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サブメイン攻め×ツカサ
マグナ×ツカサ(ほのぼのお祭り話)2
「驚いたか。……これは、かつてジャハナムに残っていたという文献に記されていた【夏祭り】という行事を出来るだけ再現したものなんだ」
「な、夏祭り!?」
ていうかそんな文献があったなんて初耳だ。
現代日本の建築を再現しようとした場所なだけに、そういう資料とかも誰かが大切に保管していたんだろうか。それを、ジャハナムの人が見つけたってこと……?
何だかややこしいが、改めて観察してみると「再現」というだけあって、やっぱり屋台の様子や「日本のお祭り」とは少し違う所が有った。
出来るだけ似たように飾り付けられているが、屋台で売っている物や遊びはこっちの世界のものだし、夏祭りと違って神社は無い。
その代わり屋台が並ぶ道の最後には盆踊り用の広場とステージがあり、周囲には座って食べ物を楽しめるようにテーブルと椅子がぽつぽつ置かれていた。
なるほど……その文献とやらは、あんまり詳しく書いていなかったんだな。
でも、よく再現できたなってくらいにはなかなか忠実な「お祭り」だった。
……しかしなんで入口が墓地……?
そこが気になってマグナに問いかけると、相手は何がおかしいのか分からないような顔をして腰に手を当てた。
「文献の中の祭りにはキモダメシ……恐らく心臓、肝を試すという意味の『墓地などの幽霊が出そうな場所で、怖がらせる役を配置して精神の強さを試す』という行事が好ましいと書いてあったそうだ。なので、ジャハナムの連中が協議した結果『豪華な晩餐を迎える資格を持つものを先人が試すためなのだろう』と思って、墓地で度胸を試すのが通例になったらしい」
「そ……そうなんだ……」
……文献……っていうか、記録を残した人よ、恨むぞ。
それ絶対その人がお化け屋敷大好きだっただけじゃん、それをジャハナムの人達が真面目に受け取っちゃった結果がこれなんじゃんかああああ!!
でも待てよ、晩餐を迎える資格ってなんだ?
「マグナ、晩餐ってどういうこと?」
「ああ、この祭りの事だな。ジャハナムの終夏の月の終わりに行われるこの祭りは、死者の晩餐会とも呼ばれていてな。ジャハナムでは『死者の魂が決まった時期に』帰ってくるとされて、その都度祭りが行われているんだ。使者を持て成すためにな。まあ、裏稼業の人族ほどそういう迷信が気になるんだろう」
つまり、俺の世界のお盆ってことか。
どうもその「文献」ってのはメモ的な感じで情報を書いてたらしいな。
確かにお祭りはお盆にも行われるけど、それが死者を弔うイベントだっていうのは一般的とは言えないような気がするぞ。
もしくは、文献を作った人の故郷ではそういう感じだったんだろうか。
だったらちょっと納得かな。
例えば盆踊り大会とか、そういう「お盆」にお祭りをしてて、丁度ご先祖様の為に色々作ってたなーって書いた日記を読み解いたらこうなっちゃったとか……。
ま、まあともかく、お祭りには変わりないよな。
異世界だしこういう感じでもいいのかも。
肝試しは勘弁してほしいけど……。
「じゃあ、このお祭りは鎮魂祭みたいなものなんだ?」
「そういう側面もあるらしいな。だが、主題は『度胸を見せたものに祝福を』という事で、この屋台や舞台を用意したんだろう。……俺達も何か食うか」
「う、うん。じゃあ今度は俺が奢る……」
「ああ、ここは“度胸を見せたもの”に敬意を表して、全てのものが無料で提供されている。だから、何か欲しければ好きに頼め」
「えっ!? マジ!?」
なんと太っ腹な。
いや、考えてみればここは「ジャハナム」なんだもんな。
青と赤のお二人がお祭りを開催して、こんな大盤振る舞いをしてくれたのかも知れない。裏社会の人達ともなると、外じゃ素直に祭りを楽しむことも、死者を弔うことすらも出来なかったりするんだろうし……。
そんな中に、大した苦労もしていない俺みたいな一般人が混ざって良いのかとも思ったが、今日はお祭りだしせっかく来たのだ。
驚かされた分しっかりモトはとってやろうじゃないか。
「どこに行く?」
「じゃあ~、なんか甘い匂いがするあそこいこうぜ!」
マグナに聞かれて、俺はつい勢いよく返答してしまう。
我ながら子供っぽいとは思ったけど、でもお祭りなんだから仕方ないよな。
祭りってのは、日本人の心を沸き立たせてしまうものなのだ。
タダだし遊び放題だしって言われたら、そりゃもう全力で乗っかるしかない!
