独断(ドグマ)・マクロ「狂っているのは、俺か世界か」

南逆賊

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プロローグ

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 「私…あなたの子を妊娠したの…」
顔を赤らめ…モジモジしながら目の前に立つのは、黒髪ロングの女の子…今日初対面だったはずの、西窪マクロだった。

(少し時間を遡ってみよう…)
 
 「おいハル…今日、転校生来るらしいぜ…」
教室の席で、前に座る親友の町田ケンヤが、ニヤケ顔で話かけてくる… 
 「へえ~…」
既に彼女のいる僕…西園寺ハルは、その話題に、興味を持ってはいけない空気感を感じていた…
 「ジ~」
斜め向かいの席にいる、ケンヤの双子の姉…ユメコが、コッチを睨んでいる…
(地獄耳か…)
 「静まれ~!」 
戸を開けて、無精ヒゲの男性教師が、ダルそうに入って来る…何気に、期待と緊張の走る瞬間でもある…
(さっきの話のせいかな…)
 「西窪マクロです…よろしく…」
どこか影のある(てか陰キャな)少女…前の学校の制服で(セーラだ、ココはブレザー)、軽く会釈した…一瞬目が合ったのは、気のせいだろう…
 「そこの、空いてる席座れ~」
ゆっくりと、横を通り過ぎるその娘から…かすかなシャンプーの人工的な香りと、何故か…体温を感じない、不思議な気配…
 「よ…しく…」
小さな声で、話しかけられた気がするが、たぶんこれも思い過ごし…
 僕の後ろに座る彼女の、視線を感じる
(あぁ…今日の僕は…何て自意識過剰なんだ…)
 で、次の休憩時間…何となく教室は息苦しかったので、屋上に出て深呼吸する…その時、突然入って来た西窪さんのセリフが、冒頭のアレだ…

 「は?あの…今日、初対面だよね…」 
 「そんなの関係ないわ…」
(ヤバイヤバイ…サイコだ…)
 「頭が…」
(おかしいんじゃないかって言いかけ、やめた…)
 「ひ…酷い…」
(ニュアンスは、伝わってたか…)
 「ゴメン…」
その神妙な、表情と…何とも言えない、守りたくなる様な佇まい、そんな…震える彼女を責める事が出来なかった…
 「お互い…もっと知り合うべきだと思うんだ…」
 「ハル…私のハル…」
(お前のモノになった覚えは無い…僕には、心に決めた人が…)
 ギュ…
僕の胸元に、柔らかい感触…上目遣いの視線…
(ダメだ…背中に手を回したら…終わる)
 キーンコーン!
チャイムが鳴る…急に僕の手を離れ、教室へと向かうマクロ…
(ど…どないやねん…)
 滞り無く、午前中の授業は終わり…昼休みに入る…

 「アンタね…自分が何言ってるか、分かってる?」
不機嫌そうに僕の彼女の、町田ユメコは詰めよる…
(町田姉弟にだけは、話ちゃったが…マズかったかな…)
 「やるな…兄貴、二股とはな…」
姉と付き合う僕に、皮肉っぽく話すケンヤは、何処か楽しそう…
 「信じて…ユメコ…あの女とは、マジで初対面で…僕が好きなのは…ユメコだけだよ…」
 「し…知ってるし…」
(デレてる…カワイイ…)
 「う~ん…じゃあ、放課後…アイツを問い詰めようぜ…」
 「お手柔らかににね…」
 「ふんっ!」
マトモな提案をするケンヤ…弱々しいあの娘を気遣う僕…それに不満そうなユメコ…

 「ホントだもん…ハルの子だもん…エ~ン…」
泣きじゃくるマクロを…責める姉弟に対し、止めに入るしか無い僕…
 「ハァ…無駄だと思うけど…DNA鑑定でもする?」
 「バッカじゃ無い?それでも、私の彼氏?」
 「激しく同意…」
僕の提案を、小馬鹿にする姉と弟…
 
 で…色々あって…
 「まさか…ね…」
顔面蒼白になる僕…
 「ハル…私の旦那様…」
嬉しそうなマクロ…
 「別れましよ…」
血管を、浮かび上がらせるユメコ…
 「まぁまぁ…マクロちゃん…処女だったし…謎が謎を呼んでるよ…ホント…」
意外と冷静なケンヤ…
 つまり、こうだ…検査の結果、マクロのお腹の子は…僕の子に間違い無かった…
でも、彼女は処女で…男性経験が無い…
(記憶が混乱する…いや間違無い…僕は、マクロと合った事なんか無い…フザけるな…この歳で父親なんて…ゴメンだね…)
 「アギレス…もうすぐパパと会えるわよ…」
(何を言ってる?マクロ…)

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