78~運命のカード

ルカ(聖夜月ルカ)

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 「そんなこと言ったって、あたしにはどうにも出来ないよ。
あの金は、トレジャー・ハンターが持ってったんだから…」

 「俺があんたにいくら払ったと思ってるんだ!
それに、やっと買い手も決まったところだったんだ。
それなのに、あいつらと来たら、あの腕輪を持って行きやがって…
畜生!!」

 「あんたの気持ちはわかるけど、それをあたしに言って来るのはお門違いってもんだよ。
なんとか交渉して返してもらうか、金をもらうようにすることだね。」

 「あんな腕輪…買い取らなきゃ良かった……!」

 北の町の道具屋は、吐き捨てるようにそう言うと、グラスの酒をぐいと飲みほした。



 *



 「あぁ~あ…
気の滅入る客ばかりでいやになるよ。」

 「……災難でしたね。
でも、あのご主人もわかってはいるんだと思いますよ。
 腕輪のことをあなたに言ったところで、どうにもならないことは…
でも、誰かにぶつけないとどうしようもなかったんでしょうね。」

スピロスは、ついさっきまで道具屋の男が座っていた椅子を、切ない眼差しでみつめた。



 「……だろうね。
 考えてみりゃあ気の毒な男だよ。
あの分なら本当に店を畳むことになるかもしれないね。
もう少し早く買い手がついてたら、良かったのに。
いや、腕輪のことをやつらに馬鹿正直に話したのが悪いんだ。
 黙ってりゃあ良かったのに……」

 「本当にそうですね。
それにしても、警備隊があんなに懸命に探してるとは…ダニエルは、一体、どういう身分の者なんでしょう?」

 「さぁね…相当名のある家の子かもしれないね。
とにかくダニエルが生きてることだけは誰にもバレないようにしないとね。」

 「そうですね……」

 
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