あれこれ短編集

ルカ(聖夜月ルカ)

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終わりなき旅立ち

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「一番良いタイミング?
逆じゃないの?
一番、悪いタイミングじゃないかしら?
……あなたが、ここに現れなければ、私は楽になれたのよ!
もう私には耐えられないの。
私は今まであなたが知らないような苦しいことばっかりだったわ!
辛い事、苦しいことばっかりだった…」

「君は良いの?そんなので良いの?」

「え………?」

「苦しいことや辛い事だけで終わってしまっていいのかい?
君はそれで悔しくないの?
世の中には幸せで、毎日楽しく微笑んで生きてる人がいっぱいいるのに、君は不幸で哀しい事ばかりを体験したままで、それでこの人生を終わらせて悔しくないの?」

「……そ…そりゃあ、悔しいわ…
でも…このまま生きててもどうせ、同じだもの…
なにもいいことなんてないんだもの!」

「本当に君はわかってないねぇ…」

「何のこと?」

「君はみつけたじゃないか…
特別な四葉のクローバーを…!
ついに、神様がプレゼントを下さったのさ!
……これまでの君がどんなに辛い人生を歩んで来たのか、僕にはわからない。
でも、それはもう終わったんだよ。
これからは今まで味わった不幸の分、幸せばかりが続くのさ!」

見知らぬ青年の言葉に、ジョゼットの心は救われた。



「あなたって…ものすごい楽天家ね。
よくもそんな夢みたいなことが言えるもんだわ!」

ジョゼットは溢れる涙を拭う…
しかし、それは、悲しい時の涙ではない。
その顔には微笑みが浮かんでいたのだから…



「夢なんかじゃないよ。
なんたって僕は幸せの四葉の王子様なんだから!
あ、僕の名前はローラン。
この先の家に一人で住んでるんだ。」

「まぁ、王子様なのに、一人で暮らしてるの?」

「僕は、こう見えてもけっこう気難しいんだ!」

「じゃあ、王子様、私をメイドにしてみませんか?」

「だめだね。君はメイドには向いて無さそうだ!」

「……そう…」

ローランの期待外れの言葉に、ジョゼットは、柄にもなくふざけたことを後悔した。



「……メイドはだめだけど…王女様には向いてるかもしれないな…」

「……え……!?」

「やっぱり、王子様には王女様がついてないと絵にならないよね!
……さ、行こうか…!」

「ええっ!?」

ローランに手をひかれ、ジョゼットは黙ってついていく…



(本当におかしな人…
でも、なぜかしら…?
この人といると、不思議なくらい安心出来るわ…)



ジョゼットはその後も追っ手にみつかることはなく、それからの二人は末永く幸せに暮らすことが出来た。
そして、「素晴らしい人生だった」と心の底から感じる事が出来、また新たな旅に出た。
 何度体験しても終わることのない素晴らしい旅に……

 
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