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1章 シーム村
#16 おじさん怖くないよ?
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集落に着いても生存者は居らず、焼け焦げた死体ばかりが転がっていた。
どれも大人の男性ばかりだ。
炎から色んな魔力が感じられる。
つまり複数の誰かが出した炎だ。
俺じゃあこの火を消す事は出来ない。
すると何処からか人の声が聞こえた。
一旦落ち着き声が聞こえる方へ向かう。
「誰か!誰か助けぶふぁっ!」
「トップ!」
そこに居たのは同い年の友達トップだった。
トップは地面に倒れ込み知らない男性に押し倒されて居る。
「ビリビ君!助けて!」
「まだガキが居たか」
周りには他にも知らない男達の姿が分かる範囲で5人。
この火事はコイツらが?
何か武器を持って来るべきだったと後悔する。
対する相手は皆剣を携えている。
今まで使っていた木剣なんかでは無く、人一人簡単に殺す事のできる程の鋭い刃が。
「お、お前ら何者なんだよ!」
この人数では勝ち目が無い。武器も無い。
俺は非力差をアピールするかの様に足を震わせ声も震わせる。
「だ~い丈夫。大丈夫。おじさん達火事が起こってたから助けに来たんだよ」
知らない人達がこんなに早く来る訳が無い。
第一。
「じゃあ、その子を話してよ」
明らかに抵抗しているトップを無理矢理押さえ込んでいる。
他の村の人達の姿も無い。
避難は済んでいるのだろうか?
「この子が逃げようとするんだ危ないだろ?周りは火の海だ」
おびえながら首を振るトップは口を抑えられ苦しそうだ。
すると今まで気付かなかったが、トップの後ろの方に血を流し倒れている男性が。
そっちの方は見覚えがある。
……トップの父親だ。
「だったらその剣をしまって下さいよ。怖いですよ」
足を震わせながらゆっくり近付く。
抵抗の意思が無いと判断したのか皆武器を腰の鞘にしまう。
トップを抑えてる男性は地面へ置く。
「あと笑って下さい怖いです」
「悪い悪いおじさん達笑顔が苦手でな」
次第に1人の大人が俺の方にやって来る。
「あとその子離してあげて下さい。友達なんですよ暴れない様に言いますからもっと優しく、怖いんですからっ!!!」
「うっ!」
近付いて来た男性の顎に頭突きをかます。
後ろに倒れると同時に踏み台にし腰の剣を抜きトップを押し倒している男性の元へ走り出す。
「この!」
周りの人達はまだ距離がある。
目の前のトップの上に跨る男はさっき落した剣を拾おうとするのを止める為、顔目掛け地面の砂を蹴る。
「この!」
視界を奪う事に成功した為その男の首を切り落とす。
「この!」
切り殺されてる人が居るんだコイツらは敵。
大丈夫!冷静だ。
「『この!』しか言えないのかアンタら!」
うん。やっぱり冷静だ。的確にツッコミができている。
首の切り取られた相手を蹴り飛ばしトップを立ち上がらせる。
「逃げるよ!」
トップを引っ張り学校の方へ引き返す。
「学校に行くよ!あそこならまだ人も居る」
「う、うん」
敵に聞こえるか聞こえないか位の声であえて言う。
トップもまた、魔力を纏い走る。
この村の子供なら大抵は魔力のコントロールはできる。
学校に先生は居なかった。
少し山の上にある学校はここからでも見える。
わざと逃げ込む場所をバラす。
敵から姿が見えなくなってすぐ横の森の方へ向かう。
「が、学校行くんじゃ!森は危険だし」
「学校戻っても追いつかれるし山を降りたら森に入る」
行き止まりになったら意味が無い。
「先生が居るんじゃ!」
「居ない!だから探しに来たら……一体何があったの!」
「わかんない。分かんないよ!向かってった人達は皆殺されるしトリーもキャッツも皆連れてかれるし。
一緒に逃げてたお父さんも殺された!」
トリーとキャッツは同年代の子供で2人とも魔法も使える。
連れ去られれた?殺された?
もしかしたら奴隷として人身売買?でも大人は殺されてる?
「他の人達は何処へ?」
「多分こっち。森の……ほう」
「えっ?」
まずい、こっちにアイツらの仲間が居るかもしれない。
走る足を止める。
森には魔物が出る。だからそこを避けると思ってた。
魔物を退治できるだけの強さはある?
「どうしよう?まだまだ、人いっぱい居たんだよ20人位怖い人達が」
「どれくらい前から騒ぎ出した?火事はいつから?」
「多分2時間位前でお父さんと村の奥へ逃げてったら火事が起きてて、お父さん殺されて」
どうやら先に捕まり村へ逃げない様に火を放ったらしい。
どうする?20人なんてとても勝てない。
魔物にだって会う訳にはいかない。
村は燃えてる学校にはアイツらが。
真逆の前住んでた家の方も燃えてる。
あれ以来3年間1度も帰っていないあの家。
火は消せない以上どっちかだ。
皆を助けに行くか学校の方へ引き返すか。
皆を助けるなら奇襲しか無い。
けど奇襲中に残りのあの4人に後ろを取られたら終わる。
元々アイツらが合流しても俺たちの事がバレる。
なら。
「まずはさっきの4人を殺す」
どっちにしろ皆を助けなきゃいけない。
「さっき村へトップを追いかけて来たのは5人だけなの?」
「うん、多分!逃げてる時は必死で分かんなかったけど捕まってからは5人しか見かけて無い」
「じゃあ森の奥に居るのは大体15人?20人?」
「それでも20人位は居たと思う」
20人の大人に勝てるビジョンが見えない。
さっきの5人は魔法を使う仕草は感じられなかった。
実際逃げきれたのがその証拠だ。
けどあの火事は魔法による物だ。魔力が感じられた。
魔物が居る森を通る時点で魔法位使えるだろう。
そして多分、先生も捕まってる。
先生や皆を解放して倒せるだろうか?
村の皆合わせて100人位だろうか?
「皆捕まってるの?先生も皆?」
「先生はわかんないけど捕まってるのは多分子供か女の人。それ以外は殺されてる」
「!?」
女子供のみ捕まえて、力ある男性は殺してあるのか。
学校の生徒で魔法を使えるのは確かトリーとキャツと水系統の魔法だけなら数人。
魔力自体を使えるのは確か8人か、残り13人が魔法の使えない。
学校来てないもっと小さい子も何人か居るか。
大人の女性は何人だ?多くて30人位か?
約50人以上は捕まってる。
2・30人でその大人数の誘拐。
馬車か何かも多く持ってきてるはずだ。
そんな大移動すぐには動けないはず。
まずは目の前の4人をどうにかしないと。
どれも大人の男性ばかりだ。
炎から色んな魔力が感じられる。
つまり複数の誰かが出した炎だ。
俺じゃあこの火を消す事は出来ない。
すると何処からか人の声が聞こえた。
一旦落ち着き声が聞こえる方へ向かう。
「誰か!誰か助けぶふぁっ!」
「トップ!」
そこに居たのは同い年の友達トップだった。
トップは地面に倒れ込み知らない男性に押し倒されて居る。
「ビリビ君!助けて!」
「まだガキが居たか」
周りには他にも知らない男達の姿が分かる範囲で5人。
この火事はコイツらが?
何か武器を持って来るべきだったと後悔する。
対する相手は皆剣を携えている。
今まで使っていた木剣なんかでは無く、人一人簡単に殺す事のできる程の鋭い刃が。
「お、お前ら何者なんだよ!」
この人数では勝ち目が無い。武器も無い。
俺は非力差をアピールするかの様に足を震わせ声も震わせる。
「だ~い丈夫。大丈夫。おじさん達火事が起こってたから助けに来たんだよ」
知らない人達がこんなに早く来る訳が無い。
第一。
「じゃあ、その子を話してよ」
明らかに抵抗しているトップを無理矢理押さえ込んでいる。
他の村の人達の姿も無い。
避難は済んでいるのだろうか?
