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ロミオの純情

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 夏休みが終わると、静かだった学院も、途端に学生たちの活気に溢れた。


「美雨、ちょっと忘れ物したから先に部屋で待ってて」

 九条先輩はそう言うと、恋人の美雨にポンと寮の部屋の鍵を渡し、慌てて、さっきまでいた音楽室へと駆け足で戻る。

 残された美雨は、独りで先輩の部屋に戻ると、フローリングの上に敷かれたクッションの上にちょこんと座って、インテリジェンスに溢れ、シックに纏められた、大人な雰囲気の部屋の中を見渡す。

(やっぱり綺麗だな。先輩の部屋)

 あらゆる物が、ピシッと整頓されている部屋は、見ていて気持ち良かった。

 それに比べて、僕と悠斗の部屋は……

 普段から片付いているとは言えない美雨逹の部屋は、夏休みが終わって、悠斗が帰ってきてから、さらに悲惨な事になった。

「美雨、ただいま!」

 夏休みの終わり頃に、悠斗は、勉強道具や服やら様々な物が詰められた大きなダンボールを、悠斗の家の年配のドライバーと共に運びながら部屋に帰ってきた。

「そーっと!そーっと、運んで!」

 悠斗が真剣な声をあげる。

 二人で狭い部屋の真ん中までダンボールを運び込むと、白髪頭のドライバーは礼儀正しく一礼して部屋を立ち去っていった。

「美雨、元気にしてた?! 美雨にもお土産あるんだよ! 」

 悠斗はそう言うと、たった今運び込んできたばかりのダンボール箱を嬉しそうに開ける。
「へー! 何だろう?! 」
 美雨もキラキラと目を輝かせながら、悠斗と一緒に箱の中を覗き込む。

「これだよ!」

 悠斗が箱から取り出した物を見た瞬間、美雨は怒りで気が遠くなる。

「じゃーん! ガンダム X3にグフに、ユニコーンガンダム3号機 フェネクス! 」

 得意げに黄金色のプラモデルを取り出した悠斗に、青筋立てて、美雨は声を荒げる。

「悠斗!もう置く場所ないのに!もう買わないってこないだ約束したばかりだよね! 」

 悠斗が部屋に持ち込んだプラモデルやフィギュアは50体を超え、それらは美雨のスペースまでなだれ込んできて、この間は、それをウッカリ蹴り飛ばしてしまった美雨と、宝物を蹴飛ばされて壊された悠斗の間でケンカが勃発したばかりだった。

「わ、わかった、美雨、ちょっと落ち着いて。 これなら美雨も気に入ると思うから! 」

 美雨の目の前に一冊の薄い本が差し出される。表紙には半裸で挑発するような表情の、マンガ絵の女の子が描かれていた。中身は当然ながら濃いエロマンガだ。

「ゆ、悠斗~」

 美雨はさらなる怒りで肩をプルプルと振るわせる。
 この薄い本を見て、この間の出来事を美雨は思い出していた。

 悠斗が「一緒にエロ本を楽しもう」とかけてきた妙な電話のせいで、先輩は誤解して、無理やりHをさせられたんだった。

 だいたい、この“薄い本”を一緒に楽しんだことなんて、一度も無かった。 
 いつも、悠斗が独りで楽しんだあと、「これは美雨には刺激が強いから」といって、どっかに隠してしまうのだ。

 実際、美雨もエロ本の類はあまり興味が無かった。だから美雨のあまりのHの知識の無さに、先輩は「美雨は本当に何も知らないんだね」と驚いて、(そして、ちょっと嬉しそうにして)美雨にあれこれと教え込んだ。

「美雨、ほら美雨のお尻を僕の顔の方にもってきて。そうしたら、美雨の可愛いお口のところに僕のがくるよね。それを口に入れてみて。そう、上手だよ。美雨。これを69《シックスナイン》て言うんだよ。恥ずかしい?でも頑張ろうね、美雨。二人で気持ちよくならないと」

