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『ケース1:Dランク異世界でのまったりとしたスローライフを希望するCランク勇者ショー=ロークの場合』
第5話(1)ごく普通?
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5
「ん……」
俺はズキズキと痛む頭を抑えながら体をベッドから起き上がらせる。ん? ベッド?
「お目覚めのようね」
声のした方に目を向けると、肩にかかるほどの艶のある綺麗な黒髪をなびかせた美人がソファーへ優雅に腰掛けていた。黒のワンピースドレスを着ている。座っていても分かるスタイルの良さと、大胆に開けた胸元から見える形の良いバストとこれまた大胆に切れ目の入ったスカートのスリットからのぞく豊かな太ももに視線ごと吸い込まれそうになるが、俺は慌てて目を逸らしながら尋ねる。
「あ、貴女は……?」
「フフッ、目が覚めたら急にうぶなボーヤみたいになるのね、昨夜とは大違い……」
ゆ、昨夜? ひょっとしてまたまたまたまたなんかあったパターンか、全然記憶に無い……と言っている場合じゃない。スティラたちがいない。大体ここはどこだ? 俺は記憶を呼び起こそうとする。頭が痛む。酒を馬鹿みたいに飲んでしまったのは分かった。
「色々な顔を持つ男……嫌いじゃないわ」
女は爪の手入れを終えると、ソファーからゆっくりと立ち上がり、椅子に座って鏡を見ながら鼻唄まじりに口紅を塗る。少なくとも今の時点ではこの女から俺に対する敵意は感じない。少々落ち着いてきた俺は再び記憶を整理する。
「えっと……」
武芸百般に通じた異色の女ドワーフ、モンドを仲間にした俺たちは当初の目的通り、このメニークランズ地方有数の町へと向かった。数日掛けて到着したこの町の規模はスティラたちから聞いていた話よりもよっぽど大きいもので、町の周囲は厚い壁で覆われており、入口には複数人の門番が厳しく出入りをチェックしていた。俺はもはや都市と言っても差支えないレベルだなという印象を抱いた。一方ルドンナ以外の自分が生まれ育った場所以外についてあまり知らない三人はやや圧倒されたようだった。旅慣れているルドンナに手続きを任せると、順番待ちの為に多少の時間はかかったが、特に問題なく都市に入ることが出来た。既に夕暮れ時であったので、俺たちは最初に目についた宿に宿泊することにして、荷物を置き、腹ごしらえの為、近くの夜の街へ繰り出した。そしてそれなりに繁盛している店に入った。ご飯を食べ、お酒を飲んだ。うん、そこまでは思い出した。
「問題は……」
何故こんな所で寝ているのか、ということだ。俺たちが宿泊の手続きをしたのは二階建てのごく普通の宿屋だ。一方、ここは……ホテルだろうか? 今、自分がいる階数はすぐには把握出来ないが、少なくとも二階建ての建物ではない。窓の外に目をやると、夜と朝の違いはあるとはいえ、昨日見た覚えの無い、見知らぬ風景だ。俺は首を傾げる。
「事情を説明して欲しい?」
女が鏡越しに尋ねてくる。俺は戸惑いながら頷く。
「そ、それは勿論……」
「まず服を着たらどうかしら?」
俺は今更自分の姿を確認する。一糸まとわぬ生まれたままの姿だ。
「どわっ⁉」
俺はシーツで体を隠しながら、ベッドの周りに雑に脱ぎ捨てられていた自分の下着や服を慌てて拾い集め、順番に着ていく。女はそんな俺の滑稽な様子を鏡越しにしばらく眺めた後、笑いながら立ち上がる。
「ほら、勇者さん、剣や盾を忘れちゃ駄目よ?」
女は壁に立て掛けてあった俺の剣と盾を指し示す。
「あ、ああ……すみません」
服や鎧を身に付けた俺は剣と盾を手に取る。それを女は壁にもたれかかりながら、ジッと見つめる。そして、子供に言い聞かせるような口調で話す。
「後は忘れ物はないかしら?」
「え、ええ……それで私は何故こんな所に……?」
「う~ん……上で話すわ」
「はっ?」
「伏せて!」
「え⁉」
俺がきょとんとした瞬間、部屋の扉と廊下側の壁が派手な爆発音とともに吹っ飛ぶ。女が俺を強引に押し倒した為、飛び散った壁の破片などはまともに当たらずに済んだ。そのように冷静に事態を分析しながらも俺の頭はかなり混乱していた。女が叫ぶ。
「立てる⁉ 取りあえず逃げるわよ!」
女は立ち上がり、俺を引き起こす。俺は混乱しつつ部屋の状態を確認して女に問う。
「に、逃げるってどこへ⁉」
爆発による煙がひどく、その姿はまだ見えないが、何者かが俺たちを攻撃してきているということは流石に分かった。その誰かは当然、廊下側から攻撃してきたのであろう。このまま部屋の外に出ても、狙われるだけだ。女は俺の手を引っ張りながら叫ぶ。
