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崩れる塔
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*
*
*
(ミロスと共に、朝日の崖へ来い。
他の隊員達にみつからぬようにな。)
すれ違い様、ネストルはソロンの耳元に小さな声で囁いた。
*
「ネストル様!」
「隊員達にはみつからなかっただろうな?」
ネストルは、注意深くあたりを見渡す。
「はいっ!ぬかりはありません。」
「そうか…では時間がないので手短に話すぞ。
先程、皆に話したように、マウリッツが余計なことを言ったせいで、隊員の中に魔導師が潜りこんでいないかを調べられることになった。」
「一体、どうするおつもりですか?
魔女の中には魔導師の持つ魔力を探知する者がおり、その者にかかっては隠し様がありません。」
ネストルはミロスに向かって深く頷いた。
「そのために、おまえ達にここに来てもらったのだ。
良いか、魔導師は隊員の中に潜んでいたのではなく、他にいたことにするのだ。
私は偶然、宿舎の外に何者かがいるのをみつけ外に出た所で襲われた。
そして、おまえ達がその場に駆け付け加勢に入り、魔導師は勝ち目がないとわかるとこの崖から飛び降りた…
そういうことにするのだ。
そうすれば、わざわざ魔女を呼んで調べる必要はなくなる。」
「しかし、ネストル様、死体がないことを不審に思われないでしょうか?
それに、この崖の下を探されでもしたら…」
「大丈夫だ。
この崖を見ろ。
この下に降りようとして死んだトレジャーハンターや隊員は数多い。
その上、この下の探索はすでに終わっている。
わざわざそんな危険を犯してまで死体を捜そうとはすまい。
戦ったという事実を信じこませればそれでうまくいく。
そのために、我々は怪我をするのだ。
それもかすり傷ではだめだ。
怪しまれぬよう、それなりの傷を負ってもらうことになるが、我慢してくれ。
まずはおまえ達が私に傷をつけろ!」
「えっ!」
二人は、ネストルに刃を向けることをさすがに躊躇った。
「何をしている。
私が魔導師を最初にみつけたのだから、私が一番酷い傷を負わなければならん。
急所ははずせよ。
あとは、思いきってやれ!
誰が見ても戦闘の激しさを感じられるように大量の血を流すのだ。」
「で、ですが……」
「これしかおまえ達を守る手だてはないのだ。
迷っている暇はない。
国王達が戻って来る前にやってしまわねばならんのだ。
さぁ、急げ!!」
「ネストル様…」
自分達のことをこれほどにまで考えてくれるネストルに感動しながら、二人はネストルに襲いかかった。
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(ミロスと共に、朝日の崖へ来い。
他の隊員達にみつからぬようにな。)
すれ違い様、ネストルはソロンの耳元に小さな声で囁いた。
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「ネストル様!」
「隊員達にはみつからなかっただろうな?」
ネストルは、注意深くあたりを見渡す。
「はいっ!ぬかりはありません。」
「そうか…では時間がないので手短に話すぞ。
先程、皆に話したように、マウリッツが余計なことを言ったせいで、隊員の中に魔導師が潜りこんでいないかを調べられることになった。」
「一体、どうするおつもりですか?
魔女の中には魔導師の持つ魔力を探知する者がおり、その者にかかっては隠し様がありません。」
ネストルはミロスに向かって深く頷いた。
「そのために、おまえ達にここに来てもらったのだ。
良いか、魔導師は隊員の中に潜んでいたのではなく、他にいたことにするのだ。
私は偶然、宿舎の外に何者かがいるのをみつけ外に出た所で襲われた。
そして、おまえ達がその場に駆け付け加勢に入り、魔導師は勝ち目がないとわかるとこの崖から飛び降りた…
そういうことにするのだ。
そうすれば、わざわざ魔女を呼んで調べる必要はなくなる。」
「しかし、ネストル様、死体がないことを不審に思われないでしょうか?
それに、この崖の下を探されでもしたら…」
「大丈夫だ。
この崖を見ろ。
この下に降りようとして死んだトレジャーハンターや隊員は数多い。
その上、この下の探索はすでに終わっている。
わざわざそんな危険を犯してまで死体を捜そうとはすまい。
戦ったという事実を信じこませればそれでうまくいく。
そのために、我々は怪我をするのだ。
それもかすり傷ではだめだ。
怪しまれぬよう、それなりの傷を負ってもらうことになるが、我慢してくれ。
まずはおまえ達が私に傷をつけろ!」
「えっ!」
二人は、ネストルに刃を向けることをさすがに躊躇った。
「何をしている。
私が魔導師を最初にみつけたのだから、私が一番酷い傷を負わなければならん。
急所ははずせよ。
あとは、思いきってやれ!
誰が見ても戦闘の激しさを感じられるように大量の血を流すのだ。」
「で、ですが……」
「これしかおまえ達を守る手だてはないのだ。
迷っている暇はない。
国王達が戻って来る前にやってしまわねばならんのだ。
さぁ、急げ!!」
「ネストル様…」
自分達のことをこれほどにまで考えてくれるネストルに感動しながら、二人はネストルに襲いかかった。
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