異世界日帰り漫遊記!

御結頂戴

文字の大きさ
1,043 / 1,149
緑望惑堂ハイギエネ、霊蛇が隠すは真理の儀仗編

  悪い奴ほどよく群れる2

 
 
「で……用事ってなんですか?」

 あくまでも強気な態度をくずさずに、いじめっ子達へ問う。
 威嚇いかくのつもりで思いきり敵意をしにしてみたのだが、いじめっ子達もかなりふてぶてしいのか、全く効いていないようだった。

 くそう……こいつら自分達が悪い事をしているって自覚が無いのか。
 そういうタイプは厄介やっかいなんだよな。

 でも、だからといってスグに逃げられるはずもない。

 ちょっと殴られる程度ていどなら覚悟しているし、俺はもうすでにリンチの経験があるから、軽い暴行ぐらいなら怖くないんだからな。
 ……っていうか、曜術が使えない俺の世界の方がマジで怖いし。

 それにくらべたら、チート能力があるこっちじゃ怖さも半減ってもんだ。
 しかも、こっちなら……絶対に助けに来てくれる頼もしいヤツもいるし……。

「ほう、随分ずいぶん余裕よゆうだな? メスのくせに」
「……そういうの、性別とか関係ないと思いますけど」

 オスメス関係なく、覚悟を決めれば人はあせったりしないだろう。
 俺の冷静な態度がご不満らしい金髪リーダーに言い返すと、相手は「メスのくせに生意気だ」と思ったのか知らないが、俺の胸ぐらをつかんできた。

 おいヤメロ、この服ヘソ出るくらい短いんだよ、さらに短くするな。

一々いちいち口答くちごたえすんじゃねえよ、下等なメスのくせに」

 凄みをかせて俺をにらかえす相手。
 だが、俺には全く効かない。

 ……というか、俺にとってはかなりまとはずれな暴言を吐かれているので、どうしても相手の挑発ちょうはつに乗りきれないのだ。
 だって俺、メスと言われ始めてからまだ全然ってないし。

 そもそも俺は、ブラックのためだけにメスだと認めたようなもので、自分がメスであると完全に納得したわけじゃない。というか、多分そこは一生納得できないのだ。
 異世界から転移してきた身であるがゆえに、どれだけ「下等なメス」と言われても、まったく腹が立たなかったのである。

 ていうか、暴言ならいつも悪友どもが投げかけてくるしな……。
 アッチの世界じゃ仲間外れもリンチも陰口かげぐちも経験してるんだ、こんな程度ていどじゃ俺を落ち込ませることすら出来ないっての。

 そんな余裕よゆうをかましている俺がにくらしいのか、リーダーは胸ぐらをつかんでいた手を乱暴に動かして、俺を引き倒そうとするかのように解放した。

 いきおあまってコケそうになったが、なんとかってこらえる。
 そんな俺に、相手はイライラを隠しもせず顔をゆがめた。

「チッ……。お前ら、ラスコーが精製薬を作るのを手伝ってるそうだな」
「それがなに?」

 またラスコーさんをいじめる気なのか。
 だとしたら、俺だって容赦はしないからな。今度いじめたら俺の必殺パンチで全員コテンパンにしてやる。俺だってやる時はやるんだからな!

 強気な姿勢をくずさない俺に、リーダーは先程さきほど敵愾心てきがいしんを捨てたかのように貴族ぶって、大仰おおぎょうてのひらを上にしながら「やれやれ」というジェスチャーを見せてくる。

こまるんだよなぁ、所詮しょせん部外者の君達に色々き回されたら……。もうこれ以上アイツの研究に協力するのはやめてほしいんだけどねえ」
「学院長直々じきじきの依頼なのに、なんでアンタらは嫌がるんだよ」
贔屓ひいきされてるのを見たら誰だって嫌悪感を持つんじゃないかぁ?」

 そらまあ、贔屓ひいきなんてハタから見てて気持ちのいいもんじゃないけど。
 でも、ラスコーさんが自分のやりたい研究を遅らせてまで、一族で取り組んでいる「完璧な回春薬」の完成を目指しているのを知っていたら、仕方ないと思うだろう。

