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1章 シーム村
#10 やはり勇者は……
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まる2日寝ていた俺はやっと目が覚める。
全身火傷状態な俺は目が覚めると同時に回復魔法をかけた。
ゆっくり、ゆっくりと回復させていくが魔力が少なく直ぐに無くなる。
お母さんが回復しやすい食べ物をいっぱい置いてくれたおかげで自分の回復には何の問題も無かった。
ただ時間だけが掛かる。それだけだった。
やっとの事で喉が楽になる。
「お母さん、アイツは森に行ってない?」
どうしても最初に気になるのはその事だ。
「こんなにされてもまだビリーを心配?」
「違うよ。……森が心配なんだよ」
今のアイツでは森が全焼してしまう。
この2日間の内に向っていないか心配だ。
近付いていたら……………俺が。
森の魔物を護れるのだろうか?
今のおれでは……無理かもしれない。
……いや、絶対無理だよなぁ。
軽く魔力の無い為に少しだけマイナス思考になる。
「大丈夫よ今は学校に行ってるしちゃんと先生に見張ってもらってる
もちろん学校外では私が見張ってる」
今のビリーはおかしいとお母さんも思ったのかもしれない。
「うん」
ご飯を食べながら回復に専念した。
もう……食べられない。
◆
それからさらに2日がたった頃、家に団体のお客さんが来た。
部屋が静かな為客間の方の声が少し聞こえた。
内容はアイツの王都への迎えだった。
アイツが勇者として認められたのだ。
王都の学費は全て免除でその親の待遇も良くなる。
つまりは貴族と同じに扱われる。
お父さんはそれが望みだった。
お父さんは正直、頭が良くない。
立場が貴族と同じになるだけで仕事が回されるかは別問題だ。
アイツが勇者として優秀ならコネクションを取る為お父さんに仕事などを振ってくれるかもしれないがどれだけ期待出来るかなんて分からない。
家族が王都へ行く方が未来が不安になる。
今となってはアイツが王都へ行ってくれる事が助かっている。
もしここに残られ森へ行かれたら?
直ぐに俺では止められなくなる。
話は続いてるみたいだが、部屋のドアが開く。
2才になる妹が入って来た。
「ペケ~!どうした?」
俺は無理にでも身体を起こす。
まだ、身体の火傷が治りきっていない。
「あ、あのねママがママがお兄ちゃんのお世話してって」
「ありがとう。ご飯食べたいな」
多分、話の邪魔になると思われたのだろう。
ただ、その後の客間の会話は聞き取れなかった、
「お母さん達何話してたか分かる?」
「街へ行くんだって!皆で」
皆で……。
「王都って凄い広いんだよ!あっちでは夜も明るいんだよ」
「ずっと朝なの!?」
「ふふっ、ずっと朝なのかな?」
「朝なのかな?」
「行って確かめないとね?」
「ねっ!!」
お客さん達が帰るまでペケと沢山話をした。
王都の知ってる事を一緒に見て回ろうと。
けど、ペケの言う『皆』には俺が入って居なかった事をこの後告げられる。
◆
「え…?」
「仕方無いだろ?お前が来るならアイツは行かないと言ってるんだ」
ビリーは王都へは行きたがって居るが俺はここに残せと?
「それもお前1人残せと。随分嫌われてたんだな?」
「おれ……1人?」
「あぁ、学園側もアイツをとても欲しいそうだ。俺達家族をもてなしてくれると」
俺達?……家族を?
俺は。
「お母さんは!何て?」
「反対していたが連れてく。お前はこの村で1人で暮らせ」
俺は何の為に頑張って来たんだ?
家族が離れ離れにならない様にアイツの横をついて行ける様に。
頑張ったのに。
全部意味が無かった。
全身火傷状態な俺は目が覚めると同時に回復魔法をかけた。
ゆっくり、ゆっくりと回復させていくが魔力が少なく直ぐに無くなる。
お母さんが回復しやすい食べ物をいっぱい置いてくれたおかげで自分の回復には何の問題も無かった。
ただ時間だけが掛かる。それだけだった。
やっとの事で喉が楽になる。
「お母さん、アイツは森に行ってない?」
どうしても最初に気になるのはその事だ。
「こんなにされてもまだビリーを心配?」
「違うよ。……森が心配なんだよ」
今のアイツでは森が全焼してしまう。
この2日間の内に向っていないか心配だ。
近付いていたら……………俺が。
森の魔物を護れるのだろうか?
今のおれでは……無理かもしれない。
……いや、絶対無理だよなぁ。
軽く魔力の無い為に少しだけマイナス思考になる。
「大丈夫よ今は学校に行ってるしちゃんと先生に見張ってもらってる
もちろん学校外では私が見張ってる」
今のビリーはおかしいとお母さんも思ったのかもしれない。
「うん」
ご飯を食べながら回復に専念した。
もう……食べられない。
◆
それからさらに2日がたった頃、家に団体のお客さんが来た。
部屋が静かな為客間の方の声が少し聞こえた。
内容はアイツの王都への迎えだった。
アイツが勇者として認められたのだ。
王都の学費は全て免除でその親の待遇も良くなる。
つまりは貴族と同じに扱われる。
お父さんはそれが望みだった。
お父さんは正直、頭が良くない。
立場が貴族と同じになるだけで仕事が回されるかは別問題だ。
アイツが勇者として優秀ならコネクションを取る為お父さんに仕事などを振ってくれるかもしれないがどれだけ期待出来るかなんて分からない。
家族が王都へ行く方が未来が不安になる。
今となってはアイツが王都へ行ってくれる事が助かっている。
もしここに残られ森へ行かれたら?
直ぐに俺では止められなくなる。
話は続いてるみたいだが、部屋のドアが開く。
2才になる妹が入って来た。
「ペケ~!どうした?」
俺は無理にでも身体を起こす。
まだ、身体の火傷が治りきっていない。
「あ、あのねママがママがお兄ちゃんのお世話してって」
「ありがとう。ご飯食べたいな」
多分、話の邪魔になると思われたのだろう。
ただ、その後の客間の会話は聞き取れなかった、
「お母さん達何話してたか分かる?」
「街へ行くんだって!皆で」
皆で……。
「王都って凄い広いんだよ!あっちでは夜も明るいんだよ」
「ずっと朝なの!?」
「ふふっ、ずっと朝なのかな?」
「朝なのかな?」
「行って確かめないとね?」
「ねっ!!」
お客さん達が帰るまでペケと沢山話をした。
王都の知ってる事を一緒に見て回ろうと。
けど、ペケの言う『皆』には俺が入って居なかった事をこの後告げられる。
◆
「え…?」
「仕方無いだろ?お前が来るならアイツは行かないと言ってるんだ」
ビリーは王都へは行きたがって居るが俺はここに残せと?
「それもお前1人残せと。随分嫌われてたんだな?」
「おれ……1人?」
「あぁ、学園側もアイツをとても欲しいそうだ。俺達家族をもてなしてくれると」
俺達?……家族を?
俺は。
「お母さんは!何て?」
「反対していたが連れてく。お前はこの村で1人で暮らせ」
俺は何の為に頑張って来たんだ?
家族が離れ離れにならない様にアイツの横をついて行ける様に。
頑張ったのに。
全部意味が無かった。
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