タイトル未定

ルカ(聖夜月ルカ)

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side アーサー

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(なんて気持ちの良い森なんだ……)



優しい風が僕の頬を撫で、木の葉の間からは程良い陽の光が差し込む。
小鳥たちは、この楽園のような場所で無邪気におしゃべりをして…



僕はこういう場所が大好きだ。
穏やかで安らげるこのような場所で、本を読んだりのんびりと昼寝をしたり、絵を描いたり、詩を詠んだり…そういう時間が至福の時だと思っている。



満たされた気分の今、僕の心の奥にひっかかっているのは、オスカーのこと。
僕の側近として仕えてくれているオスカーは、僕より5つ年上で兄のような存在だ。
彼のことは誰よりも信頼しているし、個人的にもすごく好きなんだけど、だからといって朝から晩までしかも毎日一緒だとやっぱり少し息が詰まる。
彼が悪いわけじゃない。
そんなことはわかってる。
彼は、自分の使命を果たしているだけだ。



でも、わかっていても、僕は時々どうしてもひとりで行動したくなる。
ほんの数時間で良いんだ。
一人の時間を過ごしたいだけ。



(僕だってそのくらいの自由が欲しい。)



庶民には簡単に手に入るそんな自由がなかなか得られないのは、僕がメリュウス王国の王子だからだ。
王子としての自覚がないわけじゃない。
いつかは、この国をおさめていくんだっていう心積もりだってちゃんとある。
ただ、たまに息抜きをしたいだけなんだ。



僕がひとりで城を抜け出す度に、みんなから叱責を受ける。
なにかあったらどうするのだ!と、それはもう激しい剣幕で。
でも、これまでにも何もなかったんだ。
『なにか』なんて、起きるはずがない。
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