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『ケース3:パーティーを追放されてからチート魔法に目覚めて無双、モテモテハーレムライフを送りたい魔法使いユメナムの場合』
第3話(2)平穏を守りたい
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♢
「……まったく、参ってしまったよ……」
「……」
「……あれ? どうかしたのかい?」
僕は心の中で『ポーズ』と唱え、アヤコさんと通信をしている。
「……セクハラです」
「えっ⁉」
「出るとこ出てもよろしいでしょうか?」
「ええっ⁉」
「それでは……」
アヤコさんが通信を切ろうとする。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
「いいえ、待ちません」
「そこを待ってくれ!」
「……なんですか?」
「なんですかはこちらの台詞だよ。いきなりどうしたんだい?」
「それこそこちらの台詞です。おもむろに通信を繋いできたかと思えば、いきなりセクハラトークをかましてくるとは……」
「な、なにがセクハラなんだい?」
僕は戸惑う。
「自覚がないとは……」
「い、いや! なにもそんなことは言っていないはずだ!」
「よく言いますね……やれ、二言目には睾丸だなんだと……」
「あ、ああ……」
「お玉袋ってなんですか?」
「それは僕も気になっている……」
「とにかく、今のご時世、女性に対してその様な発言を繰り返すとは……」
「い、いや、それは違うんだ……」
「ほう、なにが違うのですか? 弁明があるのならば伺いましょう。ちなみにこの通信は録音されていますから。そんなことは言ってないなどという類の逃げは出来ませんよ?」
「えっと、弁明というか……話の流れ的に避けては通れないんだよ」
「睾丸というワードが避けて通れないってどんな話ですか」
「それは……確かに珍妙な話ではあるけど……」
「はい、またセクハラ」
「ええっ?」
「“ちん”みょうとは……まったく油断も隙もありませんね……」
「そ、それは違うだろう!」
僕は思わず声を上げる。
「違う?」
「ああ、ノーカウントだ。とりあえずもう一度落ち着いて聞いてくれ」
「はあ……」
「僕はどうやら全身を水状に出来る魔法を習得したようだ」
「ふむ……」
「自分で、もしくは、他人が念じた武器に形状を変化させることが出来る」
「なるほど……」
「ここまではいいよね?」
僕はアヤコさんに確認する。
「チートスキルではなく、チート魔法に目覚めたということですね」
「チートかどうかはちょっと分からないが、それなりに特殊ではあるね」
「……それで? どうして睾丸うんぬんになるのですか?」
「ああ、この魔法を発動すると、僕は全裸になってしまうんだ」
「露出趣味ですか」
「違う、そうじゃない」
「何が違うのですか」
「その……ちょうど睾丸あたりに力を込められると、形状が変化するようなんだ……」
「何を言っているのですか?」
「事実をありのままに言っているだけだよ。その為、敵に睾丸を掴まれると、敵の武器になってしまうんだ……」
「う~ん……」
「とりあえず、睾丸が何らかのきっかけになっているのだろうという推測がドリームキャストの会議ではなされた」
「……何の推測ですか」
アヤコさんが困惑気味に反応する。
「まあ、僕も正直よく分からないんだが……とにかく、この推測が正しいかどうかを立証する為に、僕を武器として各隊員が使ってみようという話になってね……」
「ほう……」
「ところがだ……」
「ところが?」
「睾丸を触りたくないから隊員たちで僕の押し付け合いが始まってしまってね……それで参ったという話だよ」
「……なんか逆にちょっと嬉しそうじゃないですか?」
「え? い、いや、そんなことは決してないけど……」
「まあ、事情はなんとなく分かりましたが……こちらではどうすることも出来ません」
「そ、そうだよね……」
「とりあえず清潔にしておくしかないのではないでしょうか」
「それはそうだね」
「後は……なにかで覆うとか」
「覆う……なるほど、その手があったか」
「冗談で言ったのですが……すみません、他の方からも通信が入っていますので……」
「あ、ああ、ありがどう」
通信を終えた僕はポーズ状態を解除する。
♢
「あ、いたいた……」
アギさんが僕を見つけて近寄ってくる。
「どうかしましたか?」
「パトロールに行こうか」
「パトロール?」
「うん、アタシについてきて」
「は、はい……」
すたすたと歩くアギさんに僕は慌ててついていく。
「……やあみんな、元気そうだね! え? あれ見てくれたんだ。面白かった? そうか、次も期待していてよ♪」
街を歩いていると、老若男女問わず様々な人たちから声を沢山かけられるが、アギさんはそれらに対して丁寧ににこやかに対応する。
「人気者ですね」
「いや~それほどでもあるよ」
あるのかい。僕は気を取り直して感じたことを告げる。
「アギさんが街の皆さんに元気を与えているんですね……」
「逆だよ、アタシが皆に元気をもらっている。だから皆の平穏を守りたいんだ……」
「そうですか……」
「……さてと、この辺で良いかな……」
アギさんが街の広場で立ち止まる。僕は首を捻る。
「はい?」
「支配人から君のことを武器として使ってみろって言われたんだけどさ。なんだか気が進まなくてね。それで思ったんだけど、君自身が戦闘力を高めれば良いんじゃないかって気付いてさ。さあ、稽古をつけてあげるよ……」
「はい⁉」
アギさんが構えを取る。皆の平穏を守りたいとかなんとか言ってなかったか?
