異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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裏世界ジャハナム、狂騒乱舞編

33.貴方を思うからこそ

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 竜巻のように天まで届いた水はいとも簡単に崩れ、豪雨となって炎に降り注ぐ。
 眼下の光景が全て水で埋め尽くされるのを見て、俺は慌ててクロウから離れ崖下を覗いた。まだ手が痺れている。じんじんする。手から腕までの周囲を囲っている青い光の線は消えていない。

 焼け石に水をかけるようなが焼き切れる音を何重にも響かせながら、炎の檻は豪雨に負け、紅蓮の頑強がんきょうな壁を崩していく。
 その網目状になった炎の合間に赤い髪を見て、俺は力の限り叫んだ。

「ブラック!!」

 届かないかも知れない。だけど、気付いてくれよ。
 そう願って喉が痛くなるほどの大声を投げた俺に、その、赤い髪は、なびいた。

「――――っ」

 まるで敵を睨み付ける獣のように歪んだ顔が、俺を見上げる。
 だが、その表情は俺を視認した瞬間に消え去った。

 ブラックの表情が、情けなく、呆気にとられた時の顔のように弛緩しかんする。
 ――――いつもの、ブラックだ。

 そう思って、俺は心から安堵した。なんだか、笑えてくる。
 だけど、炎が全て消え去った地上にはシムラー達が倒れていて。服は焼け所々ところどころが焼失し、そこから見える肌はどう見ても酷い火傷をしているようだった。

「くっ、クロウ、降ろして!」
「え、だが」
「いいから早く! もう心配ないから!!」

 こんな所で死なせるわけにはいかないと思い、俺はクロウに駆け寄って首根っこに腕を回す。クロウは一瞬戸惑ったようだが、俺にやけに勢いの良い鼻息をかけて抱き締めてきた。そうして、勢いよく崖から飛び降りる。

 うおおおおおおフリーフォールぅううう!!
 今まで忘れてたけど俺絶叫マシンダメなんですぅううううう!!

「あああああああ」
「着地の時に舌を噛むぞ、閉じてろ」

 ご忠告どうもぉおおお。
 必死に口を閉じた途端、どすんという音と共に内臓を浮かすような衝撃が伝わって来た。ぐ、お、お……解っちゃいたけど、高所からの着地ってすっげ痛い……。
 でも、今は痛がってる場合じゃない……っ。

 俺はクロウに降ろして貰うと、ふらふらしつつも倒れているシムラー達の具合を見た。酷い火傷だが、しかし全身を焼かれている訳ではない。
 腐肉が焼ける時以上の凄まじい臭いを放つ火傷を必死に確認して、俺は無意識に腰に手を回した。だが、そこには俺のウェストバッグはない。

「あ……そ、そうだ……荷物は全部ジャハナムに置いて来てるんだった……」

 ヤバい。どうする。
 火傷って冷やして良かったんだっけ。冷水で熱を下げてよかったんだよな?
 でもこの状態の奴らに水ぶっかけていいのか。
 しかし何もしないで放って置いたらこのまま……。

「ツカサ、くん」

 真の抜けた声が聞こえる。
 ……そうだ、迷ってる暇なんてない。俺は、コイツの為に炎を打ち消したんだ。
 打ち消すだけの覚悟があったなら、こんな所で迷ってシムラー達を死なす訳には行かない。俺は、何が何でもこいつらを助けなきゃならないんだ。

 思いきり息を吸い、じりじりと音を立てて焼ける地面の臭いと、人体からかもされる本能が忌避する悪臭を現実であると受け入れる。
 そうして覚悟を決めた俺は、ふところで待機していたロクを地面に降ろした。

「ロク、この周辺に居る人間に助けを求めてくれ! 呼ぶだけじゃなく、この場所の映像を伝えるんだ、出来るか!?」
「キュゥ!」

 ロクの体が薄らと光を放つ。それを見て、俺も残りカスのような疲弊ひへいした精神をふるい立たせる。辛い。気が切れそうだ。だけど、倒れる訳には行かない。

 俺は再び両手を突き出して、幾つもの水の球体が自分の周囲に現れるイメージを明確に作り上げた。その想像に応えるように、再び俺の掌から光が生まれ、何重もの光の帯が俺の腕まで覆い始める。

