番外 異世界日帰り漫遊記

御結頂戴

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攻め複数

ツカサがおもらしする話2

 
 
 
   ◆



 ……本当に、ほんっとうに恥ずかしい所を見せてしまった……。

 あの後、ブラックとクロウに隠して貰って何とか宿に帰ってきた俺は、一人むなしくパンツとズボンをタライで洗っている間、二人に服を買いに行って貰っていた。
 この騒動で貰った報酬の半分を衣服代とオッサン達のお駄賃でパァにしてしまったが、自分がやらかした事なんだから仕方ない。二人におつかいに行って貰っている事には感謝せねば。それにしても、返す返すも酷い失態だった。

「はぁ……あの時止められてなきゃ……いやでも、あの時点で我慢出来なかったんだから、どのみち路地で隠されて良かったのかなぁ……」

 ブラックとクロウは変態だけど、異様に心が広い。
 だから、俺がおもらししても「よくあるコトだよ!」なんて励まして慰めてくれたけど、よくよく考えたら慰められること自体が恥ずかしい。恥だ。
 十七歳にもなって人前で漏らしたなんて、こんなの絶対ダチにも親にも言えん。

 どうしてこんな事になったんだろう。下半身布巻一丁で考えてみるが、特に何かをがぶ飲みした記憶はないんだけどなぁ……。
 考えられるとしたら……あの【アサシラセ】という野草か?
 でもあの一株食べただけであんなすぐおしっこしたくなる……?

「いやでもなあ、考えられる原因としたらアレしか……」
「ツカサ君ただいまー! 服買って来たよ~」
「もう夕食時だ。メシを喰いに行こう」

 考えている途中でバタンと元気よくドアを開け放たれ、思わず思考が霧散する。
 思わずドアの方を向くと、ブラックが妙にニコニコしながら包みを持って立っており、クロウは相変わらずの無表情で腹をさすっていた。
 も、もうそんな時間か……。必死で洗ってたから気が付かなかった。

「ズボンは、冒険者用のなら直接仕立てないと無理だって言われたから、前金だけ払って来たよ。だから、明日はこれ穿いて服屋に行こ」
「う、うん……ありがと」

 やけに小さい包みを持たされるが、一体なんなのか。
 ごそごそと取り出してみると。

「…………ん?」

 なんかこれ、布地薄くない?
 薄くないって言うかコレ……こ、これ……上に固定ベルトが付いた黒いスパッツ的なズボン……なんだよな。そうなんだよな?
 なのに、な、なんでこれ……。

「おい! なんでコレ股間の部分がまるまる無いんだよ!!」

 そう、ブラックが買って来たズボンとは、太腿の足を入れる部分だけがある、股間の部分だけきっちり切り取られていて、なんか、その……ひ、非情に、卑猥というか……つーかこれ、本当にズボン!? なんか違うもんじゃないの!?

「待てツカサ、それは普通に装備品だ。いやらしい下着ではない」
「え……そうなの?」

 クロウが真面目に言うので普通に聞いてしまうが、本当だろうか。
 まだちょっと疑わしくてブラックを見ると、相手は悪戯をして叱られた子供のように顔をショボンと緩ませて顎を引いていた。

「だ、だってその下着止めしかなかったんだよぉ……。でも、腰布も買って来たから、コレで隠せば問題ないよ!」

 そう言いながら、ブラックは言い訳のようにワンポイントの模様が入ったシンプルな布を取り出す。それで許されるかと思ったが……これしかないって言ってたし、なら仕方がないのかな……ううむ……。まあでも、尻の部分はちゃんと覆われているし、二人は「下着止め」と言っていたから、本当はこの下に下着を穿いているのが正しいんだろうけど……でもまあ、周囲に「穿いている」と思わせればいいのかな。

