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『ケース1:Dランク異世界でのまったりとしたスローライフを希望するCランク勇者ショー=ロークの場合』
第10話(1)唐突な温泉
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10
「ぐっ……」
「ショー様!」
俺が目を開けると、心配そうに俺のことを見つめるスティラたちの姿があった。
「ここは……?」
「トウリツ内の救護施設よ」
俺の問いにルドンナが答える。確かにベッドの上に寝ている。そこで俺は大事なことをハッと思い出し、半身をガバっと起き上がらせる。
「あ、あいつは⁉」
「ショ、ショー! 急に起きると傷にさわるよ!」
「もっとも、流石はスティラ殿の回復魔法、もうほとんど完治しているでござるな」
「アパネ、モンド……二人もこっちに来ていたのですか。それで……」
「ダーリンを刺した奴なら、魔女が追い払ってくれたわよ」
俺はアリンが顎をしゃくった先に目をやると、窓際にメラヌが立っていた。
「メラヌ……」
「正直危ないところだったわ、命拾いしたわね、勇者さん」
メラヌが微笑を浮かべる一方、スティラとアリンが沈んだ表情になる。
「わたくしたちは何も出来ませんでした。あまりにも一瞬の出来事で……」
「悔しいけど、全くついていけなかった。あれが『四傑』の一角……噂以上だった……」
「四傑⁉ 私を刺したのは、四傑だったのですか⁉」
俺はアリンに問う。黙り込むアリンの代わりにメラヌが答える。
「そう……四傑の一角、エーディよ」
「あれが四傑……気配にすら気が付かなかった……」
「まだこの段階では四傑は動かないと踏んでいたんだけど、私の見立てが甘かったのと、あいつの気まぐれな性格を計算に入れていなかったわね」
「まるで知ったような口ぶりね?」
「まあ、ちょっとした因縁がね……」
ルドンナの問いに対してメラヌは口を濁す。
「……私はどれ位眠っていたのですか?」
「およそ半日ほどです」
俺の疑問にスティラが答える。
「そうですか……思った程時間は経っていないのですね」
「ボクはホミから随分飛ばしてきたけどね」
「アパネ殿の健脚についていくのはかなり大変でござった……」
「獣人のスピードにそれほど遅れを取らなかった時点でアンタも規格外よ……」
不甲斐ないとばかりに頭を掻くモンドをルドンナが冷ややかに見つめる。
「戦況はどうなっていますか?」
「ホミ、トウリツの両都市、あるいはその周辺地域から魔王軍を押し返すことに成功しました。撃退したというと言い過ぎかもしれませんが……退却させることは出来ました」
スティラが少し微笑みながら説明してくれる。俺は顎に手をやって呟く。
「退却というと……?」
「二つの都市の北の高山にある古の巨城『カダヒ』を中心とした地域に集結しているわ」
俺の呟きにメラヌが答える。アリンが立ち上がる。
「ならば今度はこっちが攻める番ね!」
「へへっ! 気が合うね! ボクもちょうどそう思っていたところだよ!」
「腕が鳴るでござるな!」
アリンの言葉にアパネとモンドが同調する。
「……血気盛んなのは結構なんだけど、事はそう簡単には行かないわ」
メラヌが諭すように話す。アリンが不満を口にする。
「なによ、この間は『これが魔王軍を瓦解させる最大にしておそらく最後の機会!』とかなんとか言っていたじゃないの」
「……事情が変わったの、主に二つの理由で」
「二つの理由?」
俺は首を傾げる。メラヌは俺のベッドに腰を下ろし、真剣な顔つきになって説明する。
「一つ目は同盟軍の反攻体勢が十分に整ってないこと、怪我人が多く出たことで、各々の部隊を再編成する必要があるわ。もちろん、カダヒ城を攻めるにあたっての作戦の立案を初めとした諸々の準備もね。これらはどんなに早くても一週間はかかるわね」
「一週間ですか……再び魔王軍が攻めてくるのでは?」
「使い魔ちゃんたちに調べさせているけど、魔王軍も四傑の腹心的存在を一気に四人も失った影響はかなり大きいみたいよ。また侵攻作戦を企図しているようなのは確かだけど、一週間程の猶予はあるとみていいわ」
「ふむ……ではもう一つの理由は?」
「魔王軍は四傑を中心に本腰を入れてくるでしょう。先の防衛戦において同盟軍もそれなりの強さを示したけど、正直言って分が悪い……そうなってくると、鍵を握る……キーパーソンズは貴方たち、勇者さんご一行よ。あ、一応私も含めてね」
「! 私たちが鍵を握る……」
俺たちの表情に一気に緊張が走る。そんな俺たちを見てメラヌは笑顔を浮かべる。
「……と、いたずらに緊張ばかりさせちゃってもしょうがないわよね、ここは一旦、リラックスしましょう。じゃあ、温泉へレッツゴ~!」
