11 / 50
第一幕
第3話(2)ラヴィとの合流
しおりを挟む
「あ、あなたたちは……」
「大人気アニソンユニット『ラヴィ』の皆さん!」
「うおっ⁉」
天がいきなり大声を上げたので俺は驚く。
「ミディアムロングヘアーの貴女は長女の緑谷鶯(みどりだにうぐいす)さん!」
「ど、どうも……」
「ロングヘアーの貴女は次女の緑谷瑠璃(みどりだにるり)さん!」
「あ、どうも……」
「ショートヘアーの貴女は三女の緑谷(みどりだに)ロビンさん!」
「は、はあ……」
「どうしてお三方がここに⁉」
俺が聞く前に天が聞いてしまった。いや、別に良いのだが……。
「それがアタシたちにもなにがなんだか分からないんです……」
鶯さんが困惑気味に答える。
「ウチらが逆に聞きたいくらいだわ……」
瑠璃さんが髪をかき上げながら呟く。
「でも良かったよ、ボクらの知っている人と会えてさ」
ロビンさんが俺に向かって笑顔を見せる。
「……何故俺なんかのことを知っているんですか?」
「え、だって、それは……ねえ?」
ロビンさんが瑠璃さんに視線を向ける。瑠璃さんが頭をかく。
「ま、まあ、それは良いじゃないの」
「? まあ、確かにそれは良いですけど……お三方、『デモリベ』の打ち上げパーティーに参加されていましたよね?」
「ええ、主題歌を担当させてもらいましたから」
俺の問いに鶯さんが答える。
「落雷のようなものが起こったのはご存知ですね?」
「ええ」
「……失礼ですがその時、お手洗いの近くにいましたか?」
「! はい……」
「三人揃っていたわ。一曲披露することになっていたから、最終確認も兼ねてね」
「三姉妹揃って緊張しいなんだよね~」
瑠璃さんとロビンさんが補足してくる。俺に顎に手を当てて頷く。
「なるほど……」
「あの、それがなにか?」
「こちら、アニメーターの橙々木天さん。彼女もあの時お手洗いの近くにいたのです」
俺は天を指し示す。天は頭を軽く下げる。鶯さんが頷く。
「そういえばいらっしゃったような……」
「これはまだ推測の域を出ていないのですが……あの時、お手洗い付近にいた人たちがこの世界に転移してしまったようなのです」
「!」
「なっ⁉」
「マジ⁉」
三人は俺の言葉に驚く。
「アタシたちだけではなかったのですね」
「ええ、そうです」
「そうですか……」
「まさか本当に異世界だとは……」
「ほら~瑠璃姉、やっぱり夢じゃなかったじゃん」
「アンタの勘も変な所で当たるわよね」
「勘って、論理的分析と言ってよ」
ロビンさんが胸を張る。瑠璃さんが呆れ顔になる。
「はいはい……」
「あ~馬鹿にしてるっしょ?」
「よく気付いたわね」
「むー!」
「あなたたちやめなさい……栄光さん、橙々木さん、お二人と出会えて良かったです」
「それはこちらも同じ気持ちです」
「……もしよろしければ、ご同行させてもらえないでしょうか?」
「それは構いませんが……」
「三人ともどこかから逃げてきたみたいなのは気のせいだっぺか?」
ティッペが尋ねる。三人が驚く。
「⁉」
「しゃ、喋った⁉」
「ビビった、ペットかと思ったら……」
「ペットじゃないっぺ!」
「こいつはティッペ、妖怪です」
「妖精だっぺ!」
「妖精? イメージと違うわね……」
「キモカワイイってやつかな?」
「いや~カワイイなんて照れるっぺ~」
ロビンさんの言葉にティッペが照れる。頭のキモについては黙っておこう。
「妖精さんのおっしゃる通り、アタシたちは逃げてきました」