 布を巻けば別に股間は見えない訳だし、ううむ……。

「にしても……なんか小さくない?」
「女性用しかなかったのだ」
「…………そ、そう……」
「それより早くご飯食べに行こ! ねっ、ねっ、ツカサ君!」

 こんな風に誤魔化そうとする時は、わりと本当にポカをやらかした時だ。
 まあブラックも悪気があっての事じゃないんだろうし、傍目からフルチンだと解らなければ良いか。腰布付けてる奴なんか、冒険者じゃ珍しくないしな。
 そもそもおつかいに行ってくれたわけなので、やたら滅多と怒る訳にもいかない。
 ここは素直に礼を言い、とにかく謎の“下着止め”とやらを穿こう。

「えっと……」
「ベルトを外して普通に穿いたら良いよ」

 ブラックの言うままに布の下から穿いて、腰布を巻いてから布を取る。
 確かにこれなら中は普通に下着だと思われるかも。……まあ、最初からフルチンと変わりない状態だったし、外を歩ける格好になっただけでもありがたいか……。
 一応少し長めの靴下を穿いて足の露出を少なくすると、俺は二人と一緒に一階の食堂へと降りて夕食を取る事にした。

 そこで俺は例の粗相は【アサシラセ】が原因ではないかという話をしながら、ソレをテーブルに置いて見せ、三人で矯めつ眇めつの話をしながら食事をしていたのだが、ふとブラックが変な事を言い出した。
 「じゃあ実際に効果があるのかもう一回試してみようよ」と。

 当然、そんな人体実験受け入れられるわけがない。そもそも後でちゃんと調べる事が出来るのだから、そんな必要はないのだ。俺は即座に却下したが、ブラックは俺に何かと疑惑をまくし立てて来て、気付けばテーブルの上には二人分の酒瓶がずらりと並べられていた。……こ、こいつら、さては酒が飲みたいがために、色々と難癖をつけて会話を引き延ばしていたのでは……!

 でえいこっちは大変だったってのに、なんつう人でなしな野郎どもだ!
 俺はあんな……あ、あんな……路地裏で、恥ずかしいこと……。

「……っ……」

 なんだか、夜になって来たらやけに下半身が気になって来る。
 今までは酒場の熱気で快適だった温度も、外から隙間風が入って来ると、ひやりとした空気に無防備に曝け出されている部分を撫でられるみたいで、居た堪れない。
 そう言えば、今自分はとんでもない恰好をしているんだ。
 そう思って足を擦り合わせると、露わになっている股間に、スパッツのような生地で包まれた太腿が触れて思わず肩を一瞬ビクッと上げてしまった。

「どしたのツカサ君」
「っ、な……なんでも、なぃ……」

 言えるわけがない。こんな場所で、敏感な部分への刺激に驚いたなんて。
 ここには沢山の人がいて、誰が見てるか解らないのに。
 そう思うと何だか急に自分が恥ずかしくなってきて、胡乱な顔をしているブラック達の目の前で、俺はぐびりと水を飲む。と、水と一緒に口の中に何かが入って来て、俺は思わずソレを噛んでしまった。うお、甘い。

「んん? なんじゃこれ……って……ちょっ、こ、これ!!」
「あはは、ツカサ君たら不用心だな~! そんなんだからおもら」
「わーっバカ! つーかお前か犯人はー!! なに人が警戒してたモン勝手に投入してくれちゃってんだよコラアァアア!!」

 馬鹿笑いする上機嫌なブラックに、俺は木のコップを乱暴にテーブルに置く。
 いや置かずにはおれなかった。
 だってその中には……ご丁寧にも細かくちぎって入れられた、可憐なアサシラセがぷかぷかと大量に浮いていたのだから……。

 …………だあああこのクズオヤジー!!
 なんでお前はそう人の嫌がる事を進んでやろうとするんだよっ、ヤンチャか、その歳で遅れた青春だってか! ふざけるなヤンチャされる俺の身にもなれー!!