「外に決まっているでしょ!」
「ええっ⁉」
女は床に転がっていた何かを右手で拾い、左手で俺の手を引っ張りながら、窓を開け、柵に足を掛けて、躊躇なく飛ぶ。彼女は細腕のわりにはかなり力強く、俺は引っ張られるままに、体を空中に投げだす恰好になる。
「うわあああっ⁉ ……ん?」
一瞬の間が空いて、俺は自分の置かれた状況を確認し、驚愕する。
「と、飛んでいる⁉」
そう、俺は女の後ろで細い箒に跨って、空を飛んでいるのだ。
「あら、飛ぶのは初めて?」
俺の前で両足を揃えた横乗りの姿勢で箒に乗っている女が不思議そうに尋ねてくる。
「初めてではないですが……流石に箒というのは……」
「転生者さんでも珍しいのね、オーソドックスな飛行道具だと思っていたのだけど」
女は微笑を浮かべる。俺は問う。
「勇者とか、転生者とか……私のことをご存知なのですか?」
「そりゃあ勿論ご存知よ、貴方、狙われているもの」
「え、誰に? うおっ⁉」
俺たちの周りで再び爆発が起こる。後ろを振り返ってみると、黒いローブを身に纏い、フードで顔を隠した者が四人、これまた箒に跨って追いかけてくる。
「……あの物騒な連中に」
「な、何者なんですか、奴らは⁉」
「知りたい?」
「し、知りたいに決まっているでしょう!」
「……悪い奴らよ」
「も、もうちょっと具体的に!」
「悪い魔法使い……魔族に与する連中ね」
「魔族に与する⁉ ぬわっ⁉」
俺たちの近くで三度爆発が起こる。女は冷静に話を続ける。
「魔王ザシンに復活して欲しいのは、魔族だけじゃないってことよ」
その時、四度目の爆発が起きる。爆風で箒が揺れる。
「うおっ⁉」
「爆発魔法……威力ばかりで精度が悪いわね、これだから……」
女はスリットの隙間からスカートの中におもむろに手を突っ込む。俺は見てはいけないと思い、顔を逸らす。なにをするつもりだろう、きっと杖かタクトの様なもので反撃の魔法を繰り出してくれるのだろう。そんな俺の予想はあっさりと裏切られた。
「⁉」
女が取り出したのは、杖でもタクトでも無かった。他の世界で何度か見たことがある。拳銃というやつだ。この世界にもあったのか。
「両耳を塞いで!」
女は両手に拳銃を構え、両耳を塞いだ俺の肩越しに二発ずつ発射する。撃ち抜かれた悪い魔法使いたちはあえなく落下していく。
「……やっぱりこっちの方が確実ね」
「あ、貴女は……?」
「私はメラヌ。ごく普通の魔女よ」
メラヌと名乗った女性はそう言って銃口の煙を吹き消し、ウィンクした。
「ん……」
俺はズキズキと痛む頭を抑えながら体をベッドから起き上がらせる。ん? ベッド?
「お目覚めのようね」
声のした方に目を向けると、肩にかかるほどの艶のある綺麗な黒髪をなびかせた美人がソファーへ優雅に腰掛けていた。黒のワンピースドレスを着ている。座っていても分かるスタイルの良さと、大胆に開けた胸元から見える形の良いバストとこれまた大胆に切れ目の入ったスカートのスリットからのぞく豊かな太ももに視線ごと吸い込まれそうになるが、俺は慌てて目を逸らしながら尋ねる。
「あ、貴女は……?」
「フフッ、目が覚めたら急にうぶなボーヤみたいになるのね、昨夜とは大違い……」
ゆ、昨夜? ひょっとしてまたまたまたまたなんかあったパターンか、全然記憶に無い……と言っている場合じゃない。スティラたちがいない。大体ここはどこだ? 俺は記憶を呼び起こそうとする。頭が痛む。酒を馬鹿みたいに飲んでしまったのは分かった。
「色々な顔を持つ男……嫌いじゃないわ」
女は爪の手入れを終えると、ソファーからゆっくりと立ち上がり、椅子に座って鏡を見ながら鼻唄まじりに口紅を塗る。少なくとも今の時点ではこの女から俺に対する敵意は感じない。少々落ち着いてきた俺は再び記憶を整理する。
「えっと……」
武芸百般に通じた異色の女ドワーフ、モンドを仲間にした俺たちは当初の目的通り、このメニークランズ地方有数の町へと向かった。数日掛けて到着したこの町の規模はスティラたちから聞いていた話よりもよっぽど大きいもので、町の周囲は厚い壁で覆われており、入口には複数人の門番が厳しく出入りをチェックしていた。俺はもはや都市と言っても差支えないレベルだなという印象を抱いた。一方ルドンナ以外の自分が生まれ育った場所以外についてあまり知らない三人はやや圧倒されたようだった。旅慣れているルドンナに手続きを任せると、順番待ちの為に多少の時間はかかったが、特に問題なく都市に入ることが出来た。既に夕暮れ時であったので、俺たちは最初に目についた宿に宿泊することにして、荷物を置き、腹ごしらえの為、近くの夜の街へ繰り出した。そしてそれなりに繁盛している店に入った。ご飯を食べ、お酒を飲んだ。うん、そこまでは思い出した。