「どこからですか?」
「アタシたちもこの世界に転移?してから戸惑っていたのですが、とにかくお金を稼げなくてはという話になり、この街の路上でライブを行っていたのです」
「ほう……」
「それが目に留まって、酒場やレストランで歌う仕事につくことが出来ました」
「へ、へえ……」
随分ととんとん拍子だな。やはり実力のある人たちは異世界でも関係ないのか……。
「歌の仕事をこなしていたのですが、段々と気味が悪くなってきて……」
「気味が悪くなってきた?」
俺が首を傾げる。鶯さんが話を続ける。
「ええ、お客さんのリアクションです」
「リアクション?」
「そう、なんていうか、感情に乏しいのよ」
「! ほう……」
瑠璃さんの言葉に俺は驚く。俺の抱いた違和感と同じだ。
「基本皆無表情なんだよね~」
ロビンさんが腕を組む。俺はティッペに問う。
「おい、ティッペ、これは……」
「うむ……」
「ああ、ここにいらっしゃったのですね」
「⁉」
黒い修道服のようなものを着た男が両手を広げてこちらに向かって歩いてくる。その背後に三人の鎧を着た女たちがついてくる。
「ダメじゃないの! せっかくリュカ様とわたしたちが歌を聴きにきてあげたっていうのに、逃げ出すだなんて!」
茶髪のショートカットの女が怒る。
「う~ん、スマイルが足りないね~」
金髪のツインテールの女が笑う。
「貴女方も“楽”になりなさい……」
青い髪のロングヘアーの女が涙を拭いながら呟く。
「こ、こいつら……⁉」
俺は身構える。鶯さんたちが俺の後ろにまわる。
「大人気アニソンユニット『ラヴィ』の皆さん!」
「うおっ⁉」
天がいきなり大声を上げたので俺は驚く。
「ミディアムロングヘアーの貴女は長女の緑谷鶯(みどりだにうぐいす)さん!」
「ど、どうも……」
「ロングヘアーの貴女は次女の緑谷瑠璃(みどりだにるり)さん!」
「あ、どうも……」
「ショートヘアーの貴女は三女の緑谷(みどりだに)ロビンさん!」
「は、はあ……」
「どうしてお三方がここに⁉」
俺が聞く前に天が聞いてしまった。いや、別に良いのだが……。
「それがアタシたちにもなにがなんだか分からないんです……」
鶯さんが困惑気味に答える。
「ウチらが逆に聞きたいくらいだわ……」
瑠璃さんが髪をかき上げながら呟く。
「でも良かったよ、ボクらの知っている人と会えてさ」
ロビンさんが俺に向かって笑顔を見せる。
「……何故俺なんかのことを知っているんですか?」
「え、だって、それは……ねえ?」
ロビンさんが瑠璃さんに視線を向ける。瑠璃さんが頭をかく。
「ま、まあ、それは良いじゃないの」
「? まあ、確かにそれは良いですけど……お三方、『デモリベ』の打ち上げパーティーに参加されていましたよね?」
「ええ、主題歌を担当させてもらいましたから」
俺の問いに鶯さんが答える。
「落雷のようなものが起こったのはご存知ですね?」
「ええ」
「……失礼ですがその時、お手洗いの近くにいましたか?」
「! はい……」
「三人揃っていたわ。一曲披露することになっていたから、最終確認も兼ねてね」
「三姉妹揃って緊張しいなんだよね~」
瑠璃さんとロビンさんが補足してくる。俺に顎に手を当てて頷く。
「なるほど……」
「あの、それがなにか?」
「こちら、アニメーターの橙々木天さん。彼女もあの時お手洗いの近くにいたのです」
俺は天を指し示す。天は頭を軽く下げる。鶯さんが頷く。