 と、喚きたいが、残念ながら周囲に人がいる状態では大声も出せない。
 他の人達は楽しく騒いでいるのだ。ここで俺が怒鳴ったら水を差してしまう。
 しかし、怒りは抑えきれず思わず立ち上がってしまうと、クロウがほんの少しだけ耳を垂らしながら、チラチラと俺を上目遣いで見て来た。

「ツカサ、すまん。オレも千切って入れた」
「おまっ……なっ、なんでクロウまで……っ」
「いや、もう一度ツカサの恥ずかしい姿が見たいと思って」
「なっ……ぁ……~~~~ッ!」

 そんな、恥ずかしい姿が見たいって、実も蓋も無い……っ。

 思わず言葉に詰まってしまった俺を追撃するかのように、1ミリたりとも反省する姿を見せないブラックが人懐こい笑顔でアハハと笑った。

「やだなぁツカサ君、お駄賃だよお駄賃。だって、一回目のは完全にツカサ君の失態でしょ? 僕達だって大変だったんだから……ツカサ君を隠しながらココまで連れて来た苦労と、おつかいのお駄賃を貰ったって……構わないよね?」
「ぅ……」

 それを言われると辛い。
 確かに一回目は俺の失態だし、ブラック達はそれを笑わないでくれた。そのうえ、俺を宿まで無事に連れて来てくれたんだ。それを思うと……でも……。

「で、でも……あ、あんなこと……しろ、なんて……」

 おもらし、と言えない。
 曝け出された股間が妙に気になって来て、思わず足を閉じてしまう。でも、そうすると段々股間がジワジワ変な感覚に苛まれるような気がして。
 思わず、しょんべんを我慢する時みたいに足の付け根の筋肉をキュッと締め付けると、会陰の所にまで力が入ってしまったみたいで体がぞくぞくした。

「っ……」

 や、やばい。また体がゾクッとして来た。
 いま力を入れたら余計に尿意が増しそうな気がする。お、落ちつけ俺。飲んだアサシラセは少量だったはずだ。そんなに即効性は無いはず……。
 お、落ち着いてこの話をすぐに切り上げてトイレに籠れば、どうにかなる。

「まあまあ、ツカサ君座りなよ。まだおつまみも残ってるし、ゆっくり落ち着いて、詳しく話そうよ。……ね?」
「あ……ぅ……」
「ツカサ、立っていると怪しまれるぞ」

 そう言われると、座らない訳にはいかない。
 ゆっくりと硬い椅子に尻を預けると、ひんやりしてきてまた体がゾクっとする。
 こんなに冷えていただろうかと思ったが、気のせいだと思い込んで膝を合わせた。
 そうでもしないと落ち着かなかったからだ。

「な……なんで、恥ずかしい姿が見たいなんて言うんだよ……」

 早く話を終わらせたくて、すぐに話を切り出す。
 あまりに性急すぎて自分でも変だとは解っているけど、もうあんな恥ずかしい事になるのはごめんだ。人が多いこの場所で醜態を見せたくは無かった。

 そんな俺に、ブラックはニヤニヤしながら静かで低い声を漏らしながら話し出した。

「だって、僕……あんなコトしたツカサ君見るの、初めてだったんだもん。……すっごくイイ顔してボロボロ泣きながら、僕達の目の前で我慢出来ずにあんなコトしちゃったツカサ君の姿……とーってもえっちで可愛いかった……。だからさ、もう一回見たいんだよ……。ツカサ君が泣きじゃくりながらあんなコトしてると、こ、ろ」
「っ……」

 低い声が、体をぞわぞわ撫でているような感じがする。
 そのぞわぞわが、背筋を伝って下半身まで変な感覚を伝えて来るみたいで、足が勝手に動いた。それが居た堪れなくなってきて、じわじわ熱が上がってくる。
 まだ尿意は来てないはずなのに、ブラックとクロウに見つめられると、変な汗がじわじわと出て来るようで、気が付けば股間がじわりと汗を掻いていた。