「くっ……」

 倒れた奴ら全員を、冷たい、熱を取り去るほどの冷水の球体で包む。
 たったそれだけのイメージのはずなのに、両手が酷くうずく。内側から引き絞られるように痛む。頭がだり、思考が朦朧もうろうとして来た。

 だけど、構っていられない。
 俺は自分の周囲に出現したいくつもの巨大な水球を怪我人に放つと、そのまま両手の光を振り払うように手を動かし、今度は手を組み合わせた。

「ツカサ君……!」

 やっと正気に戻ったかのような声が聞こえる。
 こんちくしょう、遅いんだよ。

 びりびりと電流が走るような感覚のする両手に再び力を籠め、俺は駆け寄ってくる赤髪の何かに掠れた声で怒鳴る。

「ブラック! お前がやった事だ、しっかりコレで応急手当しろよ……ッ!!」

 もう、正直、目が見えない。
 なに格好いい事言ってんだろ俺、はは、超中二病じゃね?
 これぞヒーロー?

 頭が回らない。イメージするので精一杯で、理性的な言葉が出てこない。だけど、途切れはじめる意識を必死に繋げて、俺は細胞がはち切れんばかりに力を籠めたイメージを掌から放出させる。

 青い光を振り払った腕に、緑の透明な光がつたのように巻き付いて来る。
 その様を見て、俺は爪の痕が付く程に組み合わせていた手を、解いた。

「くっ、そ…………もう、だめ……っ」

 その軽い衝撃ですら、もう、立っていられない。
 体が後ろに傾いだ俺の手が、天を向いて宙に舞う。巻き付いた光の蔦は、離れたその手から放出されるように一気に周囲に飛び散り、そして。

「なん、だ……これは…………」

 声が、聞こえる。
 目の前で、俺に手を伸ばす影が有る。
 その手にすがるように手を伸ばす俺を中心にして、荒れた大地に緑が広がった。

「ツカサ君!!」

 倒れそうになる俺の手を、ブラックが掴む。
 …………あれ。
 こんな事……前にもあったような?

 覚えていないはずなのに、俺は何故だか既知感を覚えて嬉しくなった。
 ああ、ブラックは、また俺を助けてくれたんだって。

「大丈夫!? ごめっ……ごめん、ごめんよ……僕はなんてことを……っ」

 強く引き寄せられて、そのまま抱き締められる。
 嫌な臭いなんて全くしない、いつも通りのにおい。それが何故だかとても懐かしくて、俺は脱力して思うように動かない頭を擦りつけた。

「てあて……たのんだ、ぞ」

 もう、無理。
 限界だ。

「ツカサ君……っ!」

 しっかりとした腕に抱きとめられて安堵し、そこで俺は意識を手放した。








 また、気絶か。

 暗闇の中でぼんやりと意識が戻った時、俺は自分でそう突っ込まずにはいられなかった。だが、それを悔やむのも何度目だよって感じだ。
 それより今は目を開けなければ。そう思ってゆっくりまぶたを開くと、目の前になんだか判らない真っ赤な何かが有った。

 えっなにこれ。炎? 炎まだ消えてなかったの!?
 やべえと思って、反射的に体を起こした。
 が、頭にゴツンと何かがぶち当たる音がして、俺は頭を抱えて転がる。
 ぶつかった赤い何かも、ぐおおおという声を上げて痛がっているようだった。
 あれ……この声って。

「うぐぐ……ぶ、ブラック……?」
「づ、づがざぐん、ひどいよぉ……」

 い、いやーすんません。勢いよく頭が起き上がったもんでつい。
 とか言ってる場合か。柔らかい草の上に手を突いて立ち上がると、俺はブラックに駆け寄る。周囲には馬車が何りょうか停まっていて、何かごちゃごちゃやっているのが見えた。アレは……手当か?

