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第1笑
11本目(4)結果発表を前に
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「お疲れ様でした!」
控室に司がやってきて、五人に声をかける。笑美が問う。
「……ええっと……」
「はい」
「どうやったかな?」
「いやいやいやいやいやいやいや、今回も最高でしたよ!」
「ほうか……それはなにより。ふう……」
笑美が椅子に深々と座る。司が尋ねる。
「や、やっぱり……」
「ん?」
「大変でしたよね?」
「いやあ、クインテット漫才は見かけたこともほぼないからな……」
「はあ……」
「この大事な場面でこの組み合わせをもってくる司くん、ホンマどうかしてるで」
「す、すみません……」
「せやけれども……」
「え、ええ……」
「セトワラの持つポテンシャルを示せたのは大きいと思うで」
「そ、そうですか……」
「これは前も言ったかもしれんけど……」
「は、はい……」
「こういう経験は必ずや皆の糧になってくるはずや!」
笑美は力強く拳を握りしめる。
「はい……!」
「それはもちろん……」
「ええ……」
「ウチにとってもな……」
「はい!」
「ふふっ……」
笑美が笑顔を浮かべる。
「それでは決勝なんですが……」
「結果発表はまだやろ。急ぎすぎやで」
「ああ、そうか……」
司が頭を掻く。笑美が控室の天井を見ながら呟く。
「人事を尽くして天命を待つって感じやな」
「ふむ……ん?」
「みんな、お疲れ~♪」
礼光を先頭にセトワラのメンバーが控室に入ってくる。
「屋代君、良かったっすよ」
「そうか? どうもありがとう」
江田の言葉に屋代が素直に礼を言う。
「良い先生ぶりだったっす」
「ふむ、担任をイメージしてみたのだが……」
「……強いていうなら、マッチョっぷりがもうちょっとあった方が良かったっすね」
「は?」
「いや、その方がより頼りがいが生まれるというか……」
「頼りがい……」
「そうっす」
「……それは必要なのか?」
「それはそうっす、だってあの場は進路相談でもあるわけっすよね?」
「ああ、そうだな」
「それならその方がよりリアリティが出ると思うっす」
「そこまでのリアリティは求められていないと思うが、次回があったら検討しよう……」
屋代が江田に告げる。
「礼明ちゃん、お疲れ~」
「ああ、礼光ちゃん」
「飲み物飲む?」
「うん」
「じゃあこれ、アイスコーヒー」
礼光が礼明にペットボトルを渡す。
「ありがとう~♪」
受け取った礼明が礼を言う。
「いや~でも、良い産みの母っぷりだったわよ」
「そ、そう……?」
「そうよ~」
「あんまり自分では分からないけどね」
「いや~ビンビンに伝わってきたわ」
「そ、それなら良かったわ……良かったのかしら?」
礼明は首を傾げる。
「良かったに決まってるじゃない!」
「そ、そうね……」
礼明はやや戸惑いながらも礼光に同意する。
「あなた……」
優美が因島に声をかける。因島が自らを指差す。
「あ、拙者でござるか?」
「他に誰がいるの?」
「いや、こ、これは失敬……」
「……小豆」
「はっ」
「お願いしますわ」
「はっ……お嬢様は因島様の貢献ぶりを高く評価されております」
「そ、それはどうも……」
因島が後頭部を抑える。
「それと……」
優美が小豆に耳打ちする。小豆が頷く。
「あの如何にもうだつが上がらない感じが、舞台上でなんとも言えないいい味を醸し出していたとおっしゃっています」
「え……別に極々普通に振る舞ったつもりでござるが……」
「……」
「………」
「…………」
三人の間に沈黙が流れる。優美が口を開く。
「と、とにかくよくやりましたわ!」
「あ、ありがたき幸せ……待てよ、拙者の方が先輩では……?」
うやうやしく頭を下げながら因島は小声でぼそっと呟く。
「お疲れさまデース、チャラ男センパイ」
「あ、ああ、サンキューな、オースティン……」
倉橋がオースティンに応える。
「相変わらず、良いチャラ男っぷりダッタ……」
「そ、そうか? メ、メルシー……」