 おもらしなんて絶対にしてないけど、それだけ緊張して恥ずかしくなっているんだと思うと、自分がどうしようもなく堪え性のない存在に思えてくる。
 なにより……外で、あんな風に漏らしてしまった時の感覚は、今でも体にしっかりと残っていて……汗で蒸れた股間に、無意識に体が緊張してしまった。

 そんな俺に、ブラックは猫のように目を細めて、口を笑みに歪ませる。
 先程の人懐こい笑みとは全く違う、どこか俺を嘲るような顔だ。気が付けばクロウも橙色の瞳で熱っぽく俺を凝視していた。
 二人の全く違う表情。だけど、相手が望んでいるのはたった一つだ。

 俺に……また……あんな、恥ずかしい事を……しろと、言っている。
 いや、それはもう決定事項だ。強引に二人に決められてしまったんだ。

 だからいま、俺は太腿と布で熱がこもったソコを意識せざるを得なくて、こんな人の多い場所で変な話をしなくちゃいけないわけで……。
 …………う、うぅ……なんか、また下腹部が圧迫される感じがして来た。
 ヤバい、これ、マジでヤバいんじゃないの。またなってるんじゃないの……?

「あはっ、ツカサ君……さては催して来ちゃった?」
「そっ、そんな、こと……っ」
「汗のにおいがする。ツカサ、さては……」
「ちっ違う! そんなんじゃない、そ、そんな……っ」

 腹に力を入れて声を張ると、下腹部がぎゅっと刺激されて思わず足がぎゅっと急所を挟み込んで衝動を阻止しようとする。
 だけど、そんな事をするとスパッツみたいな生地の刺激が、ダイレクトに俺の分身に伝わって来て、股間が一気に尿意を自覚してビクビクと蠢いてしまう。
 そうなってしまうと、もう、どうしようもなかった。

「違う? じゃあお酒もう一杯のんじゃおっかな。ツカサ君まだ我慢出来るんだよね? だったらギリギリまで飲みたいなぁ」
「ム……ではオレも、もう一杯」
「~~~~~ッ!」

 この人でなしっ、ばか中年!
 もう正直俺の様子を見てたら解るだろ、我慢してるって解るだろ!?
 なのにどうしてそんな風に俺を追い詰めようとするんだよ!

「は~、お酒美味しいな~。ああでもこんなに飲んだら厠に行きたくなっちゃうかも」
「お前はさっき行ってただろう」
「そうだっけー?」

 あっ、そ、そうだ。俺が野草の事を話す前に二人ともトイレに行ってやがった。
 もしかしてコイツら、最初から俺をハメる目的でトイレに行ってたんじゃ……!

「ぐっ…うぅ……っ、ば、か……ばかぁ……っ!」
「ん~? どしたのツカサ君、可愛い声出しちゃって……。そんな声出したら、ほかの奴らに気付かれて恥ずかしい所を見られちゃうかもよ?」

 ニヤニヤしながら、ブラックはこれ見よがしにゆっくりと酒を飲む。
 まるで、俺が我慢出来なくなるのを待っているみたいだ。
 どこまでも俺を追い詰めて、屈服させようとする。待っているのはどの道恥ずかしい行為だと言うのに、それを俺に選ばせるつもりなんだ。

 二人に見られながら再び恥ずかしい姿を見せてしまうのか、それとも公衆の面前でこんな変態くさい格好で漏らすか。どちらがより恥ずかしいかなんて決まり切っているのに……それでも、ブラック達は決して自分から「やろうか」とは言わない。

 それが、俺をどんどん追い詰めていく。

「ッ……ん…………ん、ぅ……っうぅ……っ!」

 股間が、熱い。素肌のせいで、自分の我慢しようとする筋肉の動きを如実に感じてしまっている。ドクドク言ってて、お尻まで汗が垂れている気がする。さっき外で散々汗をかいたと思ったのに、再び尿意が迫って来るとどうしようもなくなり尻が動いた。

 ヤバい。また波がやって来た。
 力を入れても、緩めても、出そうな気がする。苦しい。怖い。いつ漏らすか知れない恐怖でがたがたと体が震え出して、我慢出来なくなってくる。
 汗が垂れて、たぶん顔はもう真っ赤になっているだろう。
 でも、ブラックは何も言ってくれない。ただ楽しそうに目を細めて、俺の姿を見ながら酒を飲んでいる。クロウも、じっと俺を見つめているだけだった。

 二人は、助けてくれない。
 こういう時の、俺を辱めようとする時の二人は、絶対に優しくしてくれないんだ。
 最初の不慮のおもらしの時とは違う。どうせここで漏らしても構わないに違いない。だって、ブラック達がやりたいのは「おもらしする俺を見る」んじゃなくて……取り返しのつかない恥辱を俺が受けて、泣きじゃくる姿をみたいだけなんだから。

「どうしたの? ツカサ君……可愛い顔しちゃって……」
「っ、う……うぅう……っ」

 ブラックは、俺が折れるのを待っている。
 だけど、俺の中のプライドが邪魔をして、こんな尿意くらい我慢出来るんだと必死に堪えようとしてしまう。言えば、助かるのに。気持ち良くなれるのに。
 でも、どうしても……言えなくて、我慢しようって思ってしまって。

 必死に体を揺らし我慢する俺に、今まで黙っていたクロウが呟いた。

「……顔が真っ赤だぞ。そんな顔をしていたら、誤解されるだろうな。その丸々とした尻に、何か玩具でも挿れてるんじゃないかと」
「なっ……ぁっ……なんっ、でぇ……っ」

 橙色の瞳で、無表情な顔のまま俺を凝視してあからさまな事を言う。
 だけど思っても見ないその言葉に、俺は驚く事しか出来ない。
 むしろ、驚いた拍子に何かが出そうになって、俺はなんとか堪え歯を食いしばった。
 そんな俺に、クロウは目を細める。

「ツカサ。お前の今の顔は……いやらしい事をされている時の顔みたいだぞ」

 笑った眼と、ぎらついた眼。
 鼻からひきつった息を吸って必死に尿意を誤魔化そうとする俺を、見ている。
 尻が上下に動いて、体が揺れ出して、座っているのに足が動く。そうでもしないと、もう下腹部の圧迫感と局部を満たし溢れるような感覚は抑えられなくなっていて。
 辛い、つらい、つらくて、もう走り出したい。トイレに行きたい。

 我慢しないとでも、我慢したら出ちゃう、もうここで漏れてしまう。
 そんなの嫌だ、早くここからトイレに行かないと。でも黙って行ったら二人に絶対に今より酷いことをされる。恥ずかしくて気を失うような事を。
 それは嫌だ、それだけは嫌だ。ああもう出る、我慢できない、したい、しょんべんがしたい、なんで、なんでこんな酷い、もうやだ、やだ、やだ……!

「っ、す……するっ、から……するから……っ!」
「ん?」
「なにをするんだ、ツカサ」

 問われて、体がゾワゾワと震える。
 怖い、もう出ちゃい、汗じゃなくて小便かもしれない。やだ、そんなのやだよ。
 恥ずかしい、したくない、ここでしたくない、でもしたい、しょんべんしたい、だからもうはやく、はやく……!

「っ、し……しょん、べ……」
「あーだめ、可愛くない。ツカサ君はせっかく可愛いんだから、もっと可愛くお願いしてくれないと……。ね……?」

 ブラックの手が、俺の頬に、触れる。
 その指の温度を知った瞬間、もう、どうしようもなく体が緊張して。股間の部分から、ゾクゾクと言い知れない感覚が込み上げて来て。
 最早、意地を張る事なんて出来なかった。

