竜の花嫁〜最弱回復術師から世界最強の花嫁への道〜

かーにゅ

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本編

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「天使様…これなんですか?」
「せいふくっていう…だって。着せて…ってフィオナが…」

あれ?でも人にお洋服着させるの難しい…僕この服着させてあげられないかも。

「自分でできますよ?」
「おねがい…」

僕は手を離してベッドに戻った。

「して…僕は何をすればいいんでしょうか。天使様のおもちゃ…なのですが」
「わからない…」

おもちゃって何?何するの?

「僕の国でおもちゃとは子供が遊ぶ時に使うものなのですが」
「あそぶ?」

…僕もううっすらとしか覚えてないけどそういえば村長も色々おもちゃくれた気がする。音が鳴るのとか…音が鳴るのとか。

「表向きは番様の玩具としておりますが内容は使用人と同じですわよ。亡国の王子であるあなたには使用人の仕事を覚えていただきます」
「いえ…僕は王子といっても肩書きだけで…末端なので扱いは上級使用人と同じでした。なので人間の国で行っていることでしたら一通りは覚えています」
「あら。人族は未だに差別をしているのね」

…何話してるんだろう。聞こえるんだけどわからない。

フィオナはその子と話しながら何か箱のようなものを開いた。

「何するの…です?」
「薬を塗るんですの。…この王子には敬語を外せてわたくしには外せませんのね。まだダメですか?」
「頑張る…けど…無理…です」

外せたと思ったら口から出ちゃう。考える時はですとか言わないのに…どうして?

「もう…訴えるためとはいえ御身を傷つけるなんて」
「ごめん…なさい」
「毎日だなんて…痛かったでしょう?人間の作った粗雑なガラスなんて」
「…そざつ?」
「作りが甘いんですのよ。番様が引っ掻いた程度で皮膚が引き裂かれてしまうだなんて」
「すみませんでした…」

今度はあの子が謝る番だった。あれ?そういえば僕…あの子の名前知らない。

「…お名前…は?」
「僕は…「番様。もうこの人間に名などありませんわ。番様のものとなった時点で名など消えましたもの」…だそうです」

お名前ないの?じゃあ僕はなんて呼べばいいの?

「…呼べない」
「仮の名を作ればいいんですのよ。番様がお決めになってくださいな」

僕が?…仮の名って…僕の…マリネットって名前みたいな…?
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