あれこれ短編集

ルカ(聖夜月ルカ)

文字の大きさ
52 / 406
年明け島にようこそ!

しおりを挟む




「畜生!
集まったのは、たったこれっぽっちかよ!」

高台に佇み、双眼鏡をのぞきこみながらミカエルは悔しげに舌を打つ。



「ねぇ、ミカエル~
早くパワースポットに連れて行ってよ。」

「馬鹿野郎!
ここには危険な猛獣もいるんだぞ!
だから、そういうのがいないかちゃん調べてからじゃないと危険だろうが!」

「そ、そうなの?」

カパエルの顔は俄かに不安な表情へと変わり、あたりをきょろきょろと見渡した。



(なんで、皆、来ないんだ?
宝が何かわからないからか?
こんなことなら、もっと具体的な宝を書いておけば良かったぜ!)



ミカエルがある道具屋で古文書をみつけたのは数日前のことだった。
城の学者に解読させた所、新年の太陽が昇り、沈むまでの間にしか姿を表さない伝説の年明け島の場所が書かれてあり、その島には他に類を見ないたいそう素晴らしい宝があるということだった。
その島がどのくらいの大きさなのかはわからなかったが、いくら小さな島だといってもそんな短時間で探し出せるとは思えず、出来る事なら国の者にも知られたくはなかったミカエルは、他の物語の者達を利用することを思い着いた。
他の物語の者達とはそう懇意にすることもなく、出会う機会も滅多にない。
誰かに宝を探し出させ、それを横取りしてとんずらする…
一応、それなりの変装はするつもりだったが、たとえ自分の正体がバレたところでそんなことはどうでも良いことだとミカエルは考えていた。
そして、その他にももう一つ、ミカエルには黒い企みがあった。
それは、カパエルを島に置き去りにする事…



(カパエルがいなくなったら、アンジェリーナは俺のものだ!
奴が行方不明になって、心細くなった所へ俺が優しく言い寄って…)


ミカエルの脳内にお馬鹿な妄想が浮かび上がる…



「ミカエル様、私、これからどうしたら良いのか…」

「心配することはありませんよ、アンジェリーナ…
私がこの命に代えても、国とあなたのことを御守りします!」

「ミカエル様、本当ですか?」

「ええ、もちろんです!」

「ミカエル様!」



(俺は、アンジェリーナの身体を抱き締め、あの柔らかな唇にチューをして、そして……
あぁぁ…あの巨乳がついに俺のものになるんだ…!)

ミカエルは目を閉じて唇を突き出し、両手で自分の身体を抱き締めた。



「……ミカエル…何してるの?」



「はっ!?
な、な、なんでもない!」

カパエルの声で我に返ったミカエルは、咄嗟に髪をかきあげ、素知らぬ顔を決めこんだ。 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

夫婦交換

山田森湖
恋愛
好奇心から始まった一週間の“夫婦交換”。そこで出会った新鮮なときめき

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...

MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。 ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。 さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか? そのほかに外伝も綴りました。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

彼の言いなりになってしまう私

守 秀斗
恋愛
マンションで同棲している山野井恭子(26才)と辻村弘(26才)。でも、最近、恭子は弘がやたら過激な行為をしてくると感じているのだが……。

上司、快楽に沈むまで

赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。 冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。 だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。 入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。 真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。 ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、 篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」 疲労で僅かに緩んだ榊の表情。 その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。 「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」 指先が榊のネクタイを掴む。 引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。 拒むことも、許すこともできないまま、 彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。 言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。 だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。 そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。 「俺、前から思ってたんです。  あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」 支配する側だったはずの男が、 支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。 上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。 秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。 快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。 ――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

(完)百合短編集 

南條 綾
恋愛
ジャンルは沢山の百合小説の短編集を沢山入れました。

処理中です...