 ラスコーさんだって、自分の研究をやりたいのにガマンしてるんだ。
 「今やれるのに出来ない」というのは、かなりのストレスに違いない。それなのに、文句を言わずに先祖の研究をやろうとしているんだ。
 そんな姿を見て応援こそすれ、やっかみの気持ちなんて持つはずがない。

「俺達は学院長がやとっただけで、ラスコーさんが頼んだわけじゃないよ。そもそも、彼もやりたい研究があるのにそれを遅らせて先祖の薬を作ってるんだぞ? アンタ達だって、そんなハメになったらつらくて仕方ないだろ。それに、材料集めが楽になったダケで、別にラスコーさんの研究がはかどったワケじゃない。こんなことでラスコーさんや俺達をうらむなんてすじちがいも良いとこだ」

 なぜそんな思考になったのかは分からないが、彼の事情を少しでも知っていたら、いじめたりちょっかいをかけたりなんてしないはず。
 相手の事情も知らずに、自分勝手な事を言わないでほしい。

 そんな思いを込めた反論だったが、いじめっ子どもには響かなかったらしい。

「ハァ? コネで代々薬学院に入れて貰って完成もしない薬を延々えんえん作り続けてるバカ一族の何がつらいんだよ。適当に薬を作ってるフリさえしてりゃ在籍できるんだろ? あんな奴らクソの役にも立たないんだから、それなら俺達がああやって使ってやった方がマシだろ! むしろ感謝してほしいくらいだね!」

 あまりにもあんまりな言い草だが、俺以外のその場の全員が「そうだそうだ」と嫌な笑いを見せる。……どうやら、ラスコーさんの一族は薬学院ではあまり良く思われていないらしい。でも、だからっていじめるのは間違いだろう。

 放蕩ほうとうの限りをくした奴の子孫だからって、同じ性質とは限らないはずだ。
 現に、ラスコーさんは楽をしたがる性格じゃないだろ。

 気弱でテンパりがちで、でも自分の研究がしたいからって頑張ってるような人だ。
 真面目にやっているのに、それを馬鹿にされるのは外野でも気分が悪い。

 …………コネで好き勝手しやがってっていう気持ちは、分からなくもないけど……でも、誰かを傷付けたワケじゃないなら放っておいても良いじゃないか。

「ラスコーさんは真面目に研究しているし、その研究だって誰かのためになる。それはアンタ達だって理解してるんじゃないのか? なのに、何でそんな無意味ないじめをするんだよ。こんなことしてたら時間の無駄じゃないの? 俺をこんな所に閉じこめる余裕よゆうがあるなら、その時間で研究してた方が有意義なはずだろ」

 そう。
 アドニスだって、きっとそうするはずだ。

 本物の研究バカってのは、誰かをしいたげる時間すらしいものだろう。
 好きな事に全力だから誰かをかまっている時間なんてないし、それが良いか悪いかはともかく、自分のやりたいことにぐなはずなんだ。

 その……研究のために、俺にご無体な事を働こうとするくらいに。
 だから、このいじめっ子達がやっていることは無意味だ。息抜きやストレス発散だと言うのなら、他の事の方がよっぽど有意義なのに。

 なにより、人をしいたげるのが「息抜き」なんて許せない。
 心の中の正義感が燃えてしまい、俺はつい強い言葉を突き付けてしまった。

「ラスコーさんが『コネ入学』なら、アンタらは何なんだよ。研究よりいじめや陰口かげぐちに熱心になって、人をこきおろす事ばっかしてんのはどういうこと? 精製薬の研究がしたいからここに来たんじゃないの? 立派な薬師になりたいから薬学院に来たんじゃなかったのか。これじゃコネで入学して、研究もおざなりになってるコネ貴族と変わらないじゃないか!」

 それともアンタらがその「コネ貴族」と同じだっていうのか。

 強い視線を向けた俺に、いじめっ子達はたじろぐ。
 ……痛い所を突かれたのか、それともマジでこいつらがコネ貴族なのか。

 そういえば、他の学生と違ってコイツらの服装はわりとお金がかかってるようだ。貴族であるラスコーさんですらヨレヨレの白衣っぽいものを着たりしてるのに、こいつらの服はいつも綺麗でピカピカしている。
 どう考えても、庶民しょみんの秀才という感じでは無かった。