 そう言いながら、先輩の舌は、自分の顔の上に来た美雨のキュッと窄まった可愛い蕾のまわりを、ぴちゃりぴちゃりと舐めまわす。

「ひゃっ…ひゃ…うあ…ん…… 」

 生温かい先輩の舌が蠢く度に、美雨の先端からどんどんと蜜が溢れて先輩の胸を淫らしく濡らす。
 あまりの気持ちよさに、つい夢中で喘いでいると、

「美雨、ほら、お口が止まってる」

 先輩に言われて、慌てて美雨は先輩の大きなペニスを再びぱくりと咥えると、必死で口を動かす。

「少し唾液でからめて、舌を動かして。アイスキャンディを舐めるみたいに。そう上手だよ。 美雨……っ 」

 先輩は少し上ずった声を出す。

(先輩、僕の舌で感じていてくれてるの? )

 美雨は嬉しくなって、じゅるじゅると、たどたどしくも、懸命に先輩のモノを舌と唇で擦ると、美雨の唇から零れ出た唾液が、ツーっと先輩の雄芯をHに濡らし、「あぁ、美雨…… 」と、先輩の体がビクンと跳ねる。

 先輩も負けじと、美雨の蕾の中に指をクイッと差し入れて、くにゅくにゅとその長い指を出し入れする。

「美雨のココ、凄いヒクヒクして指に絡みついてくる…… 」

 感動したように先輩が呟き、先輩に全てを見られた美雨は恥ずかしくて、顔を赤くしながら「あぁん… っやぁ…… 」と喘いで涙を流す。

 三本の指が滑らかに美雨の身体から出入りするようになったのを見た先輩は、

「美雨、今日は自分で挿れてみようか」

 そう言うと、美雨の腰を掴んで上体を起こさせる。
 先輩の上に乗っかったまま、先輩と向かい合うように体の向きを変えると、ふと、重なる優しい先輩の瞳。

「美雨」

 端正な顔の先輩に見つめられながら名を呼ばれると、美雨はいつも嬉しさで心が震えてしまう。

「先輩、大好き…… 」

 美雨は体を静かに倒すと、その赤い唇を先輩の薄い唇にそっと合わせる。

「美雨…… 」

 感嘆のため息をつきながら、先輩の腕が美雨のすべすべの肌を撫で回すように背中にまわり、やがてギュッときつく抱きしめるように体を密着させると、二人の心音がトクンと重なり、静かな部屋にはクチュリクチュリと口づけの音だけが響いた。

 美雨が体を少し動かす度に、二人の下腹部は重なって互いを擦りあい、先輩は眉を寄せて、「うっ」と呻き声を出す。

「美雨、そろそろ…… 」

 促すように言われて、美雨は体を起こすと、高く硬くそそり立った先輩の雄芯の根元をしっかりと握り締める。

 それは困惑するほど大きくて、上手く挿れる事が出来るだろうかと、美雨は戸惑う。

「先輩…… 」
「ん?どうしたの?美雨 」
 先輩はハンサムな顔で優しく微笑む。

「あ、あの、先輩の… 大きすぎて… これ… もう少し… 小さく…してほしいです…… 」

 握りしめたまま、顔を赤らめて下を向く美雨に、先輩は思わず吹き出す。

「み、美雨、そんな可愛いこと言っちゃダメ。余計に……」
「っあ!」

 美雨の手の中の先輩の猛ったペニスは小さくなるどころか、グン!とより質量を増す。

「支えていてあげるから、一人でやってみてごらん」

 先輩はそう言うと体を起こして、美雨を膝の上に跨がらせるようにして抱きかかえると、腰をしっかりと押さえる。

 美雨は先輩の肩に右手を置いて、左手で先輩の熱く怒張している根元を握ると、今か今かと物欲しそうに淫らしくヒクヒクとしている自分の蕾にピタリと押し当てた。
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