独断(ドグマ)・マクロ「狂っているのは、俺か世界か」

南逆賊

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エスケープ・フロム・ニューワールド

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 「私、アギレス…ハルパパと、マクロママの娘よ…」
十歳前後の少女の存在…牢獄の中に立っている…
(いくらなんでも…十年も経っていない…はず…ざっくり、2・3週間ってトコだ…)
 彼女の存在に気づいた獣人は、慌てて鍵を開け…斧を手に取り、入って来る…
 「もう…感動の対面、邪魔しないで…ブタさん…えっと、臓器転送…」
娘の手に血まみれの物体が…
 「えっと…肺と腎臓…あっ、心臓の方が良かったかも…」
血を吐いて倒れる、猪顔の男…
 「パパ…行こっか…」
臓器を投げ捨て…どこから取り出したのか、アルコールウェットティッシュで、手の血を拭き取るアギレス…
 言われるまま…彼女の手を取り、立ち上がり…建物の外に出る…初めて見た外観は、派出所の様だった…
 柔らかい、足が沈みそうな…砂地を歩くふたり…会話は、途切れている…
 「アギレス…だったか…話、聞かせて欲しいな…」
 「そこの東屋で、休みましょうか…」
動物をかたどった、オブジェのある公園…どこか懐かしい場所…土管に腰掛ける…
 「そうね…この世界の獣人は、私達人間を、食料としてるの…たぶんパパは、餌となる為…飼育されてたのね…」
(なるほど…だから、食料だけは与えられていたのか…イヤイヤ…聞きたい事は、そこじゃない…)
 「ママは…マクロは…どうなった…」
 「パパは…自分が、目にしていない所で…何かが起こってると思ってるんだ…」
 「それって…」
 「つまりは、こう言う事…今、娘の私と旅をしているという現実以外は…」
(また何か…厄介な事を、言おうとしてやがる…もういい加減、狂気から解放してくれ…)
 「マクロに…そっくりだ…」
娘の頬を撫でてみた…
 「パパ…だって…私は…」
 ギュギュ…
それ以上の話を聞きたくなくて、娘を抱きしめる…
 「子供を作るの?…パパ…」
(妄想…僕の認識…この娘は、僕とマクロの子供…でも、マクロとは何の行為もしていない…その辻褄を合わせる様に、まるで自分自身が、マクロだと…言おうとしているのか?アギレス…)
 「実の娘とは、しないよ…」
 「ママが…悲しむわね…自分を犠牲にして…私を助けてくれた…それで、カラダも与えてくれたの…未来…いえ、過去の為かしら…」
 「つまり…娘の精神に、マクロのカラダって事?」
   「転移する時…若返っちゃったケド…」
 「お前は…何処から来た…」
 「因果地平よ…」

 (記憶… 回想… そう…僕は、牢獄の中にまだいて…目の前には同じ顔の母娘…)
 「ママ…」
 「アギレス…」
全裸のマクロと、アギレスの姿…屍体の転がる冷たい鉄格子の外に、かつての同級生と娘が…
(モヤがかかって…よく見えない…番人に気づかれないだろうか…)
 チュ…チュル…クチュ…
ピンクの唇から、這い出してくる…長い舌…それが絡み合い、透明の粘液が滴り落ちる…
 「ハァハァ…ハァハァ…ママ…そこは…」
 「まだよ…アギレス…コッチも…」
互いの胸元で、伸縮するヒトデの様な掌が…内側に、規則的に曲がる…
 「脚をこっちに…」
 「苦しいよ…ママ…」
肌色の崖に…裂け目が…そこから噴出する白濁の液体が、視界を遮る…
 愛し合う母娘の姿に、目を奪われた…
 「パパ…右手よ…右手を使うの…」
娘の指示に従う…と、言うより…操られる…
 シュコシュコシュコ…
無機質なサウンド…背後から、波が追って来る…
 「マクロ…愛してる…」
僕は、そう言い放つと…行為そのものに、意味を与えてみた…
 バシャ~!吐き出された大波に、流されてゆく親子…
 「またね…パパ…」
白い渦潮と共に…マクロの股間に、吸い込まれるアギレス…

 
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