「問題は……」
何故こんな所で寝ているのか、ということだ。俺たちが宿泊の手続きをしたのは二階建てのごく普通の宿屋だ。一方、ここは……ホテルだろうか? 今、自分がいる階数はすぐには把握出来ないが、少なくとも二階建ての建物ではない。窓の外に目をやると、夜と朝の違いはあるとはいえ、昨日見た覚えの無い、見知らぬ風景だ。俺は首を傾げる。
「事情を説明して欲しい?」
女が鏡越しに尋ねてくる。俺は戸惑いながら頷く。
「そ、それは勿論……」
「まず服を着たらどうかしら?」
俺は今更自分の姿を確認する。一糸まとわぬ生まれたままの姿だ。
「どわっ⁉」
俺はシーツで体を隠しながら、ベッドの周りに雑に脱ぎ捨てられていた自分の下着や服を慌てて拾い集め、順番に着ていく。女はそんな俺の滑稽な様子を鏡越しにしばらく眺めた後、笑いながら立ち上がる。
「ほら、勇者さん、剣や盾を忘れちゃ駄目よ?」
女は壁に立て掛けてあった俺の剣と盾を指し示す。
「あ、ああ……すみません」
服や鎧を身に付けた俺は剣と盾を手に取る。それを女は壁にもたれかかりながら、ジッと見つめる。そして、子供に言い聞かせるような口調で話す。
「後は忘れ物はないかしら?」
「え、ええ……それで私は何故こんな所に……?」
「う~ん……上で話すわ」
「はっ?」
「伏せて!」
「え⁉」
俺がきょとんとした瞬間、部屋の扉と廊下側の壁が派手な爆発音とともに吹っ飛ぶ。女が俺を強引に押し倒した為、飛び散った壁の破片などはまともに当たらずに済んだ。そのように冷静に事態を分析しながらも俺の頭はかなり混乱していた。女が叫ぶ。
「立てる⁉ 取りあえず逃げるわよ!」
女は立ち上がり、俺を引き起こす。俺は混乱しつつ部屋の状態を確認して女に問う。
「に、逃げるってどこへ⁉」
爆発による煙がひどく、その姿はまだ見えないが、何者かが俺たちを攻撃してきているということは流石に分かった。その誰かは当然、廊下側から攻撃してきたのであろう。このまま部屋の外に出ても、狙われるだけだ。女は俺の手を引っ張りながら叫ぶ。
「外に決まっているでしょ!」
「ええっ⁉」
女は床に転がっていた何かを右手で拾い、左手で俺の手を引っ張りながら、窓を開け、柵に足を掛けて、躊躇なく飛ぶ。彼女は細腕のわりにはかなり力強く、俺は引っ張られるままに、体を空中に投げだす恰好になる。
「うわあああっ⁉ ……ん?」
一瞬の間が空いて、俺は自分の置かれた状況を確認し、驚愕する。
「と、飛んでいる⁉」
そう、俺は女の後ろで細い箒に跨って、空を飛んでいるのだ。
「あら、飛ぶのは初めて?」
俺の前で両足を揃えた横乗りの姿勢で箒に乗っている女が不思議そうに尋ねてくる。
「初めてではないですが……流石に箒というのは……」
「転生者さんでも珍しいのね、オーソドックスな飛行道具だと思っていたのだけど」
女は微笑を浮かべる。俺は問う。
「勇者とか、転生者とか……私のことをご存知なのですか?」
「そりゃあ勿論ご存知よ、貴方、狙われているもの」
「え、誰に? うおっ⁉」
俺たちの周りで再び爆発が起こる。後ろを振り返ってみると、黒いローブを身に纏い、フードで顔を隠した者が四人、これまた箒に跨って追いかけてくる。
「……あの物騒な連中に」
「な、何者なんですか、奴らは⁉」
「知りたい?」
「し、知りたいに決まっているでしょう!」
「……悪い奴らよ」
「も、もうちょっと具体的に!」
「悪い魔法使い……魔族に与する連中ね」
「魔族に与する⁉ ぬわっ⁉」
俺たちの近くで三度爆発が起こる。女は冷静に話を続ける。
「魔王ザシンに復活して欲しいのは、魔族だけじゃないってことよ」
その時、四度目の爆発が起きる。爆風で箒が揺れる。
「うおっ⁉」
「爆発魔法……威力ばかりで精度が悪いわね、これだから……」
女はスリットの隙間からスカートの中におもむろに手を突っ込む。俺は見てはいけないと思い、顔を逸らす。なにをするつもりだろう、きっと杖かタクトの様なもので反撃の魔法を繰り出してくれるのだろう。そんな俺の予想はあっさりと裏切られた。
「⁉」
女が取り出したのは、杖でもタクトでも無かった。他の世界で何度か見たことがある。拳銃というやつだ。この世界にもあったのか。
「両耳を塞いで!」
女は両手に拳銃を構え、両耳を塞いだ俺の肩越しに二発ずつ発射する。撃ち抜かれた悪い魔法使いたちはあえなく落下していく。
「……やっぱりこっちの方が確実ね」
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