「「「ええっ⁉」」」
驚く俺たちを余所に、メラヌはポンと手を叩いて転移魔法を発動させる。
「……というわけで、温泉でゆっくりしましょう~」
「いや、ここどこなのさ⁉ 流れでなんとなく皆温泉入っちゃっているけど!」
「アパネちゃん、細かいことは気にしない、気にしない♪」
「細かくはないと思いますが……」
「スティラちゃんも難しく考えないで、いいお湯でしょ?」
「え、ええ、それは否定しませんが……」
「かなり精度の高い転移魔法ね……ここまでピンポイントで転移するとは」
「前は慌てていたからね、まあ、おかげさまでアリンちゃんともお近づきになれたけど」
「湯加減も良いし……なにより絶景でござるよ、ルドンナ殿」
「……何も見えないわ」
「ルドンナちゃん、眼鏡外したら?」
「確かにいいお湯だね~でもさ、のんびりしてて良いの?」
「アパネの言う通りです。魔王軍がこちらの想定より早く動き出したら……」
「使い魔たちから逐一報告が入るようにしてあるわ」
「成程、何かあったらすぐに戻れるってわけね……駄目だ、眼鏡拭いてもすぐ曇る……」
「しかし、魔女殿、真の狙いはなんでござろうか?」
「狙い? 単純に裸の付き合いで親睦を深めようって寸法よ」
「……またまた、そんなわけがないでござろう」
「モンドちゃん、武人の勘冴え渡り過ぎ……実は皆に取り組んで貰いたいことがあるわ」
「ボクたちに取り組んでもらいたいこと?」
「詳しくは後で説明するわ。今はこのメニークランズ屈指の名湯を堪能しましょう」
「そういえば、ダーリンはどこ?」
「そっちの岩陰にいるわよ。ねえ、勇者さんもこっちにいらっしゃいな」
「い、いや、そういうわけには!」
「ショ、ショー様⁉ そんな所にいらっしゃったのですか⁉」
「だ、大丈夫です! こちらからは湯気で何も見えませんから!」
「別に見えても良いんだけどね~」
「メ、メラヌさん! からかわないで下さい!」
「はははっ、面白い反応ね、勇者さん」
「面白がらないで下さいよ、全く……ん? 桶? 酒?」
「ああ、桶酒が流れてしまった、どなたか知らんが取ってくれぬか?」
「あ、ああ、はい、どうぞ―――⁉」
「⁉ な、なんだ、貴様⁉ 男⁉ どこから忍び込んだ⁉」
「ええっ⁉」
「……なんかダーリンが揉めてるわよ?」
「ああ、ここは男子禁制の女ハーフリングの島だからね、そりゃあ男を見たら大騒ぎね」
「「「「「えええっ⁉」」」」」
「ぐっ……」
「ショー様!」
俺が目を開けると、心配そうに俺のことを見つめるスティラたちの姿があった。
「ここは……?」
「トウリツ内の救護施設よ」
俺の問いにルドンナが答える。確かにベッドの上に寝ている。そこで俺は大事なことをハッと思い出し、半身をガバっと起き上がらせる。
「あ、あいつは⁉」
「ショ、ショー! 急に起きると傷にさわるよ!」
「もっとも、流石はスティラ殿の回復魔法、もうほとんど完治しているでござるな」
「アパネ、モンド……二人もこっちに来ていたのですか。それで……」
「ダーリンを刺した奴なら、魔女が追い払ってくれたわよ」
俺はアリンが顎をしゃくった先に目をやると、窓際にメラヌが立っていた。
「メラヌ……」
「正直危ないところだったわ、命拾いしたわね、勇者さん」
メラヌが微笑を浮かべる一方、スティラとアリンが沈んだ表情になる。
「わたくしたちは何も出来ませんでした。あまりにも一瞬の出来事で……」
「悔しいけど、全くついていけなかった。あれが『四傑』の一角……噂以上だった……」
「四傑⁉ 私を刺したのは、四傑だったのですか⁉」
俺はアリンに問う。黙り込むアリンの代わりにメラヌが答える。
「そう……四傑の一角、エーディよ」
「あれが四傑……気配にすら気が付かなかった……」
「まだこの段階では四傑は動かないと踏んでいたんだけど、私の見立てが甘かったのと、あいつの気まぐれな性格を計算に入れていなかったわね」
「まるで知ったような口ぶりね?」
「まあ、ちょっとした因縁がね……」
ルドンナの問いに対してメラヌは口を濁す。
「……私はどれ位眠っていたのですか?」
「およそ半日ほどです」
俺の疑問にスティラが答える。
「そうですか……思った程時間は経っていないのですね」
「ボクはホミから随分飛ばしてきたけどね」
「アパネ殿の健脚についていくのはかなり大変でござった……」
「獣人のスピードにそれほど遅れを取らなかった時点でアンタも規格外よ……」
不甲斐ないとばかりに頭を掻くモンドをルドンナが冷ややかに見つめる。
「戦況はどうなっていますか?」
「ホミ、トウリツの両都市、あるいはその周辺地域から魔王軍を押し返すことに成功しました。撃退したというと言い過ぎかもしれませんが……退却させることは出来ました」