 良く解らないが、とりあえず話を聞こうと思いうずくまっている中年を起こす。

「ブラック、大丈夫か?」
「キスしてくれたら治るぅ……」
「よーし大丈夫だなクソ親父。今の状況を説明してもらおうか」

 心配して損した。気絶する前までの心配からまるっと損した気分だぞこの野郎。
 軽蔑けいべつするような目で思いっきりブラックを見るが、相手は妙にテレテレしながら両手で赤い頬を覆って首を振る。乙女か。
 ふざけんなと頭に手刀を食らわすと、ようやくブラックは真面目に話し始めた。

「えーっとね……まあ簡単に言うと、ツカサ君のお蔭でシムラー達は助かったし、応急処置が早かったので、監獄から看護兵達が到着するまで持ちこたえられました。んで、彼らは今からそのまま監獄に直送されるところ」

 そう言って親指で指した方向には、白いローブをつけた人達がいた。
 彼らがわらわらと集まっている馬車の幌の端に、包帯を巻いた足が見える。
 白いローブの看護兵たちは怪我人に付き添うようにそれぞれが馬車に乗り、そのまま何処かへ走り去ってしまった。
 後には、俺達が乗って来た空っぽの馬車しかない。

 崖の群れの間の草原に取り残された俺達は、どうしたものかと顔を見合わせた。
 シムラー達が監獄に連れて行かれたって事は……俺達の仕事はもう終わりって事だよな……? これからどうすりゃ良いんだろう。帰っていいのかな。
 いやでも、監獄に連れて行かれたからって、逮捕されたとは限らんぞ。

「ブラック、シムラー達の悪事の証拠とか……」
「そっちはトルベール達がシアンに報告してくれたらしい。さっき、看護兵達から聞いたよ。シムラーに協力していた奴らも全員逮捕出来たから、僕達がやれる事はもう無いだろう。これで本当に、終わりだよ」
「……そっか」

 なんだか、あっけない。
 呆気ないと言うか、何と言うか、終わった実感がない。

 生ぬるい風に揺れる草の上で、俺は周囲を見回す。
 ……誰もいない。ロクの姿も見当たらなかった。
 なんだか急に不安になって、俺はブラックの目の前に座り込んだ。

「なあ、クロウやロクは……」
「熊男はシアンを迎えに行ってる。ロクショウ君は案内係だよ。たぶん、もう少ししたら帰ってくると思うから、ここで一緒に待っていよう」
「……そ、そう」

 それきり言葉が出なくって、俺は地面に手をつく。
 俺達の居る場所にだけ青々と茂っている草原は、荒野のようなこの地帯には異質だ。見覚えのある草花をじっと見ながら、俺はただ黙っているしか出来なかった。

 そんな俺を、ブラックはじっと見つめている。だけど、その表情は真剣だった。
 凝視されているのは解っていたが、何故か顔を合わせる事が出来なくて。
 無意識に目を逸らした俺に、ブラックは穏やかな声で呟いた。

「…………凄いね、これ」
「……」
「ツカサ君の力だよ。ほら、雑草に交じって沢山モギや小さなロエルが生えてる。……黒曜の使者の力でこんな事が出来るなんて、思わなかったよ」

 なんて事はない言葉のはずなのに、胸が痛む。
 だけど胸を押さえるわけにも行かなくて、俺は唇を噛んで目を伏せた。

「……上手く行ったのは、まぐれだよ」
「それでもあいつらを……いや、僕を助けようと、必死で使ってくれたんだろう? 今までずっと怖くて使えなかった力を……僕を救うために」
「…………そん、なんじゃ」
「ねえ、いいんだよ。怖がらなくて。……ツカサ君、ちゃんと自分の望みどおりに力を使えたじゃないか。凄い進歩なんだよ?」

 そうだな、凄い進歩だよ。
 チンケな技にしか使って来なかった物を、俺はお前を助けたい一心で使った。
 その結果成功したけど、でも、素直に喜べなかった。
 これは自分の力じゃない。ちゃんと色々考えて、お前が絶対に助かるって確信をもってやった事じゃない。何より……。

