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選択編
巣作り総集編 直人ver.
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直人視点
家に帰ると…また部屋中に衣類が散乱していた。
ここ数日ずーっとこうだ。
…柚は片付けが苦手ではないはずなんだけど…。
「…仕方ないなぁ」
1つずつ服を拾いながら進み、寝室の前で止まった。
…さすがにここには持ち込んでないか。
とりあえずこれ洗濯してしまおう。
洗濯機に入れ、スイッチを押してから寝室のドアを開けた。
「うわ…」
まさかのこの部屋が1番酷かった。
空き巣でも入ったのかと思うぐらいに。
クローゼットは開け放たれているし中のタンスの引き出しは全部引き出されたまま。
ところどころ服が飛び出てる。
反対側に設置した柚用のクローゼットは綺麗なまま。
…僕の方だけ荒らしていくなんて…柚怒ってる?
確かに最近仕事が忙しくて柚の寝ている間に家を出て柚が寝てから家に帰ってるけど…。
空いた時間はいつもメールと電話をしてるし特に寂しいとも言われていないし柚から感じたことも無い。
「ん…にいさ…おかえり」
「ただいま。服、散らかしたままだったよ?」
「…だって…」
柚の寝ていたところをよく見ると…そこにも服があった。
しかも全部僕のだ。
「こら柚。明日着る服なくなるでしょ」
「…にいさんの匂いないと…意味無いもん」
「自分のじゃダメなの?」
「…やだ。兄さんのがいい…だって兄さんの巣だもん…」
「巣?」
…もしかして…巣作りの事言ってる?
「柚巣作りの意味を知っててやってる?」
「んー…お隣さんから聞いた…赤ちゃん欲しいの…だから巣作りした…偉い?褒めて…」
「……」
据え膳食わぬは男の恥?
…いやでも柚の据え膳はいつもの事だし…。
「…ダメ?」
「ダメじゃないよ。そういうことはもう少し後にと思っていたんだけど…いいよ」
「やった」
「でも柚。巣の材料にネクタイ使うのやめようか。首に巻きついたらどうするの」
「…ネクタイは首に巻くものだよ?」
「引っ掛けたら危ないの。…ほら、おいで」
「ん!!」
柚は僕の腕の中に飛び込むと顔をすりすりと擦り付けた。
「兄さんの匂いだ…」
…おかしいな。
柚の障害のせいでフェロモンの匂いは感じ取れないはずなんだけど。
「くしゅっ」
「…あ、ごめん。まだシャワー浴びてないから…花粉とかホコリついたままだ」
「シャワーやだっ!!兄さんの匂い薄くなっちゃう!!」
「でも…」
「このままがいーの!!…ね、兄さん」
腕にぎゅっと抱きついてきた。
「…しよ?」
「……1日中離してあげないからね?」
「いいもん。兄さんがそばにいてくれるもん」
あ、やっぱり寝てる間に出てくの根に持ってた。
家に帰ると…また部屋中に衣類が散乱していた。
ここ数日ずーっとこうだ。
…柚は片付けが苦手ではないはずなんだけど…。
「…仕方ないなぁ」
1つずつ服を拾いながら進み、寝室の前で止まった。
…さすがにここには持ち込んでないか。
とりあえずこれ洗濯してしまおう。
洗濯機に入れ、スイッチを押してから寝室のドアを開けた。
「うわ…」
まさかのこの部屋が1番酷かった。
空き巣でも入ったのかと思うぐらいに。
クローゼットは開け放たれているし中のタンスの引き出しは全部引き出されたまま。
ところどころ服が飛び出てる。
反対側に設置した柚用のクローゼットは綺麗なまま。
…僕の方だけ荒らしていくなんて…柚怒ってる?
確かに最近仕事が忙しくて柚の寝ている間に家を出て柚が寝てから家に帰ってるけど…。
空いた時間はいつもメールと電話をしてるし特に寂しいとも言われていないし柚から感じたことも無い。
「ん…にいさ…おかえり」
「ただいま。服、散らかしたままだったよ?」
「…だって…」
柚の寝ていたところをよく見ると…そこにも服があった。
しかも全部僕のだ。
「こら柚。明日着る服なくなるでしょ」
「…にいさんの匂いないと…意味無いもん」
「自分のじゃダメなの?」
「…やだ。兄さんのがいい…だって兄さんの巣だもん…」
「巣?」
…もしかして…巣作りの事言ってる?
「柚巣作りの意味を知っててやってる?」
「んー…お隣さんから聞いた…赤ちゃん欲しいの…だから巣作りした…偉い?褒めて…」
「……」
据え膳食わぬは男の恥?
…いやでも柚の据え膳はいつもの事だし…。
「…ダメ?」
「ダメじゃないよ。そういうことはもう少し後にと思っていたんだけど…いいよ」
「やった」
「でも柚。巣の材料にネクタイ使うのやめようか。首に巻きついたらどうするの」
「…ネクタイは首に巻くものだよ?」
「引っ掛けたら危ないの。…ほら、おいで」
「ん!!」
柚は僕の腕の中に飛び込むと顔をすりすりと擦り付けた。
「兄さんの匂いだ…」
…おかしいな。
柚の障害のせいでフェロモンの匂いは感じ取れないはずなんだけど。
「くしゅっ」
「…あ、ごめん。まだシャワー浴びてないから…花粉とかホコリついたままだ」
「シャワーやだっ!!兄さんの匂い薄くなっちゃう!!」
「でも…」
「このままがいーの!!…ね、兄さん」
腕にぎゅっと抱きついてきた。
「…しよ?」
「……1日中離してあげないからね?」
「いいもん。兄さんがそばにいてくれるもん」
あ、やっぱり寝てる間に出てくの根に持ってた。
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