スティラが少し微笑みながら説明してくれる。俺は顎に手をやって呟く。
「退却というと……?」
「二つの都市の北の高山にある古の巨城『カダヒ』を中心とした地域に集結しているわ」
俺の呟きにメラヌが答える。アリンが立ち上がる。
「ならば今度はこっちが攻める番ね!」
「へへっ! 気が合うね! ボクもちょうどそう思っていたところだよ!」
「腕が鳴るでござるな!」
アリンの言葉にアパネとモンドが同調する。
「……血気盛んなのは結構なんだけど、事はそう簡単には行かないわ」
メラヌが諭すように話す。アリンが不満を口にする。
「なによ、この間は『これが魔王軍を瓦解させる最大にしておそらく最後の機会!』とかなんとか言っていたじゃないの」
「……事情が変わったの、主に二つの理由で」
「二つの理由?」
俺は首を傾げる。メラヌは俺のベッドに腰を下ろし、真剣な顔つきになって説明する。
「一つ目は同盟軍の反攻体勢が十分に整ってないこと、怪我人が多く出たことで、各々の部隊を再編成する必要があるわ。もちろん、カダヒ城を攻めるにあたっての作戦の立案を初めとした諸々の準備もね。これらはどんなに早くても一週間はかかるわね」
「一週間ですか……再び魔王軍が攻めてくるのでは?」
「使い魔ちゃんたちに調べさせているけど、魔王軍も四傑の腹心的存在を一気に四人も失った影響はかなり大きいみたいよ。また侵攻作戦を企図しているようなのは確かだけど、一週間程の猶予はあるとみていいわ」
「ふむ……ではもう一つの理由は?」
「魔王軍は四傑を中心に本腰を入れてくるでしょう。先の防衛戦において同盟軍もそれなりの強さを示したけど、正直言って分が悪い……そうなってくると、鍵を握る……キーパーソンズは貴方たち、勇者さんご一行よ。あ、一応私も含めてね」
「! 私たちが鍵を握る……」
俺たちの表情に一気に緊張が走る。そんな俺たちを見てメラヌは笑顔を浮かべる。
「……と、いたずらに緊張ばかりさせちゃってもしょうがないわよね、ここは一旦、リラックスしましょう。じゃあ、温泉へレッツゴ~!」
「「「ええっ⁉」」」
驚く俺たちを余所に、メラヌはポンと手を叩いて転移魔法を発動させる。
「……というわけで、温泉でゆっくりしましょう~」
「いや、ここどこなのさ⁉ 流れでなんとなく皆温泉入っちゃっているけど!」
「アパネちゃん、細かいことは気にしない、気にしない♪」
「細かくはないと思いますが……」
「スティラちゃんも難しく考えないで、いいお湯でしょ?」
「え、ええ、それは否定しませんが……」
「かなり精度の高い転移魔法ね……ここまでピンポイントで転移するとは」
「前は慌てていたからね、まあ、おかげさまでアリンちゃんともお近づきになれたけど」
「湯加減も良いし……なにより絶景でござるよ、ルドンナ殿」
「……何も見えないわ」
「ルドンナちゃん、眼鏡外したら?」
「確かにいいお湯だね~でもさ、のんびりしてて良いの?」
「アパネの言う通りです。魔王軍がこちらの想定より早く動き出したら……」
「使い魔たちから逐一報告が入るようにしてあるわ」
「成程、何かあったらすぐに戻れるってわけね……駄目だ、眼鏡拭いてもすぐ曇る……」
「しかし、魔女殿、真の狙いはなんでござろうか?」
「狙い? 単純に裸の付き合いで親睦を深めようって寸法よ」
「……またまた、そんなわけがないでござろう」
「モンドちゃん、武人の勘冴え渡り過ぎ……実は皆に取り組んで貰いたいことがあるわ」
「ボクたちに取り組んでもらいたいこと?」
「詳しくは後で説明するわ。今はこのメニークランズ屈指の名湯を堪能しましょう」
「そういえば、ダーリンはどこ?」
「そっちの岩陰にいるわよ。ねえ、勇者さんもこっちにいらっしゃいな」
「い、いや、そういうわけには!」
「ショ、ショー様⁉ そんな所にいらっしゃったのですか⁉」
「だ、大丈夫です! こちらからは湯気で何も見えませんから!」
「別に見えても良いんだけどね~」
「メ、メラヌさん! からかわないで下さい!」
「はははっ、面白い反応ね、勇者さん」
「面白がらないで下さいよ、全く……ん? 桶? 酒?」
「ああ、桶酒が流れてしまった、どなたか知らんが取ってくれぬか?」
「あ、ああ、はい、どうぞ―――⁉」
「⁉ な、なんだ、貴様⁉ 男⁉ どこから忍び込んだ⁉」
「ええっ⁉」
「……なんかダーリンが揉めてるわよ?」
「ああ、ここは男子禁制の女ハーフリングの島だからね、そりゃあ男を見たら大騒ぎね」
「「「「「えええっ⁉」」」」」
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