「この子が逃げようとするんだ危ないだろ?周りは火の海だ」
おびえながら首を振るトップは口を抑えられ苦しそうだ。
すると今まで気付かなかったが、トップの後ろの方に血を流し倒れている男性が。
そっちの方は見覚えがある。
……トップの父親だ。
「だったらその剣をしまって下さいよ。怖いですよ」
足を震わせながらゆっくり近付く。
抵抗の意思が無いと判断したのか皆武器を腰の鞘にしまう。
トップを抑えてる男性は地面へ置く。
「あと笑って下さい怖いです」
「悪い悪いおじさん達笑顔が苦手でな」
次第に1人の大人が俺の方にやって来る。
「あとその子離してあげて下さい。友達なんですよ暴れない様に言いますからもっと優しく、怖いんですからっ!!!」
「うっ!」
近付いて来た男性の顎に頭突きをかます。
後ろに倒れると同時に踏み台にし腰の剣を抜きトップを押し倒している男性の元へ走り出す。
「この!」
周りの人達はまだ距離がある。
目の前のトップの上に跨る男はさっき落した剣を拾おうとするのを止める為、顔目掛け地面の砂を蹴る。
「この!」
視界を奪う事に成功した為その男の首を切り落とす。
「この!」
切り殺されてる人が居るんだコイツらは敵。
大丈夫!冷静だ。
「『この!』しか言えないのかアンタら!」
うん。やっぱり冷静だ。的確にツッコミができている。
首の切り取られた相手を蹴り飛ばしトップを立ち上がらせる。
「逃げるよ!」
トップを引っ張り学校の方へ引き返す。
「学校に行くよ!あそこならまだ人も居る」
「う、うん」
敵に聞こえるか聞こえないか位の声であえて言う。
トップもまた、魔力を纏い走る。
この村の子供なら大抵は魔力のコントロールはできる。
学校に先生は居なかった。
少し山の上にある学校はここからでも見える。
わざと逃げ込む場所をバラす。
敵から姿が見えなくなってすぐ横の森の方へ向かう。
「が、学校行くんじゃ!森は危険だし」
「学校戻っても追いつかれるし山を降りたら森に入る」
行き止まりになったら意味が無い。
「先生が居るんじゃ!」
「居ない!だから探しに来たら……一体何があったの!」
「わかんない。分かんないよ!向かってった人達は皆殺されるしトリーもキャッツも皆連れてかれるし。
一緒に逃げてたお父さんも殺された!」
トリーとキャッツは同年代の子供で2人とも魔法も使える。
連れ去られれた?殺された?
もしかしたら奴隷として人身売買?でも大人は殺されてる?
「他の人達は何処へ?」
「多分こっち。森の……ほう」
「えっ?」
まずい、こっちにアイツらの仲間が居るかもしれない。
走る足を止める。
森には魔物が出る。だからそこを避けると思ってた。
魔物を退治できるだけの強さはある?
「どうしよう?まだまだ、人いっぱい居たんだよ20人位怖い人達が」
「どれくらい前から騒ぎ出した?火事はいつから?」
「多分2時間位前でお父さんと村の奥へ逃げてったら火事が起きてて、お父さん殺されて」
どうやら先に捕まり村へ逃げない様に火を放ったらしい。
どうする?20人なんてとても勝てない。
魔物にだって会う訳にはいかない。
村は燃えてる学校にはアイツらが。
真逆の前住んでた家の方も燃えてる。
あれ以来3年間1度も帰っていないあの家。
火は消せない以上どっちかだ。
皆を助けに行くか学校の方へ引き返すか。
皆を助けるなら奇襲しか無い。
けど奇襲中に残りのあの4人に後ろを取られたら終わる。
元々アイツらが合流しても俺たちの事がバレる。
なら。
「まずはさっきの4人を殺す」
どっちにしろ皆を助けなきゃいけない。
「さっき村へトップを追いかけて来たのは5人だけなの?」
「うん、多分!逃げてる時は必死で分かんなかったけど捕まってからは5人しか見かけて無い」
「じゃあ森の奥に居るのは大体15人?20人?」
「それでも20人位は居たと思う」
20人の大人に勝てるビジョンが見えない。
さっきの5人は魔法を使う仕草は感じられなかった。
実際逃げきれたのがその証拠だ。
けどあの火事は魔法による物だ。魔力が感じられた。
魔物が居る森を通る時点で魔法位使えるだろう。
そして多分、先生も捕まってる。
先生や皆を解放して倒せるだろうか?
村の皆合わせて100人位だろうか?
「皆捕まってるの?先生も皆?」
「先生はわかんないけど捕まってるのは多分子供か女の人。それ以外は殺されてる」
「!?」
女子供のみ捕まえて、力ある男性は殺してあるのか。
学校の生徒で魔法を使えるのは確かトリーとキャツと水系統の魔法だけなら数人。
魔力自体を使えるのは確か8人か、残り13人が魔法の使えない。
学校来てないもっと小さい子も何人か居るか。
大人の女性は何人だ?多くて30人位か?
約50人以上は捕まってる。
2・30人でその大人数の誘拐。
馬車か何かも多く持ってきてるはずだ。
そんな大移動すぐには動けないはず。
まずは目の前の4人をどうにかしないと。
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