俺は美味しそうな焼き菓子を作っている屋台を指差すと、手首を掴んでいたマグナの手を逆に握り返して引っ張り連れて行った。
「おっ、おいツカサ! 待て!」
珍しく慌てたような声を出すマグナだが、俺はもう止められない。
こうなったら徹底的にお祭り、いや「度胸祭り」を楽しむことにした。
果物などをたっぷり練り込んだ薄いオムレツのようなものをクレープで四角く包み込んだ持ちやすいお菓子に、海に面した町ならではのカトルセピアのイカ焼き……は少し抵抗があったが美味しかった。
で、他にも当然肉の串焼きや宝石みたいに輝く綺麗な飴があり、お祭りでは定番の果物を飴で固めたものなどもあった。
リンゴ飴的なものって、結構どんな世界でも思いつくものなのかな?
でも、こういうお菓子は砂糖が有ればこそだよな……と思いつつ、一通り美味しい物を食べて、甘い飴の表面と甘酸っぱい果物の調和を楽しんでいると、マグナが肩をつついてきた。
「お前……本当によく食べるな……」
「これくらい普通だろ? マグナだって食べられるもんは食べてたじゃないか」
今食べている美味しい果実の飴だって、美味しそうにシャリシャリしてるし。
以前の小食っぽい印象とはずいぶん違ってたくさん食べるようになったと指摘すると、マグナはモゴモゴと口を動かして視線を逸らした。
「それは……お前がよく食べるから……付き合いで、食べているだけだ」
「またまた~、マグナだって成長期ってヤツだろ? 良いじゃない、いっぱい食べる奴は好きだぞ!」
「っ……。またお前はそんな事を……!」
マグナは眉を吊り上げて怒ったような顔をするが、それが照れ隠しだと俺は知っている。だから、怒っても全然怖くないのだ。
むしろ親しい感じがして何だか嬉しくて、俺はつい笑ってしまった。
そんな俺の態度が馬鹿らしかったのか、マグナは溜息を吐く。
「まったく……。まあ、いい。……遊戯の屋台はやらないのか」
言いながら、何か目当ての屋台が在るのか横顔を見せるマグナ。
オレンジ色の明かりのせいか、マグナの輪郭がしっかりと首に影を落としている。だけど、その影が滲んでるみたいで不思議といつもより色っぽい気がした。
うーん、さすがは中性寄りの美形。
さすがにブラックでもこんな風には見えないかな、と今は留守にしているアイツの姿を想像してみて……いや、し、しなくていい。なんか恥ずかしくなってきた。
べ、別にブラックが色っぽくなったって俺は平気だし、気にしないし!
変なこと想像してないで、今はお祭りに集中しよう。
せっかくマグナと来たんだから。
「遊戯の屋台か……でも俺射的もヘタクソだからなぁ……おっ? あそこの屋台のは見たことないな。マグナ、あれってどういう屋台なんだ?」
指を差した先には、広場の丁度入口の所にある屋台がある。
周囲にある魚掬いっぽいものやダーツっぽい屋台とは違い、屋台には不思議な物が置かれていた。あれは……何かの機械か?
マグナの方を再度振り返ると、何故か相手は得意げにふふんと軽く顎を上げた。
「そうか、やはりツカサは見る目があるな。付いてこい」
どこか得意げなマグナについて件の屋台に近付くと、そのお店の看板には「曜具式簡易占術器」と書かれていた。
これは……どういう屋台だ?
「おっ、神童の坊ちゃんお世話になってます!」
屋台のおっちゃんがマグナに元気よく挨拶をする。
……角刈り柄シャツで、なんか俺の世界にもいそうだな。髪色が暗い青色で目の色も黒に近い紫だから日本人ではないけども。
そんなおっちゃんに、マグナはウムと頷く。
「曜具の調子はどうだ? それなりに人気が出ていればいいんだが……」
「そりゃあもう完璧ッスよぉ! やっぱみんなも相性なんてのは気になるようでね、普段はスカした稼業の奴らも『ここでやるなら』って浮かれ気分で使ってくれまして大盛況ですわ!」
おっちゃんの口ぶりからすると、どうやらこれは相性診断が出来るらしい。
恋人がよくやるアレだよな。ってことは、この屋台にはカップルがわんさかやって来て、さっきまでイチャつきながら相性診断をしていたのか。しかもたくさん。
なんかムカついてきたな。爆発しねえかなカップル。
「そうか、それは良かった。……それで……」
ん。なんかマグナの視線を感じるな。
何故かチラチラと俺を見ているがどうしたんだろう。と思っていると、おっちゃんが「ああ~」と何かを思い出したような声を出し、良い笑顔で手を叩いた。
「折角ですからやって行きませんか!? 今日は金も必要ねえですし、良く当たると評判ですから是非お連れさんもっ、ねっ! 坊ちゃんの偉大な発明の一つを体験してやって下さいよォ!」
おっちゃんは急に俺に話を振ってくる。
俺達は友達でありカップルではないんだが、とちょっとイラッとしないでもなかったが、しかし折角のご厚意だし、なによりマグナが俺を気にしているからな……。
さっきからチラチラしてたのは、俺にコレを使わせたかったからか。
たぶん、久しぶりの新作だから使ったうえで褒め称えて欲しかったのだろう。
マグナってそう言う所は結構素直って言うか、子供っぽいからなぁ。
まあ、カップルは憎いが大事な友達のマグナの曜具なんだもんな。別に恋人としての数値が出るんじゃなかろうし、やってみるか。
「じゃあ、一回だけ……でもこれってマグナと診断するのか?」
「お、おお……。まあ、ここには俺とお前しかいないからな……」
また何か態度がおかしいな。
……ははーん、さてはちょっとドキドキしてるな?
マグナの作る曜具って、今までは生活に役立つものが多かったけど、これは完全に遊戯目的だもんな。そりゃ楽しんで貰えるか不安ってもんだろう。
俺だって、初めて作った回復薬の効果がちゃんと出るかドキドキしたもんな。
よし、そういう事なら不安を和らげてやろう。
「じゃあお二方、この曜具のココんとこにそれぞれ外側の手を置いて、相手の近くにある側の手をしっかり繋いでくださいね」
「ふむ……? マグナ、手ぇ繋いで大丈夫?」
右手を装置の突き出た部分に置きながら、俺は左手をマグナの右手へ伸ばす。
こくこくと頷いたマグナも同じように俺の手に触れたが、ビクリと手を開いてまたもや硬直してしまった。まったくもう、緊張しすぎだってば。
しょうがないなと俺から手を合わせて、指の間にしっかり指を入れ込むと、マグナは反射的になのか逃すまいとでも言うように急に俺の手を握り返してきた。
イテテテテ力が強い。緊張するのは良いけど、もうちょっと力を抜いてくれ。あと緊張のし過ぎなのかめちゃくちゃ手汗が凄いなお前。
「んじゃ、今から診断しますんで……イイと言うまで離さないで下さいね~」
おっちゃんは朗らかに言いながら、細長い自販機のような曜具の後ろで何やらパチパチとスイッチを動かすような音をさせる。
すると、曜具に埋め込まれていた七つの宝石がそれぞれの色に輝き始めた。
おおっ、演出も良いじゃないか。
これはカップルが喜びそうだな。俺は男友達と相性診断してるが。
そんな空しい気持ちで七色の光をアニメーションさせる機械を見つめていると――相性診断が終わったのか、ぱぱらぱらぱーと明るい音楽がなった。
と、一瞬七つの宝石の光が消えて……。
ポッと、一番左側の青い宝石が光った。
…………。
………………うん? もうなんにもないのか?