 やっぱりコイツらの方がコネ貴族なんじゃないの。
 そんでもって、同じような存在だと思ってるラスコーさんならいじめても周囲に文句は言われないと思って、あんなことをしてたのでは。

 ……ありうる……。
 自分達の不満を発散したいがために、いじめても問題無さそうな奴をからかって徐々じょじょに行動がエスカレートしていく……なんてのは、よくある発端だ。

 ラスコーさん自身、自分の一族にあまり良い印象が無いみたいだったから、学院の人達も恐らくは昔からそういう認識だったんだろう。
 そんな下地したじがあったから、コイツらが目を付けてしまったんだ。

 ……とはいえ、学校に行ってるんならせめてちゃんと生活しろよなあっ!

 いや俺が言えたギリじゃないし、赤点常習犯だから何言ってるんだって尾井川達に往復ビンタされそうだけどさあ!
 でも、今ここではっきり言えるのは俺しかいないんだ。
 今回だけは棚上げさせてもらいたい……!

「うっ、うるさいうるさいうるさい!! 俺達はお前のような下等なメスなんぞ本来なら会う事すら叶わない高貴な身分なんだからな! たかが薬師風情ふぜいが、生意気なくちをききやがって……!」
「ルイータ様、こいつもうやっちまいましょうよ!」
「こんな生意気なメスは、しつけしてやったほうがいいですって」
「そうですよ!」

 リーダーの金髪が、痛い所を突かれたのか激昂する。
 その勢いに取り巻き達がなにやら騒ぎ出した。

 痛い目か……生憎あいにくだが全然怖くないぞ。
 何故なら俺は今怒ってるけど凄く冷静だからな。
 ……でも、無益むえきな争いはコイツらと同類になっちまう。ブラック達にも心配を掛けたくないし、チート能力者っぽくここは格好いいところをみせてやりますか!

しつけって、なにする気なんですか。……言っておくけど、俺は師匠に鍛えられてますから、ちっとやそっとの術じゃ対抗できませんからね」

 おっと、なんか俺ってば知的な強キャラっぽくないか!?
 へ、へへへ、実はちょっと格好つけて見たかったんだけど、これは気持ちいいな。

 悪党を威嚇いかくだけでだまらせる強い男……ダチが見てたら絶対出来ないけど、こちらが喧嘩けんかを売られた上にここは異世界なんだから、ちょっとくらい演技が勝っててもいいよな。演技なら、最初の良いメス演技で今更いまさらだしっ。

 よーし何だか気分が乗って来たぞ。
 こうなったら、俺を警戒しているいじめっ子達に俺のチートを見せてやろう。

「今後、ラスコーさんに難癖をつけるなら……俺達にも考えがありますからね」

 そう言いながら、俺は軽く呪文を呟いていじめっ子達を指差すように腕をばす。
 ――と、その瞬間、俺の周囲には無数の水のたまが一気に出現した。

 今までめていた水の曜気を、無数の水球が出現するようにイメージしつつ一気に放出したのだ。【アクア】ならこんな芸当も出来るってわけよ。
 ……ホントは木の曜術でタイマン勝負でも良かったんだけど、普通の曜術師は種を持って術を発動するからな……。

 アドニスはともかく、珍しいメスの曜術師とはいえ普通は何もない場所から植物をやす事なんて出来ないからな。
 今は雑草の種も置いてきちゃったし、出来るだけチートは隠すようにしないと。

「ヒッ……」
「あ、あんな数の水を……!?」

 でも、いじめっ子達には【アクア】を見せただけでも効果的だったようだ。
 まさかメスがこんなに曜術を操れるなんて思っていなかったんだろう。

「ぐっ……お、覚えてろよ!!」

 先程さきほど、お仲間の一人に「ルイータ」と呼ばれた金髪いじめっ子リーダーが、おびえたように顔を青くして俺の横を走り去っていく。
 それを見て、取り巻き達もあわてて準備室から逃げて行ってしまった。

「うわっ!!」
「ぎゃっ」

 教室を出た途端、なんだか驚いたような声を残して。
 …………なんだ。教室の外になにかあるのか。

 二段構えのおどかしをした覚えは無いんだが、と、俺も廊下に顔を覗かせる。
 すると、ドアのすぐ横に立っていたのは。

「……ブラック」

 そう。ムッとしたいかつい顔で壁に寄りかかっている、近寄りがたい雰囲気ふんいきの怖いオッサンが居たのだ。こりゃあ確かにびっくりするよな。
 でも、いつからここに居たんだろう。

 不思議に思っていると、ブラックは殺気立った表情をすぐに子供が不機嫌になったかのような顔に変えて、両手を広げながら俺に近付いてきた。

「もう……ツカサ君てばホントに厄介事やっかいごとに巻き込まれるんだからぁ……」

 大人の低い声なのに、可愛らしくねたような声音で俺をなじりながら、問答無用でギュッと抱き締めてくる。
 抵抗するヒマもなく腕に囚われてしまったが……なんだか、抵抗する気持ちも起きなかったような気がするぞ。どうしたんだ俺。

「ぶ、ブラック、その……」
流石さすがは僕のツカサ君っ! カッコ良いっ! って思わず興奮しちゃったけど、でも複数人のオスどもにかこまれて危険だったんだからね!? こういう時は指輪をにぎって僕を呼んだりとかしてくれないと……!」
「えっ、指輪ってそんな機能あったの?」

 追跡機能と対暴漢用電撃機能は知ってたけど、それは初耳なんだが。
 もう慣れてしまったブラックのぬくもりと匂いに包まれながら顔を上げると、相手は「しまった」という顔をして目を泳がせる。
 どうやら説明してない事を忘れてたらしいな。

「この前ちょっとつけたの。……まだ不安定だけど……」

 怒ったクセに、この言い草だ。
 でもその甘えたような口調がなんだかおかしくて、俺は笑ってしまった。

「……ありがとな。今度危なくなったら使わせて貰うよ」
「うん。……でもさ、ツカサ君もちょっと強くなったよね。……まあ、あんな雑魚ざこだったら、時々はこうして勝てるのかもって感じだけど」
「おいコラ俺の事どんだけ弱いと思ってるんだよ」

 勝率何割とかいうレベルですらないんかい。
 どんだけ俺を下に見積もってるんだとにらんだが、ブラックはそんな俺の視線に苦笑してほおをすり寄せて来た。だあもうなつくなって、ここ廊下、学校の廊下!!

「弱くても、僕はそんなツカサ君がしゅきなの~」
「そ、そういう問題じゃな……うぷっ、ちょっ、ひげちくちくするやめろって!! つーか、いつの間に俺の指輪いじったの!? ね、寝てる間!?」
「えっと、そ、それはその……まあ、そんな感じ……」

 ……なんかアヤシイな。
 でもまあ、俺のためにしてくれたことっぽいからいいか。

 それに今は……ブラックがすぐ後ろに居てくれたって思うと、なんか心がぽかぽかして来て良い気持ちだし。
 ……恥ずかしいけど、やっぱり俺もちょっと怖かったのかな。
 無意識に「ブラックがいてくれたら」と思ってたのかと恥ずかしくもあるが……。

「…………」
「えへ……ツカサ君……ね、ちょっとお茶休憩しようよ二人っきりでさ。僕ツカサ君のお茶とお菓子が食べたいなあ」

 また適当な口実を使いやがって。
 何のかんので二人っきりになりたいだけのくせに。

 ……でも……その誘いに、つい心臓がきゅうっとなってしまう俺も俺で……。

 ………………ま、まあ……ちょっとくらい、いいか。

 許可を貰って帰って来ても、まだアドニスは質問攻めの最中だろうしな。












 
感想 1,277

あなたにおすすめの小説

愛されたいだけなのに

まさお
BL
我儘令息だったノアは一回目の人生で最愛の人からの裏切りの末、殺される。 気がつくと人生が巻き戻っていて人生二週目が始まる。 しかしまた殺される。 何度も何度も繰り返した人生の中で自分が愛されることを諦めてしまう。

ストーカーから逃げ切ったのも束の間、転移後はヤンデレ騎士団に殺されかけている現実!

由汰のらん
ファンタジー
ストーカーから逃げていたある日、ハルは異世界に召喚されてしまう。 しかし神官によれば、どうやらハルは間違って召喚された模様。さらに王子に盾ついてしまったことがきっかけで、ハルは国外追放されてしまう。さらに連行されている道中、魔族に襲われ、ハルの荷馬車は置き去りに。 そのさなか、黒い閃光を放つ騎士が、ハルに取引を持ちかけてきた。 「貴様の血を差し出せ。さすれば助けてやろう。」 やたら態度のでかい騎士は、なんとダンピールだった。しかしハルの血が特殊だと知ったダンピールはハルを連れ帰って? いっそ美味しい『血』(治癒)と『体液』(バフ)と『癒し』を与えるダンピール騎士団のセラピストを目指します!

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

助けたドS皇子がヤンデレになって俺を追いかけてきます!

夜刀神さつき
BL
医者である内藤 賢吾は、過労死した。しかし、死んだことに気がつかないまま異世界転生する。転生先で、急性虫垂炎のセドリック皇子を見つけた彼は、手術をしたくてたまらなくなる。「彼を解剖させてください」と告げ、周囲をドン引きさせる。その後、賢吾はセドリックを手術して助ける。命を助けられたセドリックは、賢吾に惹かれていく。賢吾は、セドリックの告白を断るが、セドリックは、諦めの悪いヤンデレ腹黒男だった。セドリックは、賢吾に助ける代わりに何でも言うことを聞くという約束をする。しかし、賢吾は約束を破り逃げ出し……。ほとんどコメディです。  ヤンデレ腹黒ドS皇子×頭のおかしい主人公

【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました

桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。 言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。 しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。 ──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。 その一行が、彼の目に留まった。 「この文字を書いたのは、あなたですか?」 美しく、完璧で、どこか現実離れした男。 日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。 最初はただの好奇心だと思っていた。 けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。 彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。

【完結】国に売られた僕は変態皇帝に育てられ寵妃になった

cyan
BL
陛下が町娘に手を出して生まれたのが僕。後宮で虐げられて生活していた僕は、とうとう他国に売られることになった。 一途なシオンと、皇帝のお話。 ※どんどん変態度が増すので苦手な方はお気を付けください。

【完結】冷酷騎士団長を助けたら口移しでしか薬を飲まなくなりました

ざっしゅ
BL
異世界に転移してから一年、透(トオル)は、ゲームの知識を活かし、薬師としてのんびり暮らしていた。ある日、突然現れた洞窟を覗いてみると、そこにいたのは冷酷と噂される騎士団長・グレイド。毒に侵された彼を透は助けたが、その毒は、キスをしたり体を重ねないと完全に解毒できないらしい。 タイトルに※印がついている話はR描写が含まれています。

【完結】凄腕冒険者様と支援役[サポーター]の僕

みやこ嬢
BL
2023/01/27 完結!全117話 【強面の凄腕冒険者×心に傷を抱えた支援役】 孤児院出身のライルは田舎町オクトの冒険者ギルドで下働きをしている20歳の青年。過去に冒険者から騙されたり酷い目に遭わされた経験があり、本来の仕事である支援役[サポーター]業から遠退いていた。 しかし、とある理由から支援を必要とする冒険者を紹介され、久々にパーティーを組むことに。 その冒険者ゼルドは顔に目立つ傷があり、大柄で無口なため周りから恐れられていた。ライルも最初のうちは怯えていたが、強面の外見に似合わず優しくて礼儀正しい彼に次第に打ち解けていった。 組んで何度目かのダンジョン探索中、身を呈してライルを守った際にゼルドの鎧が破損。代わりに発見した鎧を装備したら脱げなくなってしまう。責任を感じたライルは、彼が少しでも快適に過ごせるよう今まで以上に世話を焼くように。 失敗続きにも関わらず対等な仲間として扱われていくうちに、ライルの心の傷が癒やされていく。 鎧を外すためのアイテムを探しながら、少しずつ距離を縮めていく冒険者二人の物語。 ★・★・★・★・★・★・★・★ 無自覚&両片想い状態でイチャイチャしている様子をお楽しみください。 感想ありましたら是非お寄せください。作者が喜びます♡ ムーンライトノベルズにて改稿版を掲載しました。