「……まったく、参ってしまったよ……」
「……」
「……あれ? どうかしたのかい?」
僕は心の中で『ポーズ』と唱え、アヤコさんと通信をしている。
「……セクハラです」
「えっ⁉」
「出るとこ出てもよろしいでしょうか?」
「ええっ⁉」
「それでは……」
アヤコさんが通信を切ろうとする。
「ちょ、ちょっと待ってくれ!」
「いいえ、待ちません」
「そこを待ってくれ!」
「……なんですか?」
「なんですかはこちらの台詞だよ。いきなりどうしたんだい?」
「それこそこちらの台詞です。おもむろに通信を繋いできたかと思えば、いきなりセクハラトークをかましてくるとは……」
「な、なにがセクハラなんだい?」
僕は戸惑う。
「自覚がないとは……」
「い、いや! なにもそんなことは言っていないはずだ!」
「よく言いますね……やれ、二言目には睾丸だなんだと……」
「あ、ああ……」
「お玉袋ってなんですか?」
「それは僕も気になっている……」
「とにかく、今のご時世、女性に対してその様な発言を繰り返すとは……」
「い、いや、それは違うんだ……」
「ほう、なにが違うのですか? 弁明があるのならば伺いましょう。ちなみにこの通信は録音されていますから。そんなことは言ってないなどという類の逃げは出来ませんよ?」
「えっと、弁明というか……話の流れ的に避けては通れないんだよ」
「睾丸というワードが避けて通れないってどんな話ですか」
「それは……確かに珍妙な話ではあるけど……」
「はい、またセクハラ」
「ええっ?」
「“ちん”みょうとは……まったく油断も隙もありませんね……」
「そ、それは違うだろう!」
僕は思わず声を上げる。
「違う?」
「ああ、ノーカウントだ。とりあえずもう一度落ち着いて聞いてくれ」
「はあ……」
「僕はどうやら全身を水状に出来る魔法を習得したようだ」
「ふむ……」
「自分で、もしくは、他人が念じた武器に形状を変化させることが出来る」
「なるほど……」
「ここまではいいよね?」
僕はアヤコさんに確認する。
「チートスキルではなく、チート魔法に目覚めたということですね」
「チートかどうかはちょっと分からないが、それなりに特殊ではあるね」
「……それで? どうして睾丸うんぬんになるのですか?」
「ああ、この魔法を発動すると、僕は全裸になってしまうんだ」
「露出趣味ですか」
「違う、そうじゃない」
「何が違うのですか」
「その……ちょうど睾丸あたりに力を込められると、形状が変化するようなんだ……」
「何を言っているのですか?」
「事実をありのままに言っているだけだよ。その為、敵に睾丸を掴まれると、敵の武器になってしまうんだ……」
「う~ん……」
「とりあえず、睾丸が何らかのきっかけになっているのだろうという推測がドリームキャストの会議ではなされた」
「……何の推測ですか」
アヤコさんが困惑気味に反応する。
「まあ、僕も正直よく分からないんだが……とにかく、この推測が正しいかどうかを立証する為に、僕を武器として各隊員が使ってみようという話になってね……」
「ほう……」
「ところがだ……」
「ところが?」
「睾丸を触りたくないから隊員たちで僕の押し付け合いが始まってしまってね……それで参ったという話だよ」
「……なんか逆にちょっと嬉しそうじゃないですか?」
「え? い、いや、そんなことは決してないけど……」
「まあ、事情はなんとなく分かりましたが……こちらではどうすることも出来ません」
「そ、そうだよね……」
「とりあえず清潔にしておくしかないのではないでしょうか」
「それはそうだね」
「後は……なにかで覆うとか」
「覆う……なるほど、その手があったか」
「冗談で言ったのですが……すみません、他の方からも通信が入っていますので……」
「あ、ああ、ありがどう」
通信を終えた僕はポーズ状態を解除する。
♢
「あ、いたいた……」
アギさんが僕を見つけて近寄ってくる。
「どうかしましたか?」
「パトロールに行こうか」
「パトロール?」
「うん、アタシについてきて」
「は、はい……」
すたすたと歩くアギさんに僕は慌ててついていく。
「……やあみんな、元気そうだね! え? あれ見てくれたんだ。面白かった? そうか、次も期待していてよ♪」
街を歩いていると、老若男女問わず様々な人たちから声を沢山かけられるが、アギさんはそれらに対して丁寧ににこやかに対応する。
「人気者ですね」
「いや~それほどでもあるよ」
あるのかい。僕は気を取り直して感じたことを告げる。
「アギさんが街の皆さんに元気を与えているんですね……」
「逆だよ、アタシが皆に元気をもらっている。だから皆の平穏を守りたいんだ……」
「そうですか……」
「……さてと、この辺で良いかな……」
アギさんが街の広場で立ち止まる。僕は首を捻る。
「はい?」
「支配人から君のことを武器として使ってみろって言われたんだけどさ。なんだか気が進まなくてね。それで思ったんだけど、君自身が戦闘力を高めれば良いんじゃないかって気付いてさ。さあ、稽古をつけてあげるよ……」
「はい⁉」
アギさんが構えを取る。皆の平穏を守りたいとかなんとか言ってなかったか?
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