2 / 13
side アーサー
1
しおりを挟む
(なんて気持ちの良い森なんだ……)
優しい風が僕の頬を撫で、木の葉の間からは程良い陽の光が差し込む。
小鳥たちは、この楽園のような場所で無邪気におしゃべりをして…
僕はこういう場所が大好きだ。
穏やかで安らげるこのような場所で、本を読んだりのんびりと昼寝をしたり、絵を描いたり、詩を詠んだり…そういう時間が至福の時だと思っている。
満たされた気分の今、僕の心の奥にひっかかっているのは、オスカーのこと。
僕の側近として仕えてくれているオスカーは、僕より5つ年上で兄のような存在だ。
彼のことは誰よりも信頼しているし、個人的にもすごく好きなんだけど、だからといって朝から晩までしかも毎日一緒だとやっぱり少し息が詰まる。
彼が悪いわけじゃない。
そんなことはわかってる。
彼は、自分の使命を果たしているだけだ。
でも、わかっていても、僕は時々どうしてもひとりで行動したくなる。
ほんの数時間で良いんだ。
一人の時間を過ごしたいだけ。
(僕だってそのくらいの自由が欲しい。)
庶民には簡単に手に入るそんな自由がなかなか得られないのは、僕がメリュウス王国の王子だからだ。
王子としての自覚がないわけじゃない。
いつかは、この国をおさめていくんだっていう心積もりだってちゃんとある。
ただ、たまに息抜きをしたいだけなんだ。
僕がひとりで城を抜け出す度に、みんなから叱責を受ける。
なにかあったらどうするのだ!と、それはもう激しい剣幕で。
でも、これまでにも何もなかったんだ。
『なにか』なんて、起きるはずがない。
優しい風が僕の頬を撫で、木の葉の間からは程良い陽の光が差し込む。
小鳥たちは、この楽園のような場所で無邪気におしゃべりをして…
僕はこういう場所が大好きだ。
穏やかで安らげるこのような場所で、本を読んだりのんびりと昼寝をしたり、絵を描いたり、詩を詠んだり…そういう時間が至福の時だと思っている。
満たされた気分の今、僕の心の奥にひっかかっているのは、オスカーのこと。
僕の側近として仕えてくれているオスカーは、僕より5つ年上で兄のような存在だ。
彼のことは誰よりも信頼しているし、個人的にもすごく好きなんだけど、だからといって朝から晩までしかも毎日一緒だとやっぱり少し息が詰まる。
彼が悪いわけじゃない。
そんなことはわかってる。
彼は、自分の使命を果たしているだけだ。
でも、わかっていても、僕は時々どうしてもひとりで行動したくなる。
ほんの数時間で良いんだ。
一人の時間を過ごしたいだけ。
(僕だってそのくらいの自由が欲しい。)
庶民には簡単に手に入るそんな自由がなかなか得られないのは、僕がメリュウス王国の王子だからだ。
王子としての自覚がないわけじゃない。
いつかは、この国をおさめていくんだっていう心積もりだってちゃんとある。
ただ、たまに息抜きをしたいだけなんだ。
僕がひとりで城を抜け出す度に、みんなから叱責を受ける。
なにかあったらどうするのだ!と、それはもう激しい剣幕で。
でも、これまでにも何もなかったんだ。
『なにか』なんて、起きるはずがない。
0
あなたにおすすめの小説
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
神は激怒した
まる
ファンタジー
おのれえええぇえぇぇぇ……人間どもめぇ。
めっちゃ面倒な事ばっかりして余計な仕事を増やしてくる人間に神様がキレました。
ふわっとした設定ですのでご了承下さいm(_ _)m
世界の設定やら背景はふわふわですので、ん?と思う部分が出てくるかもしれませんがいい感じに個人で補完していただけると幸いです。
使い捨て聖女の反乱
あんど もあ
ファンタジー
聖女のアネットは、王子の婚約者となり、瘴気の浄化に忙しい日々だ。 やっと浄化を終えると、案の定アネットは聖女の地位をはく奪されて王都から出ていくよう命じられるが…。 ※タイトルが大げさですがコメディです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる