居場所

お話の世界

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旅立ち‥

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夜のことです‥。

私はまた不思議な世界にやってきました。

改めて世界を見ると、真っ白で何もなくて不思議と居心地のいい‥。

「ここはどこなんでしょう‥?」

すると、前に見た、女神様が私の前に現れました。

「うみさん。ここは私の世界です。」

「はい、とびらさん。」

「あなたは優しい人です‥。」

「ありがとうございます。でも、私はそんなに素晴しい人ではありませんよ。」

とびらさんは目をつぶり頷いた。

「そんなあなただからこそ、頼みたいことがあります‥。」

「はい。何でしょうか?」

「救って欲しい世界があるんです。」

「どういうことですか‥?」

「悲しみでつつまれている世界があるんです。」

「どうしてそうなってるんですか‥?」

「一人、悲しい思いをしてる方が居て、それが段々周りへと広まっていって‥。世界は暗闇に包まれてしまったんです。」

「そうなんですか‥?」

「はい。」

「私はどうしたらいいんですか?」

「海の中、その先へ進むと、向かうべき場所へ導かれるでしょう。そこであなたは世界にただ一つ、優しい花を咲かせて欲しいんです。」

「優しい花‥ですか?」

「はい。これはあなたがどう捉えてもらっても構いません。」

「私には力はありません‥。」

「中々手に入らないもの、人のいいところを見つけてあげられる力‥。あなたにはそれがあります。」

「私はただ‥。自分がいいなと思ったところを言ってるだけですよ!
優しさなんて私には‥。」

そう言って下を向きます

「いいえ、それが素晴しいことなんです。神様はあなたにその偉大な力を与えたんです。」

私は顔をあげる。

「人は、中々、他人のことを見ることはできません。自分のことばかりになってしまう。」

「あなたはありのままのあなたで居てください‥。それできっと道は開けます。」

とびらさんは私の前から居なくなりました。

私は辺りを見ます。

すると、元の世界へと戻っていました。

私は、その日、一緒に暮らすお姫様達に少しの別れを告げ、旅に出かけました。
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