深淵に眠る十字架 The second

ルカ(聖夜月ルカ)

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さらなる復讐

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 「では、リッキー、後の事は頼んだぞ。」

 「はい、ベルナール様!」

リッキーは、深深と頭を下げた。



ベルナールは、過分な金を渡して使用人の半分を解雇し、屋敷の管理をリッキーに任せた。
 屋敷をすぐに売りに出さなかったのは、シャールの亡骸のためだった。
 差し当たり早急に金が必要なわけでもないため、万一発見されたとしても、シャールだと判別出来なくなるまでほとぼりをさまそうとベルナールは考えたのだった。



 「オルジェス、どうだ?
 私を連れてロートレアまで移動してみないか?」

 「まだ無理だって。
 一人だってそこまでは無理だ。」

 「そうか…では、何度かに分けて飛んでみるか…」

 「今回は馬車で良いよ。
これから少しずつ練習するから…!」

 「……仕方のない奴だな…」

ベルナールの顔に笑みが毀れた。



 *



 「ベルナール…頼みがあるんだ…」

ガタゴトと揺れる馬車の中で、オルジェスが言いにくそうに切り出した。



 「なんだ?」

 「あの…もしも…なんだが…
もしも、ルークがしくじってても…許してやってほしい!」

その言葉に、ベルナールの返事はすぐには返っては来なかった。



 「オルジェス、あの仕事はルークへの試験だと言ったのを覚えていないのか?」

 「それは…」

 「なら、つまらんことを言うのはやめろ!」

ベルナールに叱責され、オルジェスはただ黙って唇を噛み締める。



 「オルジェス…
ルークと離れたくないのなら、あいつを一人前の男に鍛え上げろと言った筈だ。
おまえはそんなにいいかげんな気持ちであいつを鍛えていたのか?」

 「……そうじゃない…」

 「良いか、オルジェス…
おまえがルークを守りたいなら、あいつを鍛え、おまえ自身もまた強くなるのだ。
 肉体だけではなく、精神的にも…な。」

 「わかってるよ…」

オルジェスは窓の外に視線を移し、流れ行く景色をぼんやりと眺めた。




 「もうすぐ、ロートレアだ。
ルークはもう来ているだろうか…」

ベルナールのその呟きが聞こえなかったかのように、オルジェスは身動き一つしなかった。
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