「ツカサ君。悲しい顔しないで」

 優しい声が耳に届いて、抱き締められる。
 気絶する前に嗅いだ香りが視界を覆い隠して、俺は逃げ場を失った。

「僕はちゃんと解ってるよ。……僕は我を失って、あいつらを殺そうとしていた。だけど、君の声が、君の温かい雨が、僕を引き戻したんだ。君は僕の事を思って、怖かった事をしてくれた。……ちゃんと、わかってるから」
「違う、よ……馬鹿っ……」
「馬鹿でいいよ。……馬鹿でいいから、そう信じさせて」
「…………」

 そう言われると、何も言えなかった。
 ただ無性に悔しくて、泣きたくて、恥ずかしくて、目が熱くなってくる。
 こんな事で泣きたいわけじゃない。だけど、心の中で渦巻いている事を言うのはどうしても自分のプライドが許さなくて。

「ツカサ君、怖がらないで。制御できない物は悪だ、なんて事は無い。制御できたとしても、僕はずっと、君のそばに居る。ツカサ君から離れないから」
「はっ……」
「違う? 違わないよ、きっと。……ツカサ君は、素直じゃないからね。だから、僕が先に言ってやる。どんなことになっても、僕は君のそばに居るからって」

 何を言ってるんだ、アンタは。
 俺が怖がってた? 何を。どういう物を?
 力を考えなしに発動して、後から失敗した時の事を考えて怖がってた?
 バカ言ってんじゃないよ。そんなこと、考えてなかったよ。
 俺は。ただ、俺は。

 ……そんな風な言いたい事が沢山あるのに、言葉にならない。
 ただ体は震えて、ブラックの胸から頭が離せなくて。

 そんな無様で格好悪い自分の姿が憎らしくて仕方ないのに、俺はただ縋るように服を掴んで体を擦りよせていた。
 ブラックはそんな俺の肩をそっと掴み、顔を引き離す。
 そうして俺の情けない顔を見据えて――ブラックは、人懐こい笑みで笑った。

「君が僕を救ってくれるから、僕はずっと君のそばに居られるんだよ。ツカサ君」

 手が、俺のあごを優しく掴む。

「僕は君がいるから、存在していられる。正しく生きていられる。僕にはもう…………君しか、居ないんだ。だから……」

 声が、近付いて来る。
 涙で歪んだ視界に潤んだ菫色すみれいろの瞳を見て、俺は震える息を吸い込んだ。

「僕を、好きだと言って」

 綺麗な紫の色が、目の前に、ある。
 その色が広がる前に拒否出来たはずなのに、俺は。

「…………っ」

 柔らかい感触が、唇に触れる。
 だけど、それは俺の唇よりも少しかさついてて、熱くて……違う、においで。

「んっ……」

 濡れた何かが閉じた唇の合わせ目を濡らし、更に強く押し付けられる。
 体は拘束されていない。
 肩に手を置かれてるだけで、逃げようと思えば逃げられた。
 だけど、どうしても、逃げられなくて。

「ツカサ君……好きだ…………。愛してるよ……」
「ぶら、っく……」

 唇を離し、ブラックは紅潮した頬で嬉しそうに笑う。
 子供のようなその笑顔は、俺を動けなくさせるには充分で。
 そんな顔を見せられると、どうしてだか何も言えなくて。

「今はなにも、考えないで」

 低く耳に残る大人の声が、俺をなだめる。
 そうして、またキスをされた。

 ……ああ、そうか。これはキスだ。前にもされたはずなのに、分からなかった。
 ただ暖かくて、胸が痛くなって、だけど……なんだか、拒む事が出来なくて。
 今だけかもしれないけど、ブラックに優しく言われると体から力が抜けて行った。

「ツカサ君、好きだよ……」

 熱で潤んだ綺麗な瞳が、また近付いて来ようとする。
 俺は、何も言えないまま、軽く顎を――――

「あらあら、二人ともいい雰囲気ねえ」

 傾ける前に、思いっきりブラックの頭を地面に押し付けた。












 
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