32 / 51
第一章
第8話(3)面々
しおりを挟む
「……皆集まったようだね」
放課後になり、四天王が校庭に顔を揃える。
「話し合いをするんだって?」
白虎が首元を抑えながら尋ねる。青龍が頷く。
「そのように伺っております」
「なんの件でだ?」
「それはご存知のはずでしょう……」
重ねて尋ねる白虎に青龍が淡々と答える。玄武が口を開く。
「まあまあ、ピースフルな話し合いをしようよ~♪」
「へっ、ピースフルね……」
「悪くない提案だと思うが?」
玄武の言葉を鼻で笑う白虎を朱雀が睨む。白虎が笑みを浮かべる。
「そう言いながら、のっけからケンカ腰じゃねえか、井伊谷?」
「そんなつもりはないが」
「雰囲気で丸わかりなんだよ」
白虎が朱雀の方に向き直り、睨み返す。玄武が頭を抱える。
「あ~あ~ちょっとちょっと、二人とも~」
「まあ、結局こうなりますよね……」
青龍が呟く。
「青龍っちもそんなこと言わないでさ~」
「ですが玄武さん……」
「うん?」
「かえって分かりやすくて良いのでは?」
青龍が両手を合わせ、指の骨をポキポキと鳴らす。白虎が笑う。
「おう、やる気満々じゃねえか、本郷」
「この際序列ははっきりさせておいた方が良いですから」
「ふむ……久々に白黒はっきりさせるのも良いかもしれんな」
朱雀が顎をさすりながら呟く。玄武が戸惑う。
「ちょっと、井伊谷ちゃん~」
「笠井くん、やる気がないなら下がっていてくれ」
「おうよ、ケガしたくなかったらな……」
「……いやいや、舐めてもらっちゃあ困るよ?」
朱雀と白虎の言葉に玄武の顔色が変わる。青龍が構える。
「それではいざ尋常に……」
残りの三人も構える。
「「「「勝負! ……って言うか!」」」」
「⁉」
四人がそれぞれある方向に殴りつける。四体に分身していた忍者が一体に戻る。
「ふん……」
白虎が鼻の頭を擦る。
「まさか……気付いていたのか?」
忍者が中性的な声で呟く。朱雀が頷く。
「ああ、僕たちを同士討ちさせようという君の魂胆にはね」
「存外鋭いな……」
忍者が顎に手を当てて頷く。
「何のためにこんなことを?」
「答えるつもりはない」
玄武の問いかけに忍者は首を振る。青龍が右腕を軽く振る。
「それならば……答える気にさせるまでです」
「……」
「はあっ!」
「!」
青龍が勢いよく飛びかかると、忍者は後方に飛んでかわす。それと同時に忍者が拍手をすると、被っていたお面が鬼の面に変わる。そして大量の豆が飛び出し、青龍に当たる。
「くっ! こ、これは!」
「鬼の面、『怒りの豆鉄砲』!」
「ま、豆の量が多くて近寄れない……」
「本郷青龍殿、貴方は完璧に近い『スパダリ』……その質を凌駕するのは圧倒的な量!」
「むう……」
「情けねえな、本郷! アタシが行くぜ!」
「ふん!」
白虎が飛びかかろうとするが、忍者はこれもかわし、それと同時に再び拍手する。被っていたお面がひょっとこの面に変わる。そして、面の口から炎が噴射される。
「なっ⁉」
「ひょっとこの面、『楽しみの焼鉄砲』!」
「ち、この炎の量じゃ、近寄れねえ……」
「扇原白虎殿、貴女の『煽り』に乗るのは危険……ならば先に燃やすまで!」
「ぬう……」
「扇原ちゃん、一本取られた感じかな~? 俺が行くよ!」
「はあ!」
玄武が飛びかかるが、忍者はこれもかわして、同時に拍手する。被っていたお面が狐の面に変わる。そして、大量の水が飛び出し、玄武の体に当たる。
「うおっ⁉」
「狐の面、『哀しみの水鉄砲』!」
「こ、これは……涙?」
「笠井玄武殿、貴方の『パリピ』に調子を狂わせられてはマズい、女の涙で対抗する!」
「参ったね、それは強力な武器だ……」
「感心している場合か、笠井くん! こうなったら僕がいく!」
「せい!」
朱雀が鋭く飛びかかるが、忍者はこれもあっさりかわし、それと同時に拍手する。被っていたお面がおかめの面に変わる。そして、折り紙から衝撃波が飛び出る。
「なっ⁉」
「おかめの面、『喜びの紙鉄砲』!」
「そ、そんなおもちゃで……」
「井伊谷朱雀殿、貴女の『垢バン』はとてもデジタル……ならばこちらはアナログで!」
「ぐ、ぐう……」
四天王が後退を余儀なくされる。忍者が笑う。
「四天王、こんなものだったか……一気に決めさせてもらうとするか」
「待て!」
「‼ 貴様は……」
