異世界日帰り漫遊記!

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緑望惑堂ハイギエネ、霊蛇が隠すは真理の儀仗編

1.緑の学び舎と不肖の弟子

 
 
 古い港を持つ【エスクレプ】は、山をけずって出来たような坂の街だ。
 ゆるやかに伸びた坂道を登って行くと、街長まちおさや役人達が暮らしている邸宅が並ぶ閑静かんせいな住宅街と――――もう一つ、重要な施設が建っている。

 その建物は……この街で一番巨大な建築物であり、街と海を見下ろす位置に建っていて、坂道を上ると否応なしに見えてくるほど目立った存在だ。
 けれど、徐々に近付く目的地は、学問をつかさどる場所だと言うのにどこか神殿のような雰囲気ふんいきかもしている。

 朝の海霧に浮かび上がる白亜の影は、なんだか現実感のない夢のようだった。

 しかしその印象も、朝日が霧を散らすと大きく変わる。

 俺達が馬車を下りてあおぎ見た知識の殿堂は、陽の光に照らされて威風堂々な様子で視界に広がっていた。

「ここが……【薬学院】か……」

 呟いて見上げるのは、白い壁に青々とした植物が這う独特な様式の建物だ。
 馬車を止めるロータリーから見上げる入口は、やっぱり威圧感が凄いな。

 でも、案外あんがい物々しい感じでもないみたいだ。
 神殿のようだなと思った【薬学院】の外観は、近付いて見ると神々しさよりも人の気配の方が強い、活気ある場所であることが分かる。

 高価なガラス窓がずらりと並ぶ三階建ての大層たいそう大きな建物は、装飾こそおごそかな物ばかりだが、所々の窓からは布がぶら下がっていたり、もくもくと青紫の変な煙が上がっていたり、なんなら「助手いつでも募集中!」と書いた垂れ幕が下がった窓も見かけられる。

 思ったよりも生活感がある……というか、漫画で良く見るなんかカオスな大学って感じだ。ギャップが凄いが、ホントの大学もこんな感じなんだろうか……。

「迎えが来るまで待ちましょうか。私達が坂を上ってきている姿は、彼らもここから見て把握はあくしているでしょうからね」

 一緒に馬車から降りたアドニスは当たり前のようにそう言う。

 ……一応、ロサードは物品を納品しに来たのだが、もうそんなレベルの話ではなくなっているようだ。
 薬草が届いた連絡をしたついでに、アドニスが訪問する事をロサードが伝えていたらしいので、たぶん俺達は来客として迎えられる手はずになっているのだろう。

 普通は迷惑極まりない急な来客だと思うんだが、そこはアドニスの輝かしい称号が大いに効いているに違いない。
 なんたってこの胡散うさんくさい笑みの男は「世界最高の薬師」とたたえられる男なのだ。

 薬学の研究に没頭するこの施設でも、その薬師の称号は有効と言う事だな。
 まあ実際かなりの実力者だし、そのおかげで俺達も難なく【薬学院】に潜入できるのだからありがたい話ではあるんだけど……。

「なあ、やっぱりこの格好は【弟子】っていうかお付きの小坊主じゃない……?」

 自分の服装を改めて見回し、俺は隣のアドニスを見上げる。
 背後では心配そうな気配と不機嫌な気配がただよっているが、そんなものは微塵みじんも気にしないアドニスは、黒に近い深い緑の長髪を揺らして笑った。

「ははは。まあ君の背丈では誤解されても無理はないと思いますが……しかし、今は私が認めている“私の弟子”なのですから、胸を張っていなさい。まごついていたら、要らぬ勘繰かんぐりをされてしまいますよ」
「ぐう……」

 そう言われると何も言えなくなるが、しかしやっぱりこの格好は恥ずかしい。

 この世界の奴らは基本的に大柄で長身だから仕方ないとはいえ、日本では平均的な身長であろうはずの俺が、全然子供に見えちゃうんだもんなぁ……。
 しかも今は、どこの聖歌隊だよって感じの白に近いパステルグリーンの服とぴっちぴちの半ズボンを穿かされてるわけだし……。

 …………この恥ずかしい半ズボンがなけりゃ、まだ大人に見えたのでは。

 っていうかそもそも、この世界じゃ十七歳は立派な成人なんだから、大人がこんな服を着ていたらおかしいのでは。

 あれ、もしかして俺またハメられた?

