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その言葉は己を正当化する為か、己の信念を貫く為か

悪道9

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「牢は生憎いっぱいでなお前はそこのガラクタ置き場で大人しくしていろ」

そういって私は鉄の鎧をきた兵士にガラクタの詰まった部屋に投げ入れられた。

「痛いわね!もっと丁重に扱いなさいよ!まったく」

部屋の中は薄暗く雨漏りがしている、私は運悪くその水たまりにダイブしてしまった。

「まったくもう~濡れちゃったじゃない」

すると目の前に布きれがスッと出てきた。

「あ、ありがとうございます」

私以外にだれか居たのかな?

「!」

そこには古い宝箱から伸びる下と箱の奥から覗く瞳!

「えええええ!人食い箱的な奴!」

すると!箱もしまった!という顔をして慌てて箱に擬態するが…
えっと、舌が出てますけど…
 その後襲ってくる気配は無かったが、その舌が痛いせいなのか箱の中から悲しいような唸り声が…

「えっと…痛いならしまったら?」

するとそ~っと箱が空きすっと舌が箱の中に入った。

「ふふふふ、おもしろい子ね」

そのドジっぷりに思わず笑ってしまった。
すると箱が恐る恐る開いて二つの瞳がこちらを怯えながら見つめてきた。

「あなた私を襲うの?」

聞いてみると…

ブンブン

箱の中の瞳が大きく左右に振られた、どうやら襲う気はないらしい。

「そっか…さっきので舌痛いでしょ」

すると、瞳が若干涙目に。

「そっか、ごめんね…驚かしてしまって」

ブンブン

また、瞳が左右に振られた。なんだろ…人食い箱じゃないのかなって思える位に愛嬌というか、優しい感じがするな~。
 そんな会話をしていると…

「マオ~ここか~」

「総帥!」

「おお、ここかカイザーこの奥じゃ」

「ピィー!」

すると扉の隙間からうにょ~という感じでカイザーが入ってくる。

「まあ、スライムらしい感じよね」

「ピィー?」

「それより見張りは居なかったんですか」

「ああ、アイツ等はカイザーの分身を見て我先に追いかけて行ったぞ」

「なるほど、カイザーは元々レアモンスターだったから賢いわね」

「ピィー!ピィー!」

褒めて褒めて!という感じで鳴くカイザー。

「さて、とんだ目にあったが…これはこれでラッキーだったかもしれないの~」

「と言いますと?」

「良く考えてみろ、ココはどこかお前はわかってるのか?」

「いいえ」

「はぁ~ここは犯罪者が送られる施設じゃぞ」

「ふむ、となると…」

「そうじゃ、シスターがいる可能性が」

「なるほどです!」

「そうと決まれば長居は無用じゃ!通路の入口に鍵があったからのカイザー獲ってきて開けてくれ」

「ピィー!」

「とりあえず、この中を探索じゃ」

「でも、すぐばれるんじゃ」

すると トントン!
人食い箱の舌が私の肩に少し触れた。

「なんじゃ?そいつは」

「さっき知り合ったんです」

すると人食い箱はガラクタの中のマネキンとカーテンの布を舌で指さす。

「なるほど!これは使えるかも、あなた賢いのね」

すると人食い箱の目が照れていた。

「ふむ~そいつも怪人にするのかの?」

「え?もう一人増やせるんですか?」

「レベルも上がってるし可能じゃぞ」

「う~ん、君良かったら私と一緒に来ない?」

すると少し迷っているようだった。

「やっぱり嫌か~」

すると人食い箱の目が左右振られ、長い舌で近くのペンを取り…

邪魔…ならない?

「大丈夫よ」

ぼく…よわい

「気にしなくて良いわよ」

こんな ぼく ひつよう?

なんか健気過ぎて泣ける。

「行きましょ!広い世界へ」

すると暫く経ってから…

ありがと

こうして二人目の怪人が誕生した。





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