そこに日光と照美、聡乃が駆け付ける。
「誰だか知らんが、好きにはさせんぞ!」
「何故ここに……? 職員室に呼び出されたはずでは?」
「聡乃から何やら企みが進んでいると聞いてな!」
「! まさか、あの時の女子トイレ……」
「す、すみません、井伊谷さんとの話、聞いちゃいました……」
聡乃が申し訳なさそうに手を挙げる。
「ち、あそこまで存在感を消せるとは……さすがは陰キャ!」
「い、いやあ……」
「聡乃さん、褒めているわけではないと思うわよ」
照れくさそうにする聡乃に、照美が突っ込む。日光が声を上げる。
「四天王が世話になったな、今度は俺が相手だ! 『宙二秒』!」
「! ……面白い」
日光が一瞬で距離を詰めて体をぶつけると、忍者の面が外れ、紫がかったショートヘアーの整った容姿の女性が顔を出した。女性は笑みを浮かべ、日光の方に向き直る。日光が叫ぶ。
「照美! あいつは何者だ⁉」
「出席番号22番、八角花火(はっかくはなび)さんよ……」
放課後になり、四天王が校庭に顔を揃える。
「話し合いをするんだって?」
白虎が首元を抑えながら尋ねる。青龍が頷く。
「そのように伺っております」
「なんの件でだ?」
「それはご存知のはずでしょう……」
重ねて尋ねる白虎に青龍が淡々と答える。玄武が口を開く。
「まあまあ、ピースフルな話し合いをしようよ~♪」
「へっ、ピースフルね……」
「悪くない提案だと思うが?」
玄武の言葉を鼻で笑う白虎を朱雀が睨む。白虎が笑みを浮かべる。
「そう言いながら、のっけからケンカ腰じゃねえか、井伊谷?」
「そんなつもりはないが」
「雰囲気で丸わかりなんだよ」
白虎が朱雀の方に向き直り、睨み返す。玄武が頭を抱える。
「あ~あ~ちょっとちょっと、二人とも~」
「まあ、結局こうなりますよね……」
青龍が呟く。
「青龍っちもそんなこと言わないでさ~」
「ですが玄武さん……」
「うん?」
「かえって分かりやすくて良いのでは?」
青龍が両手を合わせ、指の骨をポキポキと鳴らす。白虎が笑う。
「おう、やる気満々じゃねえか、本郷」
「この際序列ははっきりさせておいた方が良いですから」
「ふむ……久々に白黒はっきりさせるのも良いかもしれんな」
朱雀が顎をさすりながら呟く。玄武が戸惑う。
「ちょっと、井伊谷ちゃん~」
「笠井くん、やる気がないなら下がっていてくれ」
「おうよ、ケガしたくなかったらな……」
「……いやいや、舐めてもらっちゃあ困るよ?」
朱雀と白虎の言葉に玄武の顔色が変わる。青龍が構える。
「それではいざ尋常に……」
残りの三人も構える。
「「「「勝負! ……って言うか!」」」」
「⁉」
四人がそれぞれある方向に殴りつける。四体に分身していた忍者が一体に戻る。
「ふん……」
白虎が鼻の頭を擦る。
「まさか……気付いていたのか?」
忍者が中性的な声で呟く。朱雀が頷く。
「ああ、僕たちを同士討ちさせようという君の魂胆にはね」
「存外鋭いな……」
忍者が顎に手を当てて頷く。
「何のためにこんなことを?」
「答えるつもりはない」
玄武の問いかけに忍者は首を振る。青龍が右腕を軽く振る。
「それならば……答える気にさせるまでです」
「……」
「はあっ!」
「!」
青龍が勢いよく飛びかかると、忍者は後方に飛んでかわす。それと同時に忍者が拍手をすると、被っていたお面が鬼の面に変わる。そして大量の豆が飛び出し、青龍に当たる。
「くっ! こ、これは!」
「鬼の面、『怒りの豆鉄砲』!」
「ま、豆の量が多くて近寄れない……」
「本郷青龍殿、貴方は完璧に近い『スパダリ』……その質を凌駕するのは圧倒的な量!」
「むう……」
「情けねえな、本郷! アタシが行くぜ!」
「ふん!」
白虎が飛びかかろうとするが、忍者はこれもかわし、それと同時に再び拍手する。被っていたお面がひょっとこの面に変わる。そして、面の口から炎が噴射される。
「なっ⁉」
「ひょっとこの面、『楽しみの焼鉄砲』!」
「ち、この炎の量じゃ、近寄れねえ……」
「扇原白虎殿、貴女の『煽り』に乗るのは危険……ならば先に燃やすまで!」
「ぬう……」
「扇原ちゃん、一本取られた感じかな~? 俺が行くよ!」
「はあ!」
玄武が飛びかかるが、忍者はこれもかわして、同時に拍手する。被っていたお面が狐の面に変わる。そして、大量の水が飛び出し、玄武の体に当たる。