「なあ、やっぱりこの格好……」
「ああようやく迎えが来ましたね」
「えっ? ホント?」

 アドニスの唐突な発言に正面を見やると、ガッチリ閉じた大きい飴色の扉がギッと開き、中からこの前見かけたような服装をした女性が出てきた。
 神父さんの服にちょっと似ている、白くて清潔そうな服。たぶん【薬学院】の制服なんだろうな。でも、彼女の服は学生の服とは違って、金の刺繍ししゅうによる模様が所々に刻まれていた。たぶん、講師とか偉い人とかそういう目印なんだろうな。

 俺の予想はあながち間違っていなかったようで、女性はアドニスに気付いたのか、あせったような顔をパッと変えると駆け寄ってきた。

「ああ、お待たせして申し訳ありませんでした。本日は我々の研究を見学して下さるとのことで、職員学士一同まことに光栄に思っております」

 紫が強い青紫の髪をショートカットにした女性は、少し吊り目で狐っぽい顔の美人なお姉さんだ。妙に美形が多いこの世界だが、例にれず魅力的だな。うむ。

 いやそんな場合ではない。
 俺も「弟子」として気を引き締めてアドニスの横に立っていると、お姉さんは俺の方を見てニコッと笑ってくれた。アッ! やめてください恋に落ちてしまいます!

「いえ、こちらこそ急な訪問に対応して下さって感謝しております。前回の訪問などは、あまり時間が取れずゆっくり見学する事も出来ませんでしたからね」
「その節は、本当にお世話になりました……! アドニス様が純度の高いあの薬液を提供して下さらなければ、学院内が大変な事になるところでしたから」

 なんの話をしているのだろう。
 っていうか何をしてるんだろうこの学院は。

 根掘り葉掘り聞いておきたいところだったが、今の俺は首を突っ込めない。
 俺はニセモノとはいえ今はアドニスの弟子なのだ。黙って横を歩くのが一番いい。
 ……っていうかヘタに喋ったらボロが出そうなので喋れない。

 背後に居るブラックも、用心棒というていで同行しているのだ。
 あんまりはしゃいでいられない。さっさと目的を果たさなくっちゃな……。

 などと考えていると、世間話が終わったのかアドニスが話を切り上げた。

「では、行きましょうか。……ああ、移動するついでに、この薬学院のことを、この子に軽く説明して頂けませんか。初めて来たもので、緊張していまして」
「うっ」

 そう言いながら、肩を抱くようにしてわざわざ左肩をつかむアドニスに、お姉さんは何もうたがうことなくニコニコと微笑みながら俺を見てうなずいた。

「それは喜んで! この方はアドニス様の弟さんでしょうか?」
「いえ、弟子ですよ」

 さらっと答えるアドニスに、お姉さんは驚いて目を丸くする。

「でっ、弟子!? アドニス様が弟子を……!?」

 言いながら、俺とアドニスを交互に見ている。
 なんだ? お姉さんは何でこんなに驚いているんだ?

 よくわからなくて俺もハトが豆鉄砲を喰らったような顔をしていたが、お姉さんは俺をじーっと視てから、アドニスへと目をやり、おっかなびっくりと言った様子で問いかけた。

「あの……失礼ですが、お弟子様は成人していらっしゃるので……?」

 待て待てなんだその質問は。
 お姉さんナニが一番気になってるんですか。

「ええ、立派な成人ですよ。ただ、彼はメスですので、訪問着はこうなりますね」
「メス! ……確かに、よく見ると……ああなるほど、これはこのような服装のほうが、お弟子様の魅力をより引き立てておりますね」

 何故だろう、美人なお姉さんにじろじろ見られているのに嬉しくないな。
 アレかな、やっぱ「メス」として見られるから、嬉しいよりもゾワゾワした感じの方が強くなるんだろうか……世の中の女性が怖がる理由がなんとなく分かる……。

 だって、この腕の細いスポーティーナイスバディなお姉さんですら腕力が強くて、俺のよわよわ体力じゃ簡単にかれちゃう世界なんだもんな。
 女性でもオスならちからが強いのだ。くやしい事だが、そういう点から考えたら俺はメスでしかないんだよな……くそう、筋トレが成功してれば俺だって対抗出来るのに。

 っていうか、多分半ズボンなんて穿かされてないだろうに。
 なんで全然ムキッとした筋肉がつかないんだろうな、俺の体……。

「ツカサ君、ご挨拶あいさつしなさい」
「あっ……は、はいっ。あの、初めまして……俺、アドニス師匠の弟子でツカサって言います。今日はよろしくお願いします」

 ぺこりと頭を下げて再びお姉さんを見ると、笑顔がちょっとデレッとしている。
 ……もしや俺も女性にこんな顔を見せているのか……?

