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復讐の連鎖
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*
「ベルナール…このあたりは……」
ベルナールは、オルジェスの言葉を遮るように顔の間際に片手を立て、じっと目を閉じた。
「どうしたんだ?ベルナール…
まさか、ルキティアの気を……」
しばらくしてベルナールは静かに目を開く。
「感じる……この近くにルキティアの気を……
間違いない!」
「ほ、本当なのか!!」
興奮してベルナールに迫るオルジェスに、ルークは冷やかな視線を向けた。
*
「では、ルーク、私達はこのあたりを探して来る。
悪いが、適当に時間を潰していてくれ。
金はまだあるか?」
「金なんていらないよ。
足りなくなったら、僕は自分で調達する。」
「そうか…では、行って来る。」
宿を出たベルナールとオルジェスは手分けをしてルキティアについての情報を聞いて回る。
以前のルキティアの容姿を伝えても、今ではすっかり風貌の変わったルキティアがみつからないことはベルナールには最初からわかっていたが、それを知りながらもあえて探し歩く。
それは、どんな些細なことであれ、オルジェスに疑惑を感じさせてはまずいという配慮からだった。
「ルキティアって女を知らないか?
茶色の長い髪をした魅力的な女なんだ…!」
「茶色い髪の女ならこの町にもたくさんいるが、ルキティアなんて名前の女は知らねぇな。」
「そうか…ありがとう…」
建ち並ぶ酒場や商店に飛びこみ、すれ違う人々を捕まえては、オルジェスは何度も何度も同じことを繰り返し尋ね続けた。
だが、誰一人としてルキティアのことを知る者はいなかった。
*
「オルジェスーーー!」
手を振りながら駆けて来るベルナールの姿がオルジェスの目に映った。
「ベルナール、どうした?
ルキティアのことが何かわかったのか?」
「そうじゃない…だが、あっちだ。
町のはずれの向こう側に行った時、ルキティアの気が強くなるのをはっきり感じた。
間違いない!
ルキティアは向こう側にいる!」
「じゃあ、すぐに向かおう!」
「その前に、ルークに知らせて来い。
奴だけを置いてはいけん
だろう?」
オルジェスは顔をしかめ、小さく頷くとその場からかき消えた。
(……あと少しだ…トレル…おまえとの再会が楽しみだ…)
「ベルナール…このあたりは……」
ベルナールは、オルジェスの言葉を遮るように顔の間際に片手を立て、じっと目を閉じた。
「どうしたんだ?ベルナール…
まさか、ルキティアの気を……」
しばらくしてベルナールは静かに目を開く。
「感じる……この近くにルキティアの気を……
間違いない!」
「ほ、本当なのか!!」
興奮してベルナールに迫るオルジェスに、ルークは冷やかな視線を向けた。
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「では、ルーク、私達はこのあたりを探して来る。
悪いが、適当に時間を潰していてくれ。
金はまだあるか?」
「金なんていらないよ。
足りなくなったら、僕は自分で調達する。」
「そうか…では、行って来る。」
宿を出たベルナールとオルジェスは手分けをしてルキティアについての情報を聞いて回る。
以前のルキティアの容姿を伝えても、今ではすっかり風貌の変わったルキティアがみつからないことはベルナールには最初からわかっていたが、それを知りながらもあえて探し歩く。
それは、どんな些細なことであれ、オルジェスに疑惑を感じさせてはまずいという配慮からだった。
「ルキティアって女を知らないか?
茶色の長い髪をした魅力的な女なんだ…!」
「茶色い髪の女ならこの町にもたくさんいるが、ルキティアなんて名前の女は知らねぇな。」
「そうか…ありがとう…」
建ち並ぶ酒場や商店に飛びこみ、すれ違う人々を捕まえては、オルジェスは何度も何度も同じことを繰り返し尋ね続けた。
だが、誰一人としてルキティアのことを知る者はいなかった。
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「オルジェスーーー!」
手を振りながら駆けて来るベルナールの姿がオルジェスの目に映った。
「ベルナール、どうした?
ルキティアのことが何かわかったのか?」
「そうじゃない…だが、あっちだ。
町のはずれの向こう側に行った時、ルキティアの気が強くなるのをはっきり感じた。
間違いない!
ルキティアは向こう側にいる!」
「じゃあ、すぐに向かおう!」
「その前に、ルークに知らせて来い。
奴だけを置いてはいけん
だろう?」
オルジェスは顔をしかめ、小さく頷くとその場からかき消えた。
(……あと少しだ…トレル…おまえとの再会が楽しみだ…)
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