39 / 50
第1章
第10話(2)勇者パーティー大躍進
しおりを挟む
♢
「うおおお⁉ デ、デカいネズミだ⁉」
ギガントラットとの遭遇に小太りの勇者は戸惑う。
「勇者さま、少し落ち着いていただけますか……」
ベルガが眼鏡の縁を抑えながら小太りの勇者を落ち着かせようとする。
「……」
ギガントラットが小太りの勇者パーティーの方に視線を向ける。
「うわあ! こっちを見たぞ!」
小太りの勇者が声を上げる。
「それも当然のこと。いたずらに騒ぐからです」
ベルガが眼鏡をクイっと上げる。
「………」
ギガントラットが小太りの勇者パーティーの方に歩いてくる。
「こ、こっちに迫ってくる!」
「だから落ち着いてください……!」
ベルガがさすがに苛立った様子を見せる。
「うわあ! 逃げろ!」
小太りの勇者が逃げ出す。その走りは遅い。
「……ファインさん、我々が逃げられる確率は?」
「あの巨体でもなかなかのスピードです。馬車を飛ばしてもあっという間に追いつかれてしまうでしょう……」
ベルガの問いにファインが応える。
「ふむ……」
ベルガが立ち止まる。小太りの勇者が驚く。
「お、おい、どうしたんだ⁉」
「迎え撃ちます……」
「む、無茶だ!」
「逃げる方が無茶です」
「…………」
「く、くるぞ⁉」
「見えていますよ……!」
「……!」
ベルガが杖を掲げると、ギガントラットに雷が落ちる。雷の直撃を受けて黒焦げになったギガントラットは力なく倒れ込む。
「……ざっとこんなものです」
ベルガは再び眼鏡をクイっと上げる。
♢
「うおおおお⁉ デ、デカいヤモリだ⁉」
小太りの勇者が驚きの声を上げる。
「……あれが今回のクエストの討伐対象であるメガニュートです。ヤモリではありません、イモリですよ……」
ベルガが極めて冷静に訂正する。
「…………」
メガニュートが大きな舌をニュルっと出して、小太りの勇者パーティーの方にゆっくりと近寄ってくる。
「うわああっ⁉ こっちに来るぞ⁉」
「ヤモリ呼ばわりされて怒ったんじゃないの~?」
「カグラ、そういうアンタは違いが分かるの?」
マイがカグラに問う。
「ヤモリっぽいのがヤモリで、イモリっぽいのがイモリでしょ~」
「イモリが両生類で皮膚呼吸、ヤモリが爬虫類で肺呼吸です……」
「うわあ、さすがユキだね~」
「クラス委員長は伊達じゃないね……」
「委員長はあまり関係ないと思いますが……」
カグラとマイにやけに感心されて、ユキは戸惑う。
「ぺ、ぺちゃくちゃと喋っている場合か!」
小太りの勇者が怒鳴る。
「頭ごなしに怒鳴らないであげてください……お三方にお任せしますよ」
ベルガが優しく語りかける。
「はい! それっ!」
「!」
ユキが光明魔法で光を照らす。目くらましにあったメガニュートが立ち止まる。
「止まればこっちのもんだよ!」
「……‼」
カグラが蒼翠魔法で地面から大量の蔦を生やし、メガニュートの四本足を絡め取る。
「もらった!」
「‼」
マイが紅蓮魔法の応用形で、炎を宿した拳をメガニュートに叩きつける。メガニュートは炎に包まれ、丸焦げになって倒れる。
「よっしゃ! 今夜はご馳走だぜ!」
「イモリは毒があるから食べられませんよ……たくましくなられましたね……」
ベルガがメガニュートの死体を囲んでやいのやいの騒ぐマイたちを見て目を細める。
♢
「うおおおおお⁉ デ、デカいヘビだ⁉」
小太りの勇者が大きな声を上げる。
「……あれが今回のクエストの討伐対象であるスケルトンスネークです……」
ベルガが冷静に説明する。
「……………」
スケルトンスネークが小太りの勇者パーティーの方ににょろにょろと迫ってくる。
「うわあっ! こ、こっちに来るぞ!」
「ええ、それは分かります」
ユキが落ち着いて頷く。
「体が透明なのって結構カッコ良いよね~」
カグラが呑気な声を上げる。
「ヘビなら食べられるよな?」
「……う、う~ん、ああいうモンスターの類はどうなのでしょう?」
マイの問いにユキが首を傾げる。
「火を通せば大体イケるだろ?」
「大雑把ですね……」
マイの言葉にユキが戸惑う。
「お三方、頼もしい限りですが、ここは下がっていてください」
ベルガが声をかける。ユキが頷く。
「わ、分かりました……」
「結構……それではファインさん……」
「ええ……それっ!」
「……⁉」
ファインが小瓶を開けると、そこから大きなフクロウが飛び出した。
「行け! ビッグアウル!」
「…………!」
「⁉」
ビッグアウルがスケルトンスネークを掴み、食べ始める。
「ああ、頭の部分は残しておいてね、ギルドに討伐成功の証拠として持っていくから」
「………………」
ビッグアウルはファインの言うことにきちんと従い、頭以外を食べる。
「ヘビの天敵、猛禽類を出すとは、なんとも的確な判断……」
ベルガが感心する。
「う、うむ、俺の指図通りだ!」
腰を抜かしそうになりながら、小太りの勇者が頷く。
「うおおお⁉ デ、デカいネズミだ⁉」
ギガントラットとの遭遇に小太りの勇者は戸惑う。
「勇者さま、少し落ち着いていただけますか……」
ベルガが眼鏡の縁を抑えながら小太りの勇者を落ち着かせようとする。
「……」