「お……おし、っこ……おしっこ……した、ぃ……っ」

 涙がこぼれてしまいそうになる。
 だけど、もう構っていられない。俺は小さな声で、ブラック達に懇願した。

「お、おしっこ……させてくださ……っ、おねが……い……っ」

 必死に、頼む。どうしようもなく情けなくなっているだろう顔で、頼み込んだ。
 すると。

「ふふ……ふっ、ふははっ、解ったよ……じゃあ、行こうか……」
「ム。ツカサ、立て」
「っう゛ぅ……!」

 急に立ち上がった二人に急かされて、強引に腕を引かれ立たされる。
 だけどよろめく暇もなく、俺は階段を上がらされる。階段を上る度に膀胱にずんずんと刺激が来るのが怖くて、思わず腰がくねくねと動いてしまう。
 それが恥ずかしい事だと解っているのに、我慢するにはそうするしかなかった。

「あは……ツカサ君のやらしいお尻の動き、酒場の奴らが見てたよ……」
「……!」
「もしかしたら、今からセックスでもするのかと思われちゃったかもね」

 語尾にハートマークが突きそうなくらい上機嫌な声で、ブラックが言う。
 だけどもう正直、どうでも良かった。
 早く。早くトイレに行きたい。宿にトイレあったっけ。二階だったっけ。
 焦って周囲を見るが、よく解らない。立ち止まっていたら出そうで、つい足踏みをしてしまう。もういっそ自分で走りたかったけど、クロウとブラックが両方から俺の腕を掴んでいて、逃げるのを許してくれなかった。

「もっ、お、おねが……早く、トイレぇ……ッ」
「ああ、ごめんねツカサ君。さ、こっちこっち」

 連れて行かれたのは、俺達が泊まっている部屋だ。
 ……ま、待って。ここトイレじゃないじゃん。なんで連れて来たんだよ。
 そんな事を思っていると、背後でドアが閉まり鍵がかかる音がする。でも、どうする事も出来ずに俺は部屋の中央に連れて来られて……目の前に、さっきまで衣服を洗っていた木製のたらいが置かれたではないか。

「え……え……?!」

 一瞬、何が起こったか解らなかった。
 だけど二人は俺の腕を掴んだまま、盥を挟んでしゃがみこむ。それで何をするのかと思ったら……俺の腰布を捲し上げたではないか。

「や、やだってっ!!」

 慌てて下に戻そうとするが、ブラック達の手がそれを許さない。
 それどころか、俺の震える足の間に在る急所をじっと見つめて来て。

「あは……ツカサ君の可愛いおちんちん、蒸れ蒸れになっちゃってるね……」
「ムゥ、凄いにおいだ」
「あっ、あぁ……やだ……そんなこと、言うな……っ」

 いやだ、恥ずかしい。頼むから見ないで。変な事言わないで。
 我慢出来なくなる。必死で抑えてるのに、出してしまう。
 だけど、ブラック達は俺の下半身を間近で観察してニヤニヤ笑って来て。

「あは……足の付け根の所がピクピクしてるねぇ……おちんちんも震えてる」
「尻もひくひく動いているぞ。締まりが良さそうだな」
「やらっ、い、いやだ、触んないでってば……!」

 ブラックの手が、足の付け根を指で撫でて来る。
 クロウの手が、俺の尻を下から手で持ち上げるように撫でて来た。
 それが、どうしようもなく股間を刺激して。もう、どうしようもなくなって……

「ほらっ、ツカサ君だしなよ……我慢しなくていいんだよ……!」

 ブラックに、ソコを指で抓まれ持ち上げられた、瞬間。

「っあぁ、あぁああああ……!!」

 その刺激で……ちょろ、と、自分のモノの先端から何かが漏れ出して。

「やだっ、やだやだやだぁあ!」

 逃げようとするけど逃げられない。
 こんな場所で、部屋の中で、おしっこする所じゃないのに俺は盥の中に、たらいのなかに……恥ずかしい、液体を……盛大に流し込んでしまっていた……。














 
※もうしわけない楽し過ぎて三分割になってしまいました…
次でほんとに最後です!!明日更新(´;ω;`)すみませぬ
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