これだけ?
「なっ……!? ば、バカな……!!」
何故かマグナが青ざめてショックを受けているが、もしや故障か。
一瞬慌てた俺だったが、そうではなかったらしい。『曜具式簡易占術器』の後ろから出てきたおっちゃんが、申し訳なさそうな顔で汗を垂らしながら頭を掻いた。
「あ、ああ~……えっと……ついうっかり、恋人用の相性診断でやっちまったんですが……そのー……こ、これから相性を深めてく結果になりやしたね! 占術器が言うには、オスの方は暴走に注意! 直情的に行動しても失敗が続きそう……とのことで、メスの方はのらりくらりも良いけど、ちゃんと受け止めないと壊れちゃうカモ? と出てますねえ……いや、ま、まあこれは恋人の結果なんでね! 友情だったら、お二人の相性は最高だと思いますよぉ! ええ!」
ああ……あまり良くない結果だったからか、おっちゃんは正直に教えてくれながらも必死にフォローしてくれている。
なんだか申し訳なくなってきたが、まあ恋人じゃないしこの結果は妥当だろう。
でも、結果がなんだかよく分からないな。
オスとメスが反対の結果ならしっくりくるんだけど……もしかしてこの曜具、俺の方が曜気を溜めてるから勘違いしちゃってるのかな?
俺は【黒曜の使者】だから、普通のメスとは違うモンな。
だとしたら、ある意味マグナの曜具は正確と言えるぞ。なんたって俺は、恥ずかしながら直情的で暴走しがちだからな!
……うん、胸を張って言う事じゃ無いな。ブラックが聞いたら怒りそう。
というか今日の事はあんまり言わない方が良さそうだな。
今は用事で留守にしてるけど、マグナと二人だけでお祭りに行ったとか言ったら、絶対に泣くし拗ねるもん。慰めるのは別にいいんだけど、変な事を要求しそうだからここは黙っておこう。秘するが花とかいう言葉も有るし! よく意味は知らないが!
というワケで、わりと正確だと納得してしまった俺だったのだが……製作者であるマグナは何故かショックを受けているらしくブツブツと呟いていた。
「俺が作ったものだというのに、俺に逆らうだと……? いや、それほどまでに俺の曜具が正確無比で完璧に動作しているという事……いや、しかしこれは……」
どうやら製作者特有のこだわりがあるらしい。
でもちょっと気の毒だな。別に間違ってはいない結果なワケだし、これで失敗作だと思っちゃったら申し訳ないぞ。
屋台のおっちゃんも、マグナの様子にオロオロしてるし……どうしたもんか。
そう思って考え、俺はバッグの中にしまっていたあるモノを思い出した。
よし、コレだ。
マグナを落ち着かせるにはコレしかない。
ごそごそとバッグの中を漁り、お土産にしようと思っていたそれを、マグナの口に「えいっ」と突っ込んだ。
「むぐっ!? ……つ、ツカサ……これは……」
「鼈甲飴……えーと、甘露糖だっけ? とりあえずこれ食って落ち着けよ」
濃密な蜂蜜色をした甘露糖は、果実飴のお店が売っていたものだ。
様々な可愛いモンスターの形をしていて、見てるだけでも楽しいしもちろん甘くて美味しい。シンプルなお菓子だけどそこが良いんだよな。
「ぐぬ……ツカサ……」
「とりあえず、どっか座ろ? おじさん、占いやらせてくれてありがと!」
心配しているおっちゃんにお礼を言い、俺はマグナを広場の隅にあるテーブルへと連れて行く。相変わらず手は握ったままだが、マグナの手はさっきよりも湿っていて、かなり動揺しているんだなと思った。
マグナって、失敗とかあんまり見せないもんな。
今回はマグナとしては予想外の事過ぎて、焦っちゃったのかも。
「ほら、ここ座って」
飴を大人しく舐めているマグナを、席に座らせて手を離す。
と、相手はようやく冷静さを取り戻したのか、俺と手と繋ぎ合っていた自分の手を凝視しながら動かしていた。まだ呆けているみたいだけど、これなら大丈夫かな。
となりの椅子に座ると、マグナが視線だけで俺を見てきた。
「…………」
「落ち着いた?」
「……ああ……。なんというか……すまん」
「別にいいけど、さっきのは落ち込むような事じゃ無いんだからな? ……っていうか、何に落ち込んでたのか分かんないけど、俺がオス側だろうがメス側だろうが結構当たってたから、あの曜具はちゃんとしたモンだと思うぞ?」
そう慰めると、何故かマグナはムッとした表情になる。
「それは当然だろう、俺が作った曜具が完璧でないはずがない」
「お、お前なあ! じゃあなんで落ち込んでたんだよ!?」
俺の今までの心配は何だったんだ、と薄暗い中で相手を凝視すると、マグナは俺の視線から逃れるように横を向く。
さっきはあんなに動揺してたのに、なんだそのいつもの居丈高な態度は。
思わず眉間に皺を寄せてしまった俺に、マグナは視線だけを寄越すと――
ようやくボソリと答えた。
「…………が……想定と違ったから……」
「え?」
「だ、だから……っ。さっきの結果が、思っていたのと違ったからだ!」
聞き返した俺に恥ずかしさが頂点に達したのか、マグナが怒鳴るように答える。
…………結果が、思っていたのと違った。
ということは……マグナは、結構いい結果を考えていたってことか?
目を瞬かせながらその答えを聞いた俺に、相手は「しまった」という顔をして、またも逃げるように視線を逸らす。
しかも自分の本音を言うのがよっぽど恥ずかしかったのか、なんだか頬や耳の先が赤くなっているようだった。
そんなに恥ずかしがるような話だったろうか、と思ったけど、良く考えたらマグナは元々一匹狼みたいな奴だったのだ。
だったら、「当然、大親友だから相性抜群! って出ると思ってました!」みたいな気持ちを言わされて恥ずかしくなるのも無理はない。
そういうのって、ハッキリ言うのも結構気恥ずかしい物なんだよな。
心の中では大親友だと思っていても、そんなことを言う機会なんて少ないし、言う時は大体冗談めかしたような感じだ。
マグナみたいな性格なら、余計に言い出しづらかっただろう。
だったら、顔を赤くするのも無理はないけど……。
……けど、なんだろう。
なんか、嬉しいかも。
「そっか……マグナは、俺と相性抜群になると思ってたんだな」
最初はツンケンした奴だったし、友達になったのだって最近だけど。
でも、マグナも俺と相性抜群の友達だって思ってくれてるんだ。
それって……案外、願っても叶わないようなもんだよな。
お互いに気が合って大事な友達だって思えることなんて、滅多にないんだ。しかも俺達は性格も違うし、頭の良さだって大違いなのだ。
なのにマグナは俺の事をそんなに良く思ってくれてるんだもん。
「へへ……そっか。マグナは、俺と気が合うって思ってくれてるのか!」
「ツカサ……」
「俺も嬉しいよ、ありがと」
感情のままお礼を言うと、少しだけマグナの強張った表情が和らぐ。
薄暗い中に灯るオレンジ色の光が、そんな表情をどこか幻想的に見せていた。
「……そう、だな。結果がどうであれ、俺とお前は……友達なんだ」
「うん」
「…………まあ、占術はその後の心がけ次第で変わる事もあると言うしな」
「そうそう! マグナの作った曜具が出した結果は、あくまでも現状の相性ってだけだし……。それに、相性が悪くても仲が良いかどうかは別だろ? 俺達は気が合うんだから、それでいいじゃない。今日だってすっごく楽しかったしさ!」
連れてきてもらって良かった。
そう思っているのは本当だ。
肝試しは怖かったけど、結果的にこんな素敵なお祭りを教えて貰えたし、普段ならあまり遊べない立場のマグナと二人で遊べたのは凄く楽しかった。
こっちの世界では純粋な「友達」っていうのが少なかったから、それもあって今日は素直に楽しめたように思う。
それもこれも、マグナが遊びに連れ出してくれたからだった。
「マグナ、今日は連れて来てくれてありがとうな!」
心からの感謝をこめて笑顔で礼を言うと、マグナは一瞬目を見張ったような表情になったが――――ようやく、ふっと笑ってくれた。
「ああ。……お前が喜んでいるなら、俺も嬉しい。」
「へへ……」
なんだかちょっと照れくさいな。
ようやく空気が柔らかくなった事に安堵して頭を掻くと、マグナはふと何か悟ったかのように顎を擦りながら呟いた。
「……そうだな。恋人同士の相性が最悪でも、あれは“まだ”というだけの事だ。今の仲が良い俺達なら、今後はどうとでもなる」
「あ、そっか。あれ恋人同士だったんだっけ? だったら尚更……」
「友情は揺るがないのだから、相性の改善も改善される可能性も、全てはこれからだということだな……」
うん?