ギガントラットが小太りの勇者パーティーの方に視線を向ける。
「うわあ! こっちを見たぞ!」
小太りの勇者が声を上げる。
「それも当然のこと。いたずらに騒ぐからです」
ベルガが眼鏡をクイっと上げる。
「………」
ギガントラットが小太りの勇者パーティーの方に歩いてくる。
「こ、こっちに迫ってくる!」
「だから落ち着いてください……!」
ベルガがさすがに苛立った様子を見せる。
「うわあ! 逃げろ!」
小太りの勇者が逃げ出す。その走りは遅い。
「……ファインさん、我々が逃げられる確率は?」
「あの巨体でもなかなかのスピードです。馬車を飛ばしてもあっという間に追いつかれてしまうでしょう……」
ベルガの問いにファインが応える。
「ふむ……」
ベルガが立ち止まる。小太りの勇者が驚く。
「お、おい、どうしたんだ⁉」
「迎え撃ちます……」
「む、無茶だ!」
「逃げる方が無茶です」
「…………」
「く、くるぞ⁉」
「見えていますよ……!」
「……!」
ベルガが杖を掲げると、ギガントラットに雷が落ちる。雷の直撃を受けて黒焦げになったギガントラットは力なく倒れ込む。
「……ざっとこんなものです」
ベルガは再び眼鏡をクイっと上げる。
♢
「うおおおお⁉ デ、デカいヤモリだ⁉」
小太りの勇者が驚きの声を上げる。
「……あれが今回のクエストの討伐対象であるメガニュートです。ヤモリではありません、イモリですよ……」
ベルガが極めて冷静に訂正する。
「…………」
メガニュートが大きな舌をニュルっと出して、小太りの勇者パーティーの方にゆっくりと近寄ってくる。
「うわああっ⁉ こっちに来るぞ⁉」
「ヤモリ呼ばわりされて怒ったんじゃないの~?」
「カグラ、そういうアンタは違いが分かるの?」
マイがカグラに問う。
「ヤモリっぽいのがヤモリで、イモリっぽいのがイモリでしょ~」
「イモリが両生類で皮膚呼吸、ヤモリが爬虫類で肺呼吸です……」
「うわあ、さすがユキだね~」
「クラス委員長は伊達じゃないね……」
「委員長はあまり関係ないと思いますが……」
カグラとマイにやけに感心されて、ユキは戸惑う。
「ぺ、ぺちゃくちゃと喋っている場合か!」
小太りの勇者が怒鳴る。
「頭ごなしに怒鳴らないであげてください……お三方にお任せしますよ」
ベルガが優しく語りかける。
「はい! それっ!」
「!」
ユキが光明魔法で光を照らす。目くらましにあったメガニュートが立ち止まる。
「止まればこっちのもんだよ!」
「……‼」
カグラが蒼翠魔法で地面から大量の蔦を生やし、メガニュートの四本足を絡め取る。
「もらった!」
「‼」
マイが紅蓮魔法の応用形で、炎を宿した拳をメガニュートに叩きつける。メガニュートは炎に包まれ、丸焦げになって倒れる。
「よっしゃ! 今夜はご馳走だぜ!」
「イモリは毒があるから食べられませんよ……たくましくなられましたね……」
ベルガがメガニュートの死体を囲んでやいのやいの騒ぐマイたちを見て目を細める。
♢
「うおおおおお⁉ デ、デカいヘビだ⁉」
小太りの勇者が大きな声を上げる。
「……あれが今回のクエストの討伐対象であるスケルトンスネークです……」
ベルガが冷静に説明する。
「……………」
スケルトンスネークが小太りの勇者パーティーの方ににょろにょろと迫ってくる。
「うわあっ! こ、こっちに来るぞ!」
「ええ、それは分かります」
ユキが落ち着いて頷く。
「体が透明なのって結構カッコ良いよね~」
カグラが呑気な声を上げる。
「ヘビなら食べられるよな?」
「……う、う~ん、ああいうモンスターの類はどうなのでしょう?」
マイの問いにユキが首を傾げる。
「火を通せば大体イケるだろ?」
「大雑把ですね……」
マイの言葉にユキが戸惑う。
「お三方、頼もしい限りですが、ここは下がっていてください」
ベルガが声をかける。ユキが頷く。
「わ、分かりました……」
「結構……それではファインさん……」
「ええ……それっ!」
「……⁉」
ファインが小瓶を開けると、そこから大きなフクロウが飛び出した。
「行け! ビッグアウル!」
「…………!」
「⁉」
ビッグアウルがスケルトンスネークを掴み、食べ始める。
「ああ、頭の部分は残しておいてね、ギルドに討伐成功の証拠として持っていくから」
「………………」
ビッグアウルはファインの言うことにきちんと従い、頭以外を食べる。
「ヘビの天敵、猛禽類を出すとは、なんとも的確な判断……」
ベルガが感心する。
「う、うむ、俺の指図通りだ!」
腰を抜かしそうになりながら、小太りの勇者が頷く。
0
あなたにおすすめの小説
【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜
一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m
✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。
【あらすじ】
神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!
そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!
事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます!
カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
MP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
ラストアタック!〜御者のオッサン、棚ぼたで最強になる〜
KeyBow
ファンタジー
第18回ファンタジー小説大賞奨励賞受賞
ディノッゾ、36歳。職業、馬車の御者。
諸国を旅するのを生き甲斐としながらも、その実態は、酒と女が好きで、いつかは楽して暮らしたいと願う、どこにでもいる平凡なオッサンだ。
そんな男が、ある日、傲慢なSランクパーティーが挑むドラゴンの討伐に、くじ引きによって理不尽な捨て駒として巻き込まれる。
捨て駒として先行させられたディノッゾの馬車。竜との遭遇地点として聞かされていた場所より、遥か手前でそれは起こった。天を覆う巨大な影―――ドラゴンの襲撃。馬車は木っ端微塵に砕け散り、ディノッゾは、同乗していたメイドの少女リリアと共に、死の淵へと叩き落された―――はずだった。
腕には、守るべきメイドの少女。
眼下には、Sランクパーティーさえも圧倒する、伝説のドラゴン。
―――それは、ただの不運な落下のはずだった。
崩れ落ちる崖から転落する際、杖代わりにしていただけの槍が、本当に、ただ偶然にも、ドラゴンのたった一つの弱点である『逆鱗』を貫いた。
その、あまりにも幸運な事故こそが、竜の命を絶つ『最後の一撃(ラストアタック)』となったことを、彼はまだ知らない。
死の淵から生還した彼が手に入れたのは、神の如き規格外の力と、彼を「師」と慕う、新たな仲間たちだった。
だが、その力の代償は、あまりにも大きい。
彼が何よりも愛していた“酒と女と気楽な旅”――
つまり平和で自堕落な生活そのものだった。
これは、英雄になるつもりのなかった「ただのオッサン」が、
守るべき者たちのため、そして亡き友との誓いのために、
いつしか、世界を救う伝説へと祭り上げられていく物語。
―――その勘違いと優しさが、やがて世界を揺るがす。
【もうダメだ!】貧乏大学生、絶望から一気に成り上がる〜もし、無属性でFランクの俺が異文明の魔道兵器を担いでダンジョンに潜ったら〜
KEINO
ファンタジー
貧乏大学生の探索者はダンジョンに潜り、全てを覆す。
~あらすじ~
世界に突如出現した異次元空間「ダンジョン」。
そこから産出される魔石は人類に無限のエネルギーをもたらし、アーティファクトは魔法の力を授けた。
しかし、その恩恵は平等ではなかった。
富と力はダンジョン利権を牛耳る企業と、「属性適性」という特別な才能を持つ「選ばれし者」たちに独占され、世界は新たな格差社会へと変貌していた。
そんな歪んだ現代日本で、及川翔は「無属性」という最底辺の烙印を押された青年だった。
彼には魔法の才能も、富も、未来への希望もない。
あるのは、両親を失った二年前のダンジョン氾濫で、原因不明の昏睡状態に陥った最愛の妹、美咲を救うという、ただ一つの願いだけだった。
妹を治すため、彼は最先端の「魔力生体学」を学ぶが、学費と治療費という冷酷な現実が彼の行く手を阻む。
希望と絶望の狭間で、翔に残された道はただ一つ――危険なダンジョンに潜り、泥臭く魔石を稼ぐこと。
英雄とも呼べるようなSランク探索者が脚光を浴びる華やかな世界とは裏腹に、翔は今日も一人、薄暗いダンジョンの奥へと足を踏み入れる。
これは、神に選ばれなかった「持たざる者」が、絶望的な現実にもがきながら、たった一つの希望を掴むために抗い、やがて世界の真実と向き合う、戦いの物語。
彼の「無属性」の力が、世界を揺るがす光となることを、彼はまだ知らない。
テンプレのダンジョン物を書いてみたくなり、手を出しました。
SF味が増してくるのは結構先の予定です。
スローペースですが、しっかりと世界観を楽しんでもらえる作品になってると思います。
良かったら読んでください!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる