…社長は岡田に嵌められたんです」
「…裕二に⁈」
「岡田は自分で刺したんです。それでその場にいた社長が…」
「えっ…でもシュン、私には自分がやったって…」
「本当の事を言ったらスミさんは岡田の所に行くでしょ。社長はスミさんを危ない目に合わせたくないから言わなかったんですよ」
「え…」
「黙っててすみません。口止めされてたんです」
「スミさん…社長を心配させない為にも岡田の所に行ったり変なこと考えないで下さい」
「何とかして社長の無実を晴らしますから」
「シュンは取り調べでも本当のこと話してないんですか?」
「話したけど信じてもらえなかったみたいです」
「酷い…シュンが可哀想…」
「私たちも悔しいです‼︎後は私たちに任せて下さい」
「スミさん?大丈夫ですか?」
「、、、、」
「とりあえず今から面会に行きましょう」
岸田秘書はスミを車に乗せ刑務所に向かった。
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