78~運命のカード

ルカ(聖夜月ルカ)

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 「では、私はこれで……」

 「ありがとうございました。」

 男は、魔女に言葉を書けると、その場から掻き消えた。



スピロスが連れて来られたのは、町はずれの小さな家だった。
 魔女は、スピロスの両手を縛った縄を解いた。



 「あの……」

 困惑するスピロスに、魔女は椅子に座るように促した。



 「あなたは白き魔導師…違いますか?」

 「え……?気付いてらっしゃったんですか?」

 「ええ……」

 「では、なぜそのことを言わなかったんですか?」

 「あなたにお願いしたいことがあったからです。」

 「お願い…?」

 魔女は、スピロスを奥の部屋に案内した。
 薄暗い部屋には寝台があり、そこに痩せた男が横たわっていた。



 「アーロン……」

 「サーシャ…誰だ、その人は…」

 男は力なく開いた瞳で、スピロスを一瞥した。



 「彼は私の夫です。
 半年前のある時、崖から落ちて…
幸い命はとりとめたのですが、以来、全身が動かなくなってしまったのです。」

 「……そういうことか……」

 不意に響いた声に、スピロスと魔女は振り向いた。



 「アレク!それにレイリーじゃないか!」

 「良かったな、スピロス…
まさか、こんな幸運があろうとは…」

 「あなたたちは一体…」

アレク達は居間に戻り、スピロスを助けるために動いていたことを簡単に説明した。



 「そうだったんですか。
 私も、白き魔導師に合うのは初めてのこと…ですから、自信はなかったのです。
でも、もしも、この方が本当に白き魔導師だとしたら…
私は藁にもすがる想いだったのです。」

 「ありがとう、あなたの機転のおかげで僕は助かりました。
 僕にどこまでのことが出来るかわかりませんが、出来るだけのことはやってみます。」

 「本当ですか!
あ、ありがとうございます!」

 魔女・サーシャは、スピロスの手を取り、感激の涙を流した。
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