78~運命のカード

ルカ(聖夜月ルカ)

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崩れる塔

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「白き魔導師がわかりませんか?」

 「いえ…そうではなくて…出会ったのが初めてなので…」

ダニエルは、後ろめたさを隠すように作り微笑を浮かべた。



 「そうでしょうね。
 白き魔導師の数は少ないですから…
君は、トレジャーハンターだと聞いていますが、それにしては奇妙な服装をされてますね、
まるで、貴族のような服を着ている…それに、これは…」

そう言いながら、スピロスはディオニシスのカードの入った袋を差し出した。



 「そ、それは…!!」

ディオニシスは表情を変えて袋に手を伸ばし、その痛みに絶叫した。



 「あぁ…無理をしてはいけません。
 大丈夫ですよ。
 中は見ましたが、それだけですから。」

スピロスは、袋をディオニシスに手渡すと、優しく彼の背中をさすった。
さすられる度に、ディオニシスの刺すような痛みが、徐々におさまっていく。



 「それは魔女のカードですね?
 君がそんなカードを持ってること自体不思議ですが…それはそんなに大切なものなのですか?」

 「こ、これは、は…母の形見なんです。」

ディオニシスはその場を取り繕うため、嘘を吐いた。



 「そうでしたか…
それで、首から下げていたのですね。」

スピロスの納得した様子に、ディオニシスはほっと胸を撫で下ろす。



 「スピロス、どうかし…
おや、あんた、気が付いたのかい!」

ディオニシスの絶叫を聞き付けたアドニアが駆け付け、意識を取り戻したディオニシスを見て驚いたような表情を浮かべる。



 「ええ、今しがた…
彼はとても生命力の強い青年です。
ただ…いささか記憶を失っているようです。
ダニエル…この人はこの店の女主人・アドニア。
 君の命の恩人ですよ。」

 「何言ってんだい。
 命を救ったのは。あんたじゃないか。
それに、デニスとキリスがあんたをここに連れて来てくれたおかげだよ。
あたしは、この場所を提供しただけさ。
とにかく良かったよ、気が付いて。
……それにしても、記憶を失ってるって…
あんた、何も覚えてないのかい?」

 
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