「うおっ⁉」
「狐の面、『哀しみの水鉄砲』!」
「こ、これは……涙?」
「笠井玄武殿、貴方の『パリピ』に調子を狂わせられてはマズい、女の涙で対抗する!」
「参ったね、それは強力な武器だ……」
「感心している場合か、笠井くん! こうなったら僕がいく!」
「せい!」
朱雀が鋭く飛びかかるが、忍者はこれもあっさりかわし、それと同時に拍手する。被っていたお面がおかめの面に変わる。そして、折り紙から衝撃波が飛び出る。
「なっ⁉」
「おかめの面、『喜びの紙鉄砲』!」
「そ、そんなおもちゃで……」
「井伊谷朱雀殿、貴女の『垢バン』はとてもデジタル……ならばこちらはアナログで!」
「ぐ、ぐう……」
四天王が後退を余儀なくされる。忍者が笑う。
「四天王、こんなものだったか……一気に決めさせてもらうとするか」
「待て!」
「‼ 貴様は……」
そこに日光と照美、聡乃が駆け付ける。
「誰だか知らんが、好きにはさせんぞ!」
「何故ここに……? 職員室に呼び出されたはずでは?」
「聡乃から何やら企みが進んでいると聞いてな!」
「! まさか、あの時の女子トイレ……」
「す、すみません、井伊谷さんとの話、聞いちゃいました……」
聡乃が申し訳なさそうに手を挙げる。
「ち、あそこまで存在感を消せるとは……さすがは陰キャ!」
「い、いやあ……」
「聡乃さん、褒めているわけではないと思うわよ」
照れくさそうにする聡乃に、照美が突っ込む。日光が声を上げる。
「四天王が世話になったな、今度は俺が相手だ! 『宙二秒』!」
「! ……面白い」
日光が一瞬で距離を詰めて体をぶつけると、忍者の面が外れ、紫がかったショートヘアーの整った容姿の女性が顔を出した。女性は笑みを浮かべ、日光の方に向き直る。日光が叫ぶ。
「照美! あいつは何者だ⁉」
「出席番号22番、八角花火(はっかくはなび)さんよ……」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
貞操逆転世界に転生したのに…男女比一対一って…
美鈴
ファンタジー
俺は隼 豊和(はやぶさ とよかず)。年齢は15歳。今年から高校生になるんだけど、何を隠そう俺には前世の記憶があるんだ。前世の記憶があるということは亡くなって生まれ変わったという事なんだろうけど、生まれ変わった世界はなんと貞操逆転世界だった。これはモテると喜んだのも束の間…その世界の男女比の差は全く無く、男性が優遇される世界ではなかった…寧ろ…。とにかく他にも色々とおかしい、そんな世界で俺にどうしろと!?また誰とも付き合えないのかっ!?そんなお話です…。
※カクヨム様にも投稿しております。内容は異なります。
※イラストはAI生成です
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
旧校舎の地下室
守 秀斗
恋愛
高校のクラスでハブられている俺。この高校に友人はいない。そして、俺はクラスの美人女子高生の京野弘美に興味を持っていた。と言うか好きなんだけどな。でも、京野は美人なのに人気が無く、俺と同様ハブられていた。そして、ある日の放課後、京野に俺の恥ずかしい行為を見られてしまった。すると、京野はその事をバラさないかわりに、俺を旧校舎の地下室へ連れて行く。そこで、おかしなことを始めるのだったのだが……。
キャバ嬢(ハイスペック)との同棲が、僕の高校生活を色々と変えていく。
たかなしポン太
青春
僕のアパートの前で、巨乳美人のお姉さんが倒れていた。
助けたそのお姉さんは一流大卒だが内定取り消しとなり、就職浪人中のキャバ嬢だった。
でもまさかそのお姉さんと、同棲することになるとは…。
「今日のパンツってどんなんだっけ? ああ、これか。」
「ちょっと、確認しなくていいですから!」
「これ、可愛いでしょ? 色違いでピンクもあるんだけどね。綿なんだけど生地がサラサラで、この上の部分のリボンが」
「もういいです! いいですから、パンツの説明は!」
天然高学歴キャバ嬢と、心優しいDT高校生。
異色の2人が繰り広げる、水色パンツから始まる日常系ラブコメディー!
※小説家になろうとカクヨムにも同時掲載中です。
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる