あれこれ短編集

ルカ(聖夜月ルカ)

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僕の大切な黒猫

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しばらくして、茂みからゆうゆうと出て来た兄さんを見ると、なんだか無性におかしくなって……僕は、噴き出しそうになるのをぐっと堪えた。

笑えないよね。
こんなことになったのは、全部僕のせいなんだから。

これからはもっと気を遣ってあげなきゃ…
兄さんは、慣れない猫生活で、きっと、不便を感じてるはずだから。







「おまえがこんなに頑固だとは思わなかったぞ!」



あれから三週間程が経った頃……ついに、父さんの方が折れ、兄さんを飼うことを許してくれた。
もちろん、面倒は僕が全部みることを約束させられたけど、そんなことは言われなくてもわかってる。

父さんがこんなに早く許してくれるとは考えてもみなかった。
ここのところ、父さん達とはほとんど顔を合わせなかったのも、効いたのかな?

だけど、良いことばかりじゃない。
良くないこともあるんだ。
それは、ロザリオがみつからないこと。
あれから僕と兄さんはずっとロザリオを探したというのに、一向にみつからないんだ。
けっこう範囲を広げて探したのに、どこにもないんだからわけがわからない。

イノシシや他の小動物が畑にやってきて、畑をあらすことはあるけれど、まさか、ロザリオを食べるはずはない。
ジャック・オ・ランタンはついてたけど、あれはかぼちゃで作られたものではなかった。
それに、万一、小動物が食べようとしたとしても、鎖の部分が残るはずだ。



「大丈夫だよ、兄さん。
今度のハロウィンまでにはまだまだあるんだ。
それまでには絶対にみつけるから。」

兄さんはただ黙って頷いた。
なんだか、このごろの兄さんは猫が板についてきたというのか、僕が見なれただけなのかもしれないけど、どんどん猫っぽくなって来てる気がする。



(可哀相な兄さん……
苦労かけてごめんね…でも、絶対に探し出すから…!) 
 
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