【第一章完】四国?五国で良いんじゃね?

阿弥陀乃トンマージ

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第一章

第8話(4)姫様の奮戦

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「シ、シモツキ……」

「……三将の無力化を確認」

 ハヅキが機械的な口調で呟く。

「頼みの三将は倒れましたよ?」

「くっ……」

 ナガツキの言葉にカンナは唇を噛む。

「さてと……」

「……」

 両手を広げたナガツキに対し、カンナは馬上で薙刀を構える。

「おや、まだやる気ですか?」

「……黙って命を取られるわけには参りません」

「ふむ、生き物としての生存本能ってやつですかね?」

 ナガツキが顎に手を当てて呟く。

「……わたくしはまだ無傷です」

「この状況ではあまり意味が無いと思いますよ?」

「………」

「……一つ、お伝えします」

 ハヅキが口を開く。

「?」

「先ほど、キサラギ様から伝えられていた……潜伏先でしょうか? 既にそちらにも兵を差し向けました」

「!」

「ですので、そこに逃げ込もうとしても無駄なことです」

「な、なぜ……?」

「私、耳の性能もよいもので。こそこそ話もしっかりと聞こえます」

 ハヅキが耳に手を当てる。

「むう……」

「さすがハヅキちゃん、万事抜かりが無いね~」

「メイドとして当然のことです」

 近寄ってきたナガツキに対し、ハヅキが軽く頭を下げる。

「み、皆の命は保証してもらえないでしょうか?」

「‼」

「カ、カンナ様⁉」

 カンナの言葉に、彼女の周囲にいた兵士たちが驚く。ナガツキがハヅキに尋ねる。

「……どうなの?」

「『殲滅せよ』といった類の指令は承っておりません。投降などはどうぞご自由に」

「そうですか、それを聞いて安心しました……」

 ハヅキの回答にカンナが笑みを浮かべる。

「カ、カンナ様……?」

「皆、三将のことをよろしく頼みます……」

 カンナは周囲を見回して、優しい声色で告げる。

「ど、どうされるおつもりですか?」

「無論、突破口を開きます!」

 カンナは薙刀をナガツキたちに向ける。ナガツキは口笛を鳴らす。

「~♪ なんとも勇ましい限りだね」

「ならば……!」

「むっ!」

 ハヅキが飛びかかり、強烈な蹴りを放つが、カンナが薙刀の柄で防ぐ。

「ほう、薙刀を器用に扱って……さすがでございます……」

「えい!」

「はっ!」

 カンナが押し返すと同時に薙刀を振るうが、ハヅキは後方に飛んでかわす。

「くっ……」

「次は仕留めます……!」

「ふん!」

「むっ⁉」

 カンナが薙刀をかざすと、破裂音がして、ハヅキが後方に吹っ飛ぶ。

「どうです⁉」

「なにもないところで爆発……不意を突かれました。ですが……」

「なっ……」

「まだ動けます……」

 ハヅキが立ち上がったことにカンナは唖然とする。

「ふふっ!」

「! しまっ……」

 ハヅキに気を取られていたところ、ナガツキが空からカンナに襲いかかろうとした。

「もらった!」

「ちぃっ!」

「うおっ⁉ ま、眩しい……」

 カンナが薙刀を横にしてかざすと、薙刀が強い光を放つ。ナガツキは目を覆って、地面に転げまわる。カンナはため息をつく。

「ふう……ん?」

 カンナがハヅキの方に目をやると、ハヅキも目の辺りを抑えていた。

「視覚に異常が発生……」

「ふっ、目が良すぎるのが仇になりましたね……」

「学習しました……しかし、早期に正常な状態へ戻ります」

「ふむ、それは良くない知らせですね……」

「戦闘継続は十分に可能です」

「それはご勘弁を……ここは仕切り直しと行きましょう。それっ!」

 カンナが馬をナガツキたちとは逆方向に走らせる。兵士長が声を上げる。

「カ、カンナ様、我々はどうすれば⁉」

「投降すれば、命までは取られません!」

「し、しかし!」

「ですが、志あるものは!」

「‼」

「三将を連れて、わたくしについてきなさい!」

「ちょっと待った! 逃がさないよ!」

 サツキが快足を飛ばし、カンナに接近してきた。

「せい!」

 カンナが振り向き様に薙刀を上下に振るい、一条の雷を放つ。雷はサツキの体を貫く。サツキは苦しそうに倒れ込む。

「ぐはっ! こ、これがあったか……」

「はあっ!」

 カンナが声を上げる。それからやや間を置いてナガツキが立ち上がる。

「……ようやっと見えてきたぜ! くそっ、姫様め! どこ行った⁉ うん⁉」

 ナガツキは呆然と立ち尽くすハヅキの背中を見つける。

「…………」

「なにをやっている! 早く後を追わないと!」

「どうやってでしょうか?」

「! こ、これは……」

 ナガツキは驚く。地面に無数の大穴が空いていたからである。

「発光などの他に、発掘も出来たのですね……学習しました」

「くっ、まさか地中を逃げるとは! これじゃあ追跡は困難だ!」

 ナガツキが地団駄を踏む。

「さすがは超人の国の姫様といったところだね……発想も常人離れしている」

 サツキが体を起こしながら呟く。

「しかし、どこに逃げたんだ?」

「皆目見当がつきません……」

 ナガツキの問いかけに対しハヅキは首を傾げる。
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