マグナは何だかブツブツ言っているが、どういう意味だろう?
「……ツカサ、来年もこの祭りに二人で来よう。そうすれば、改善されているはずだ。俺の曜具が完璧なのは揺るがないが……俺が害悪を排除すれば、あの診断結果も今後は改善されていくだろう。関係性は時間と共に変えていくものだからな」
マグナが何を考えていたのかよく分からないまま、約束を促される。
どうやら元気になってくれたみたいだが、やっぱり言っていることがなんだか理解出来ない。
時間とともに変わっていくというが、今の親友以上の関係があるんだろうか?
……いや、案外あるのかも知れない。
付き合いを続けて「親密な仲になった」とお互いに思えるようになれたら、来年の相性診断はきっといい結果になるのかもな。
恋人同士と意味合いは違うかもしれないけど、それはそれで「相思相愛」なのだ。
なら、俺も付き合うっきゃないか。
来年リベンジだと頷くと、マグナは少し切なそうな顔をして俺に手を伸ばした。
「出来れば……次の夏は、俺がずっと隣にいられればいいんだが」
長い睫毛が、わずかに伏せられる。
その翳りのある表情がどんな意味を持っているのか、判らなかったけど。
でも、マグナが来年も一緒に遊んでくれたらいいなと思い俺は笑みを浮かべた。
「来年の祭りも楽しみだな!」
俺の言葉に、マグナは少し苦味が見える笑みを滲ませた。
「……ああ。お前が俺を望んでくれるなら、一緒に……な」
言いながら、マグナは何故か指で俺の頬を撫でる。
美青年だと言うのに、その指は長く細いがしっかりと厚い皮が張った武骨な職人の指をしている。とてもアンバランスに感じられるが、俺はその指が好きだった。
この指は、マグナが自分の好きな事に真剣に取り組んでる証だから。
でも、さすがに頬を撫でられるとなんか居心地が悪いな。
いくら友達でも、ブラックがやるみたいな事をされると顔が熱くなっちまうよ。
周囲が少し暗くて良かったとホッとしている俺を、マグナは何とも言えない表情で、ずっと見つめていた。
おわり
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お盆と祭りとテーマパーク…ある意味いっぺんに楽しめて良いかもs(゜ν´(○= (・ᴗ・ ջ )
なんたってタダなので食べまくりですwww
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ツカサも元気っ子なので結構食べるんですよね…!
DKは元気が一番…いっぱいおたべ…!!
相性占いがショボーンな結果にですw
マグナも自分の曜具は完璧だと思っているので
疑えないのが悲しい所です…www
マグナ的には相性抜群って結果が出て欲しかったんだと思いますw
( థ ౪థ)ニコッ
マグナは終盤ブラックに対してこの世界ではあまりよくないことばを使って罵倒してますからね…
誰を害悪だと思っているかは…( ˘ω˘ )フフ…
マグナからすればけしからん奴らがいっぱいいすぎるwww
次の夏もきっとマグナにしがみつくと思いますw
ずっと仲良しだからきっと次も来られますよね♥