「そういえばいらっしゃったような……」
「これはまだ推測の域を出ていないのですが……あの時、お手洗い付近にいた人たちがこの世界に転移してしまったようなのです」
「!」
「なっ⁉」
「マジ⁉」
三人は俺の言葉に驚く。
「アタシたちだけではなかったのですね」
「ええ、そうです」
「そうですか……」
「まさか本当に異世界だとは……」
「ほら~瑠璃姉、やっぱり夢じゃなかったじゃん」
「アンタの勘も変な所で当たるわよね」
「勘って、論理的分析と言ってよ」
ロビンさんが胸を張る。瑠璃さんが呆れ顔になる。
「はいはい……」
「あ~馬鹿にしてるっしょ?」
「よく気付いたわね」
「むー!」
「あなたたちやめなさい……栄光さん、橙々木さん、お二人と出会えて良かったです」
「それはこちらも同じ気持ちです」
「……もしよろしければ、ご同行させてもらえないでしょうか?」
「それは構いませんが……」
「三人ともどこかから逃げてきたみたいなのは気のせいだっぺか?」
ティッペが尋ねる。三人が驚く。
「⁉」
「しゃ、喋った⁉」
「ビビった、ペットかと思ったら……」
「ペットじゃないっぺ!」
「こいつはティッペ、妖怪です」
「妖精だっぺ!」
「妖精? イメージと違うわね……」
「キモカワイイってやつかな?」
「いや~カワイイなんて照れるっぺ~」
ロビンさんの言葉にティッペが照れる。頭のキモについては黙っておこう。
「妖精さんのおっしゃる通り、アタシたちは逃げてきました」
「どこからですか?」
「アタシたちもこの世界に転移?してから戸惑っていたのですが、とにかくお金を稼げなくてはという話になり、この街の路上でライブを行っていたのです」
「ほう……」
「それが目に留まって、酒場やレストランで歌う仕事につくことが出来ました」
「へ、へえ……」
随分ととんとん拍子だな。やはり実力のある人たちは異世界でも関係ないのか……。
「歌の仕事をこなしていたのですが、段々と気味が悪くなってきて……」
「気味が悪くなってきた?」
俺が首を傾げる。鶯さんが話を続ける。
「ええ、お客さんのリアクションです」
「リアクション?」
「そう、なんていうか、感情に乏しいのよ」
「! ほう……」
瑠璃さんの言葉に俺は驚く。俺の抱いた違和感と同じだ。
「基本皆無表情なんだよね~」
ロビンさんが腕を組む。俺はティッペに問う。
「おい、ティッペ、これは……」
「うむ……」
「ああ、ここにいらっしゃったのですね」
「⁉」
黒い修道服のようなものを着た男が両手を広げてこちらに向かって歩いてくる。その背後に三人の鎧を着た女たちがついてくる。
「ダメじゃないの! せっかくリュカ様とわたしたちが歌を聴きにきてあげたっていうのに、逃げ出すだなんて!」
茶髪のショートカットの女が怒る。
「う~ん、スマイルが足りないね~」
金髪のツインテールの女が笑う。
「貴女方も“楽”になりなさい……」
青い髪のロングヘアーの女が涙を拭いながら呟く。
「こ、こいつら……⁉」
俺は身構える。鶯さんたちが俺の後ろにまわる。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
むっつり金持ち高校生、巨乳美少女たちに囲まれて学園ハーレム
ピコサイクス
青春
顔は普通、性格も地味。
けれど実は金持ちな高校一年生――俺、朝倉健斗。
学校では埋もれキャラのはずなのに、なぜか周りは巨乳美女ばかり!?
