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37 飲み会のあとは中麦リゾットをどうぞ。
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その夜、例のごとくファクターが村長宅に泊まることになった。
せっかくだからと大人の男連中で集まることになり、オレも呼ばれて現在酒盛りの真っ最中である。
「おらー、キムラン飲め飲め! ファクターが仕入れてきてくれタ新物のワインだゾーい!」
「酒クセェよ村長!」
村長が俺の酒を注ぎ込んで、勢い良すぎてテーブルがびちゃびちゃになる。
慎重にカップを持ち上げて縁に口をつけ、吸うように飲む。
遥か昔に地球から来たナガレビトがたまたまワインの生産者で、この世界でも果実酒を広めたんだとか。
酒の名前はまんまワインだ。
パイラプを熟成させたワイン。透明感のある黄色をしている。何故かあの酸っぱさはなりをひそめて、甘さが際立つ酒となっている。
大半のやつがベロンベロンでテーブルに突っ伏してカオス。
あぁ、バイト先で無理やり付き合わされた飲み会みたいだ。
「キムランこっち来てからけっこうたつらろ~、いい子はいねぇがー」
「ナマハゲかよビリー。変な酔い方したんならもう帰って寝ろよ……」
「オリビアはんは俺のだから、だめらかんな~?」
「ハイハイ」
「ハイはいっかいまでら~オェ」
村長と同じく足元がおぼつかなくなっているビリー。ニンマリ笑いながらオレの肩に腕を回す。
ついでに吐いた。ツマミが出てきてんぞコノヤロウ。
レイとファクターだけ涼しい顔して、壁際のテーブルで延々互いに酌をしながら飲んでいる。
「レイ。この酔っぱらいをなんとかしてくれ!」
「酔ったそいつの相手をしていると酒が不味くなるから断る。頑張って介抱しろ」
「ヒデェ! わかっていてオレをこの二人の間に座らせたな!」
レイが「キムランは村の飲み会初めてだからそこにしろ」ってこの酒癖悪い二人の間に座らせたんだ。
「もう二度と参加するかチクショー!」
力ずくでビリー&村長を引っぺがして家に帰ったら、玄関先で仁王立ちしているミミ様とご対面である。
「キムランふくをぬげ。くさいまんまいえにはいっちゃダメッ」
「ゴメンナサイ」
しくしく。たらいに水を組んできて、洗剤になる木の実の粉でシャツを洗う。
よくもんで汚れを落としてススギ2回。
ついでに自分にもかかっていたから念入りに体を拭く。
乾いた替えの服を出してくれた。
「キムランあまりおさけのにおいしない。のみかいじゃなかったのか」
「だってミミが寝る前に帰らないとって思ってたし」
ミミは一人じゃ寂しくて寝られないから、というのはミミの名誉のために言わないでおく。
「なら、やしょくたべろ。つくりすぎてあまってる」
「わー、ありがとミミ!」
「キムランうるさい」
なでなでしたら怒られた。
ミミが器に持ってくれたのは、なんと雑炊だった。米ではなく、オートミール的なアレだ。荒く潰した中麦を具材とともに煮込んである。
「うおおお、雑炊~!! こっちの世界で食えるなんてキムラン感激! やっぱ酒のあとはコレだよな」
「リゾット。おとーさんが、よくのみかいのあとにこれたべてた。やくそうもはいってるから、ふつかよいしない」
「ありがとう、ありがとう。ミミの優しさが五臓六腑にしみわたるわー」
「ゴゾーにシミル? ってなんだ」
「体に良いってこと」
匙ですくって熱々の雑炊をいただく。
刻んだたくさんの野菜からいいダシがでている。自然のとろみがあって美味しい。
「おお……これがゴゾーにシミル……」
「あはは。それオレの真似?」
ミミも小さめの器にちょっとだけ雑炊を盛って食べている。
食べ終わった食器を桶の水に浸ける。
「ミミ、これ洗うのは明日の朝にしてもう寝よう。オレ眠いや」
「しかたないな。キムランまだこどもだ」
「そうだよ~。寝る子は育つんだからよく寝ないとなんだよ」
ミミと二人で布団に入って、おやすみなさい。
オレがここに来てこのかた、ミミは一度だって夜食を食べたことないのに。
ミミは大人になったら本当にいいお母さんになりそうだな。
なんだかあったかい気持ちで眠りに落ちた。
せっかくだからと大人の男連中で集まることになり、オレも呼ばれて現在酒盛りの真っ最中である。
「おらー、キムラン飲め飲め! ファクターが仕入れてきてくれタ新物のワインだゾーい!」
「酒クセェよ村長!」
村長が俺の酒を注ぎ込んで、勢い良すぎてテーブルがびちゃびちゃになる。
慎重にカップを持ち上げて縁に口をつけ、吸うように飲む。
遥か昔に地球から来たナガレビトがたまたまワインの生産者で、この世界でも果実酒を広めたんだとか。
酒の名前はまんまワインだ。
パイラプを熟成させたワイン。透明感のある黄色をしている。何故かあの酸っぱさはなりをひそめて、甘さが際立つ酒となっている。
大半のやつがベロンベロンでテーブルに突っ伏してカオス。
あぁ、バイト先で無理やり付き合わされた飲み会みたいだ。
「キムランこっち来てからけっこうたつらろ~、いい子はいねぇがー」
「ナマハゲかよビリー。変な酔い方したんならもう帰って寝ろよ……」
「オリビアはんは俺のだから、だめらかんな~?」
「ハイハイ」
「ハイはいっかいまでら~オェ」
村長と同じく足元がおぼつかなくなっているビリー。ニンマリ笑いながらオレの肩に腕を回す。
ついでに吐いた。ツマミが出てきてんぞコノヤロウ。
レイとファクターだけ涼しい顔して、壁際のテーブルで延々互いに酌をしながら飲んでいる。
「レイ。この酔っぱらいをなんとかしてくれ!」
「酔ったそいつの相手をしていると酒が不味くなるから断る。頑張って介抱しろ」
「ヒデェ! わかっていてオレをこの二人の間に座らせたな!」
レイが「キムランは村の飲み会初めてだからそこにしろ」ってこの酒癖悪い二人の間に座らせたんだ。
「もう二度と参加するかチクショー!」
力ずくでビリー&村長を引っぺがして家に帰ったら、玄関先で仁王立ちしているミミ様とご対面である。
「キムランふくをぬげ。くさいまんまいえにはいっちゃダメッ」
「ゴメンナサイ」
しくしく。たらいに水を組んできて、洗剤になる木の実の粉でシャツを洗う。
よくもんで汚れを落としてススギ2回。
ついでに自分にもかかっていたから念入りに体を拭く。
乾いた替えの服を出してくれた。
「キムランあまりおさけのにおいしない。のみかいじゃなかったのか」
「だってミミが寝る前に帰らないとって思ってたし」
ミミは一人じゃ寂しくて寝られないから、というのはミミの名誉のために言わないでおく。
「なら、やしょくたべろ。つくりすぎてあまってる」
「わー、ありがとミミ!」
「キムランうるさい」
なでなでしたら怒られた。
ミミが器に持ってくれたのは、なんと雑炊だった。米ではなく、オートミール的なアレだ。荒く潰した中麦を具材とともに煮込んである。
「うおおお、雑炊~!! こっちの世界で食えるなんてキムラン感激! やっぱ酒のあとはコレだよな」
「リゾット。おとーさんが、よくのみかいのあとにこれたべてた。やくそうもはいってるから、ふつかよいしない」
「ありがとう、ありがとう。ミミの優しさが五臓六腑にしみわたるわー」
「ゴゾーにシミル? ってなんだ」
「体に良いってこと」
匙ですくって熱々の雑炊をいただく。
刻んだたくさんの野菜からいいダシがでている。自然のとろみがあって美味しい。
「おお……これがゴゾーにシミル……」
「あはは。それオレの真似?」
ミミも小さめの器にちょっとだけ雑炊を盛って食べている。
食べ終わった食器を桶の水に浸ける。
「ミミ、これ洗うのは明日の朝にしてもう寝よう。オレ眠いや」
「しかたないな。キムランまだこどもだ」
「そうだよ~。寝る子は育つんだからよく寝ないとなんだよ」
ミミと二人で布団に入って、おやすみなさい。
オレがここに来てこのかた、ミミは一度だって夜食を食べたことないのに。
ミミは大人になったら本当にいいお母さんになりそうだな。
なんだかあったかい気持ちで眠りに落ちた。
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