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第1集
第5話(3)文字がエロい
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私は説明する。
「なんというか、文章からにじみ出てきています。エロさが」
「そ、そんなに?」
「ええ、それはもうとめどなく」
「とめどなく⁉」
「ドバドバと」
「ドバドバと⁉」
「これでは……」
「これでは?」
「ちょっと我が社からは出版は出来かねますね」
「び、美少年同士がくんずほぐれつするイラスト集を出していなかったかしら?」
「あれはあくまでも格闘技の技を掛け合っているだけですから」
「あ、あくまでもって……」
「特にそういう意味合いはありません」
「ふ、ふ~ん……」
「ただ、こちらは……」
私はヘレンさんの原稿を指差す。
「こちらは?」
「もう、そういうレベルを超越しています」
「超越している⁉」
「文字が妖艶な形をしています」
「いや、どんな形よ、それ!」
「上手く言えないのですが……」
「普通に文字を書いただけよ!」
「それでも……雰囲気がこう……」
私は両手をもみもみとさせる。
「その手つきは何よ⁉」
「い、いや、すみません……」
私は慌てて手を引っ込める。ヘレンさんは黙る。
「……」
「なんと言えば良いでしょうか……」
「……じゃない」
「え?」
「だってしょうがないじゃない! どうしても醸し出してしまうのよ! 自分の秘めるエロティックさを!」
ヘレンさんが机に突っ伏す。
「ヘ、ヘレンさん……」
「アタシだってエロいのは書きたくないわよ! でも、そういう体質なんだからしょうがないじゃないの!」
「それって体質なんですか?」
「知らないけど!」
「す、すみません……」
「でもアタシは本を書いてみたいのよ! 登場人物同士の心の交流とか、心の機微とか!」
「は、はあ……」
「ダメなの⁉」
ヘレンさんが顔を上げて尋ねてくる。私は腕を組む。
「……」
「どうなの⁉」
「う~ん……」
「う~んじゃなくて!」
「む~ん……」
「いや、そういうことじゃないのよ!」
「悩ましいですね……」
「悩ましいって⁉」
ヘレンさんが体勢を直す。胸がプルンと揺れるのが目に入る。色んな意味で悩ましい……ということは黙っておく。
「……少し落ち着いて下さい」
「ああ……」
「内容に関してですが……」
「ええ……」
「特に問題はありません」
「そうなの?」
「ええ、もちろん、ある程度のブラッシュアップは必要になってくるかとは思いますが……」
「そう……」
「ただ、なんというか……」
「なんというか?」
「繰り返しになってしまいますが……」
「うん?」
「……エロいんですよね」
「だから何よそれ⁉」
「いやらしい感じなんです」
「言い直さなくても良いから!」
「雰囲気がどうしても……」
「じゃあ、お堅い文章にすれば良いの⁉」
「いや、全体的にポップな文体が印象的なので、それを捨てるのは惜しいです……ん?」
その時、私は自分の頭に何かが閃いたような感覚を感じる。またまたこの感覚だ。
「? どうすれば良いの?」
「……内容の見直しでしょうか?」
「内容?」
「はい」
「ストーリーを少し変えるとか?」
「そうですね……」
「ハッピーエンドをビターエンドにしてみる?」
「いえ、それではまだ十分ではありませんね……」
「え?」
「キャラクターを変えてみますか」
「ええ?」
「登場人物を減らしましょうか」
「いや、そんなに多くないでしょう?」
「そこをなんとか」
「じゃ、じゃあ、友人キャラを一人減らす?」
「う~む……」
私は首を傾げる。
「ええ、まさか、もっと減らせって? サブキャラと言えど、これ以上は削れないわよ」
「……メインキャラを削りましょうか」
「はっ⁉ 主役の男女を⁉」
「そうです」
「男女の恋模様が主軸のお話なのよ⁉」
「それがエロに繋がっているのかもしれません。男か女、どちらかに絞りましょう」
「絞るって……それじゃあ話が別のものになっちゃうじゃない!」
「やむを得ません!」
「やむを得るわよ!」
「そこをどうにか」
「……じゃあ、女一人を主人公にするわ。それで良いでしょう?」
「……それではまだ不十分ですね」