「こちらこそ、よろしくお願いします。いやあ~実にうるわしいお弟子さんですねぇ! アドニス様に師事して頂けるのもうらやましい限りですが、珍しい上にこのような可愛らしいお弟子さんを付かせることが出来るだなんて、いやはや本当にうらやましいです」
「ははは、いやあ不肖ふしょうの弟子でしてね。調合は出来ますが、とにかく物覚えが悪いのがたまきずなんですよ。まあ、色々とやさしく説明してやってください」

 ぐぬぬ、この陰険いんけん眼鏡め、好き放題言いやがって。
 でもアドニスの言っている事は何も間違ってないので言い返せない……。

 ぐぬぐぬしている俺をよそに、お姉さんはどうぞどうぞと何故か上機嫌で俺達を中へと案内してくれた。

 むむ……今はくやしさを抑えて、弟子役を立派につとめ上げるしかないか。
 そんなことを思いつつ、俺はアドニスと一緒に扉をくぐった。

「ほお……」

 薬学院のエントランスは、どことなく異国の政治的な建物のロビーって感じだ。

 みがかれた石の床は円形になっており、それを基礎として継ぎ目のない見事な白壁が円をかこっている。上を見ればドーム状の高い天井が陽光に透けており、ロビーをゆるく照らしていた。

 床の紋様以外あまり装飾のない場所だけど、その代わりにおだやかな絵画や瑞々みずみずしい植物が飾られていたり、他の場所へ向かう階段や吹き抜けになっている二階の豪華な柵などがシンプルな空間を嫌味なく飾り立てている。

 一歩踏み出しただけで靴の音が響くようなこの静かな空間では、そのようなひかえめだがハッキリした飾りの方が似合っているのだろう。

 なんかやっぱり「無駄に飾り立てません」って感じの教育機関っぽいな。
 俺としては、どっかの都市のデカくて妙に豪華なお役所って感じがしてしまうが、雰囲気ふんいきとか匂いがそうさせるのかな。

 なんか市役所みたいな感じのにおいがするんだよなぁ。

「では、学院長のところへご案内しますね。こちらの【つえとう】にどうぞ」

 そう言いながら、お姉さんは真正面の入口へ進んでいく。
 アーチ状の木製の枠で作られた入口の上には、つえの紋章が描かれたプレートを打ち付けられている。これが「つえとう」なのか。

 薄暗いトンネル状の廊下の先はまぶしくて、あまり良く見えない。
 どういう場所なのだろうと思い、先へ踏み込むと――――思っても見ない風景が、そこに広がっていた。

「うわぁ……! 植物園みたいだ……!」

 真っ先に目に飛び込んできたのは、白と緑。
 中央が中庭になっている四角い吹き抜けの空間は、そこかしこに青々とした植物が這い、花が咲いている。

 まるで文明崩壊後の世界みたいに植物が蔓延はびこっているが、白く美しいままの壁や、邪魔にならないように剪定せんていされた木々が「生きている施設」であることをしっかりと物語っている。

 中庭には木漏こもが気持ちよさそうなベンチがあり、日陰ひかげになっている廊下の天井には花が咲いている。この花からほのかに香るさわやかな香りは、頭の中をスッと整えてくれるようだった。
 流石さすがはトップクラスの薬師が集う【薬学院】……他の施設とは違った壮観さだな。

 それにしても、全然窮屈きゅうくつさがないな。
 これだけ緑であふれてても狭苦せまくるしく感じないのは、かなり天井が高くて、歩く場所も広く取ってあるからなんだろうか……うーん、結構好きかも知れない。
 俺の世界だと虫が寄ってきて大変そうだが、こっちの世界じゃ虫なんてモンスターらしく大きいサイズの虫しか居ないから遠慮なく楽しめるな。

「気に入って頂けましたか?」

 お姉さんが横から覗いてくるので、俺は遠慮なくうなずいてハイと答える。
 すると、彼女はさらに説明してくれた。

「これが、我が学院の基本です。常に植物にあふれた場所で、曜気を感じながら新たな薬品を求め続ける……。益薬究真えきやくきゅうしんと言いまして、人々の役に立つ真の薬を開発する事を目指して、薬師の心を失わないように緑をそばに置いているのですよ」
「薬師の心を……」
「ええ、全ては薬神とも言われる伝説の薬師の教えによるものです」

 思っても見ない言葉が出てきて目をしばたたかせる俺に、お姉さんは続ける。

「そもそも、薬学院の正式名称は【ハイギエネ薬神院】と言うのですよ。かつて、神の御許みもとで植物による救済を目指した者の名前が元になっているという話です」

 ハイギエネ薬神院……正式名称はそんな名前だったのか。

 俺はただ【薬学院】とだけしか聞いてなかったけど、良く考えたらどんな学校にもちゃんとした名前みたいなものがあるんだし、当然っちゃ当然か。
 でも……神の御許みもとで薬師をしていた人って、どんな人なんだろう?

 この世界の神様というと、素直に凄いと言えないヤツもいるのだが……まあでも、今はそこを考えても仕方がないか。

「ささ、学院長はこちらです。今は野外講義をおこなっていらっしゃいますので、薬草園の方へお越しください」

 お姉さんに言われるがまま、廊下を進んでいく。

 薬草園と学院長か……どんな場所でどんな人なんだろう?

 天井の花が降らせる柑橘系かんきつけいの良い香りをかすかに感じながら、俺達は不思議な施設の奥へと進んだのだった。












 
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