倉橋が困惑しながらエタンにも応える。
「欧米でもなかなか見ないレベルだったよ♪」
「欧米にチャラ男っていんのか?」
マリサの言葉に倉橋が首を捻る。
「ン?」
「あ、ああ、グラシアス、マリサ」
マリサに対し、倉橋が笑顔を見せる。
「タダ……」
エタンが腕を組んで黙って倉橋を見つめる。
「ん? どうかしたのか?」
「なんでもかんでもSNSで発信するのは如何なものカ……」
「い、いや、それは役の上でのことだから! 勘違いしないでくれよ!」
倉橋が慌てる。オースティンが笑う。
「オーウ、エタンは現実とフィクションの区別がごっちゃになってマース」
「ム……」
「そうそう……」
「まあ、それも無理ないヨ、オースティン」
「確かにそうデース……」
「ど、どういうこったよ、マリサ、オースティン?」
「センパイは如何にも炎上しそうデスカラ……」
「ど、どういうイメージなんだよ!」
「……皆、それぞれに準決勝の出来に手応えを得ているようですね」
「それは結構なことやで」
周囲を見回した司の呟きに笑美がうんうんと頷く。
「後は……」
「ん?」
「決勝に進めるかどうか……」
「そろそろ結果発表の時間やろ……おっ、呼ばれたな、ほな皆行くで!」
笑美が声をかけ、セトワラのメンバーが揃ってステージに向かう。ステージではセトワラの決勝進出が告げられた。終了後、メンバーは喜びながら控室に戻ってくる。司が興奮気味に笑美に対して声をかける。
「やりましたね!」
「ああ、やったな……」
「でも……緊張しましたね」
「お客さんの反応から十分に手応えはあったけどな……実際発表されるまでは正直分からんかった。ドキドキもんやったで」
笑美が苦笑気味に振り返る。
「それでは……皆に一言よろしくお願いします。皆さん、笑美さんに注目して下さい!」
司の言葉を聞いて、皆が笑美に注目する。
「えっと……泣いても笑っても、お笑い甲子園出場までは後一回の舞台を残すだけや。皆、人間やから緊張はすると思う。それはしゃーない。ただ、楽しむ気持ちだけは忘れずに! しっかりと体調を整えて、明日に臨もう!」
「おおっ!」
笑美の言葉にセトワラのメンバーが力強く応える。
控室に司がやってきて、五人に声をかける。笑美が問う。
「……ええっと……」
「はい」
「どうやったかな?」
「いやいやいやいやいやいやいや、今回も最高でしたよ!」
「ほうか……それはなにより。ふう……」
笑美が椅子に深々と座る。司が尋ねる。
「や、やっぱり……」
「ん?」
「大変でしたよね?」
「いやあ、クインテット漫才は見かけたこともほぼないからな……」
「はあ……」
「この大事な場面でこの組み合わせをもってくる司くん、ホンマどうかしてるで」
「す、すみません……」
「せやけれども……」
「え、ええ……」
「セトワラの持つポテンシャルを示せたのは大きいと思うで」
「そ、そうですか……」
「これは前も言ったかもしれんけど……」
「は、はい……」
「こういう経験は必ずや皆の糧になってくるはずや!」
笑美は力強く拳を握りしめる。
「はい……!」
「それはもちろん……」
「ええ……」
「ウチにとってもな……」
「はい!」
「ふふっ……」
笑美が笑顔を浮かべる。
「それでは決勝なんですが……」
「結果発表はまだやろ。急ぎすぎやで」
「ああ、そうか……」
司が頭を掻く。笑美が控室の天井を見ながら呟く。
「人事を尽くして天命を待つって感じやな」
「ふむ……ん?」
「みんな、お疲れ~♪」
礼光を先頭にセトワラのメンバーが控室に入ってくる。
「屋代君、良かったっすよ」
「そうか? どうもありがとう」
江田の言葉に屋代が素直に礼を言う。
「良い先生ぶりだったっす」
「ふむ、担任をイメージしてみたのだが……」
「……強いていうなら、マッチョっぷりがもうちょっとあった方が良かったっすね」
「は?」
「いや、その方がより頼りがいが生まれるというか……」
「頼りがい……」
「そうっす」
「……それは必要なのか?」
「それはそうっす、だってあの場は進路相談でもあるわけっすよね?」
「ああ、そうだな」
「それならその方がよりリアリティが出ると思うっす」
「そこまでのリアリティは求められていないと思うが、次回があったら検討しよう……」
屋代が江田に告げる。
「礼明ちゃん、お疲れ~」
「ああ、礼光ちゃん」
「飲み物飲む?」
「うん」
「じゃあこれ、アイスコーヒー」
礼光が礼明にペットボトルを渡す。
「ありがとう~♪」
受け取った礼明が礼を言う。
「いや~でも、良い産みの母っぷりだったわよ」
「そ、そう……?」
「そうよ~」
「あんまり自分では分からないけどね」
「いや~ビンビンに伝わってきたわ」
「そ、それなら良かったわ……良かったのかしら?」
礼明は首を傾げる。
「良かったに決まってるじゃない!」
「そ、そうね……」
礼明はやや戸惑いながらも礼光に同意する。
「あなた……」
優美が因島に声をかける。因島が自らを指差す。
「あ、拙者でござるか?」
「他に誰がいるの?」
「いや、こ、これは失敬……」
「……小豆」
「はっ」
「お願いしますわ」
「はっ……お嬢様は因島様の貢献ぶりを高く評価されております」
「そ、それはどうも……」
因島が後頭部を抑える。
「それと……」
優美が小豆に耳打ちする。小豆が頷く。
「あの如何にもうだつが上がらない感じが、舞台上でなんとも言えないいい味を醸し出していたとおっしゃっています」
「え……別に極々普通に振る舞ったつもりでござるが……」
「……」
「………」
「…………」
三人の間に沈黙が流れる。優美が口を開く。
「と、とにかくよくやりましたわ!」
「あ、ありがたき幸せ……待てよ、拙者の方が先輩では……?」
うやうやしく頭を下げながら因島は小声でぼそっと呟く。
「お疲れさまデース、チャラ男センパイ」
「あ、ああ、サンキューな、オースティン……」
倉橋がオースティンに応える。
「相変わらず、良いチャラ男っぷりダッタ……」
「そ、そうか? メ、メルシー……」
倉橋が困惑しながらエタンにも応える。
「欧米でもなかなか見ないレベルだったよ♪」
「欧米にチャラ男っていんのか?」
マリサの言葉に倉橋が首を捻る。
「ン?」
「あ、ああ、グラシアス、マリサ」
マリサに対し、倉橋が笑顔を見せる。
「タダ……」
エタンが腕を組んで黙って倉橋を見つめる。
「ん? どうかしたのか?」
「なんでもかんでもSNSで発信するのは如何なものカ……」
「い、いや、それは役の上でのことだから! 勘違いしないでくれよ!」
倉橋が慌てる。オースティンが笑う。
「オーウ、エタンは現実とフィクションの区別がごっちゃになってマース」
「ム……」
「そうそう……」
「まあ、それも無理ないヨ、オースティン」
「確かにそうデース……」
「ど、どういうこったよ、マリサ、オースティン?」
「センパイは如何にも炎上しそうデスカラ……」
「ど、どういうイメージなんだよ!」
「……皆、それぞれに準決勝の出来に手応えを得ているようですね」
「それは結構なことやで」
周囲を見回した司の呟きに笑美がうんうんと頷く。
「後は……」
「ん?」
「決勝に進めるかどうか……」
「そろそろ結果発表の時間やろ……おっ、呼ばれたな、ほな皆行くで!」
笑美が声をかけ、セトワラのメンバーが揃ってステージに向かう。ステージではセトワラの決勝進出が告げられた。終了後、メンバーは喜びながら控室に戻ってくる。司が興奮気味に笑美に対して声をかける。
「やりましたね!」
「ああ、やったな……」
「でも……緊張しましたね」
「お客さんの反応から十分に手応えはあったけどな……実際発表されるまでは正直分からんかった。ドキドキもんやったで」
笑美が苦笑気味に振り返る。
「それでは……皆に一言よろしくお願いします。皆さん、笑美さんに注目して下さい!」
司の言葉を聞いて、皆が笑美に注目する。
「えっと……泣いても笑っても、お笑い甲子園出場までは後一回の舞台を残すだけや。皆、人間やから緊張はすると思う。それはしゃーない。ただ、楽しむ気持ちだけは忘れずに! しっかりと体調を整えて、明日に臨もう!」
「おおっ!」
笑美の言葉にセトワラのメンバーが力強く応える。
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