「はい?」
「いっそのことジャンルごと変えちゃいましょうか」
「はっ⁉」
「なんというか、文章からにじみ出てきています。エロさが」
「そ、そんなに?」
「ええ、それはもうとめどなく」
「とめどなく⁉」
「ドバドバと」
「ドバドバと⁉」
「これでは……」
「これでは?」
「ちょっと我が社からは出版は出来かねますね」
「び、美少年同士がくんずほぐれつするイラスト集を出していなかったかしら?」
「あれはあくまでも格闘技の技を掛け合っているだけですから」
「あ、あくまでもって……」
「特にそういう意味合いはありません」
「ふ、ふ~ん……」
「ただ、こちらは……」
私はヘレンさんの原稿を指差す。
「こちらは?」
「もう、そういうレベルを超越しています」
「超越している⁉」
「文字が妖艶な形をしています」
「いや、どんな形よ、それ!」
「上手く言えないのですが……」
「普通に文字を書いただけよ!」
「それでも……雰囲気がこう……」
私は両手をもみもみとさせる。
「その手つきは何よ⁉」
「い、いや、すみません……」
私は慌てて手を引っ込める。ヘレンさんは黙る。
「……」
「なんと言えば良いでしょうか……」
「……じゃない」
「え?」
「だってしょうがないじゃない! どうしても醸し出してしまうのよ! 自分の秘めるエロティックさを!」
ヘレンさんが机に突っ伏す。
「ヘ、ヘレンさん……」
「アタシだってエロいのは書きたくないわよ! でも、そういう体質なんだからしょうがないじゃないの!」
「それって体質なんですか?」
「知らないけど!」
「す、すみません……」
「でもアタシは本を書いてみたいのよ! 登場人物同士の心の交流とか、心の機微とか!」
「は、はあ……」
「ダメなの⁉」
ヘレンさんが顔を上げて尋ねてくる。私は腕を組む。
「……」
「どうなの⁉」
「う~ん……」
「う~んじゃなくて!」
「む~ん……」
「いや、そういうことじゃないのよ!」
「悩ましいですね……」
「悩ましいって⁉」
ヘレンさんが体勢を直す。胸がプルンと揺れるのが目に入る。色んな意味で悩ましい……ということは黙っておく。
「……少し落ち着いて下さい」
「ああ……」
「内容に関してですが……」
「ええ……」
「特に問題はありません」
「そうなの?」
「ええ、もちろん、ある程度のブラッシュアップは必要になってくるかとは思いますが……」
「そう……」
「ただ、なんというか……」
「なんというか?」
「繰り返しになってしまいますが……」
「うん?」
「……エロいんですよね」
「だから何よそれ⁉」
「いやらしい感じなんです」
「言い直さなくても良いから!」
「雰囲気がどうしても……」
「じゃあ、お堅い文章にすれば良いの⁉」
「いや、全体的にポップな文体が印象的なので、それを捨てるのは惜しいです……ん?」
その時、私は自分の頭に何かが閃いたような感覚を感じる。またまたこの感覚だ。
「? どうすれば良いの?」
「……内容の見直しでしょうか?」
「内容?」
「はい」
「ストーリーを少し変えるとか?」
「そうですね……」
「ハッピーエンドをビターエンドにしてみる?」
「いえ、それではまだ十分ではありませんね……」
「え?」
「キャラクターを変えてみますか」
「ええ?」
「登場人物を減らしましょうか」
「いや、そんなに多くないでしょう?」
「そこをなんとか」
「じゃ、じゃあ、友人キャラを一人減らす?」
「う~む……」
私は首を傾げる。
「ええ、まさか、もっと減らせって? サブキャラと言えど、これ以上は削れないわよ」
「……メインキャラを削りましょうか」
「はっ⁉ 主役の男女を⁉」
「そうです」
「男女の恋模様が主軸のお話なのよ⁉」
「それがエロに繋がっているのかもしれません。男か女、どちらかに絞りましょう」
「絞るって……それじゃあ話が別のものになっちゃうじゃない!」
「やむを得ません!」
「やむを得るわよ!」
「そこをどうにか」
「……じゃあ、女一人を主人公にするわ。それで良いでしょう?」
「……それではまだ不十分ですね」
「はい?」
「いっそのことジャンルごと変えちゃいましょうか」
「はっ⁉」
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