大学生の家庭教師、年上メイド、同級生ギャルに清楚系美少女……。
真面目な御曹司を演じつつ、内心はむっつりスケベ。
クラス転移したら種族が変化してたけどとりあえず生きる
アルカス
ファンタジー
16歳になったばかりの高校2年の主人公。
でも、主人公は昔から体が弱くなかなか学校に通えなかった。
でも学校には、行っても俺に声をかけてくれる親友はいた。
その日も体の調子が良くなり、親友と久しぶりの学校に行きHRが終わり先生が出ていったとき、クラスが眩しい光に包まれた。
そして僕は一人、違う場所に飛ばされいた。
バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します
namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。
マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。
その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。
「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。
しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。
「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」
公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。
前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。
これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。
勇者パーティーを追放されたので、張り切ってスローライフをしたら魔王に世界が滅ぼされてました
まりあんぬさま
ファンタジー
かつて、世界を救う希望と称えられた“勇者パーティー”。
その中で地味に、黙々と補助・回復・結界を張り続けていたおっさん――バニッシュ=クラウゼン(38歳)は、ある日、突然追放を言い渡された。
理由は「お荷物」「地味すぎる」「若返くないから」。
……笑えない。
人付き合いに疲れ果てたバニッシュは、「もう人とは関わらん」と北西の“魔の森”に引きこもり、誰も入って来られない結界を張って一人スローライフを開始……したはずだった。
だがその結界、なぜか“迷える者”だけは入れてしまう仕様だった!?
気づけば――
記憶喪失の魔王の娘
迫害された獣人一家
古代魔法を使うエルフの美少女
天然ドジな女神
理想を追いすぎて仲間を失った情熱ドワーフ
などなど、“迷える者たち”がどんどん集まってくる異種族スローライフ村が爆誕!
ところが世界では、バニッシュの支援を失った勇者たちがボロボロに……
魔王軍の侵攻は止まらず、世界滅亡のカウントダウンが始まっていた。
「もう面倒ごとはごめんだ。でも、目の前の誰かを見捨てるのも――もっとごめんだ」
これは、追放された“地味なおっさん”が、
異種族たちとスローライフしながら、
世界を救ってしまう(予定)のお話である。
辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します
潮ノ海月@2025/11月新刊発売予定!
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる!
トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。
領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。
アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。
だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう
完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。
果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!?
これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。
《作者からのお知らせ!》
※2025/11月中旬、 辺境領主の3巻が刊行となります。
今回は3巻はほぼ全編を書き下ろしとなっています。
【貧乏貴族の領地の話や魔導車オーディションなど、】連載にはないストーリーが盛りだくさん!
※また加筆によって新しい展開になったことに伴い、今まで投稿サイトに連載していた続話は、全て取り下げさせていただきます。何卒よろしくお願いいたします。
勇者召喚の余り物ですが、メイド型アンドロイド軍団で冒険者始めます
水江タカシ
ファンタジー
28歳独身、一般事務の会社員である俺は、勇者召喚に巻き込まれて異世界へと転移した。
勇者、聖女、剣聖――
華やかな肩書きを持つ者たちがもてはやされる中、俺に与えられたのは聞いたこともないスキルだった。
【戦術構築サポートAI】
【アンドロイド工廠】
【兵器保管庫】
【兵站生成モジュール】
【拠点構築システム】
【個体強化カスタマイズ】
王は落胆し、貴族は嘲笑い、俺は“役立たず”として王都から追放される。
だが――
この世界には存在しないはずの“機械兵器”を、俺は召喚できた。
最初に召喚したのは、クールな軍人タイプのメイド型戦闘アンドロイド。
識別番号で呼ばれる彼女に、俺は名前を与えた。
「今日からお前はレイナだ」
これは、勇者ではない男が、
メイド型アンドロイド軍団と共に冒険者として成り上がっていく物語。
屋敷を手に入れ、土地を拠点化し、戦力を増強しながら、
趣味全開で異世界を生きていく。
魔王とはいずれ戦うことになるだろう。
だが今は――
まずは冒険者登録からだ。
転生貴族の領地経営〜現代日本の知識で異世界を豊かにする
初
ファンタジー
ローラシア王国の北のエルラント辺境伯家には天才的な少年、リーゼンしかしその少年は現代日本から転生してきた転生者だった。
リーゼンが洗礼をしたさい、圧倒的な量の加護やスキルが与えられた。その力を見込んだ父の辺境伯は12歳のリーゼンを辺境伯家の領地の北を治める代官とした。
これはそんなリーゼンが異世界の領地を経営し、豊かにしていく物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる