229 / 406
イヴの奇跡
3
しおりを挟む
(……帰ろう…早く帰ってゆっくり寝て……
年が明けたら、心療内科ってとこに行ってみよう。)
私がゆっくり回れ右をすると……
『おいおい、話しかけたのはおまえの方だろ。
なんで帰るんだよ。』
「なんでって、そりゃあ…」
つい振り返ってしまったけれど、そこにいるのはやっぱりさっきのとなかいだけで……
『心配すんなって。
お前は別におかしくない。
まぁ、信じられないのも無理はないけどな。
でも、これは現実だ。
おいらは特別なとなかいなんだ。』
そんなこと言われても、はいそうですかと納得できるはずはない。
だって、となかいと人間が話せるはずなんて……
『テレパシーっていうのを聞いたことあるだろ?
動物の言葉がわかるって人間もいるよな。
お前は今、そういう力を与えられたんだって、そう考えれば不思議でも何でもないだろ?』
いや、十分不思議ですから…
『それに考えてもみろよ。
こんな貴重な体験はそうそうあることじゃないぞ。
そんな機会を不意にするなんて、もったいないと思わないか?』
そうそうあることじゃないっていうのはわかるけど、貴重かどうかはわからない。
でも……
おかしくなったならなったで良いのかもしれない。
となかいと会話できるほどおかしくなってるのなら、今更あたふたしたって仕方ないし。
そう割り切ってしまうと、怖さは消え去り、今のこの状態がとても楽しく感じられた。
年が明けたら、心療内科ってとこに行ってみよう。)
私がゆっくり回れ右をすると……
『おいおい、話しかけたのはおまえの方だろ。
なんで帰るんだよ。』
「なんでって、そりゃあ…」
つい振り返ってしまったけれど、そこにいるのはやっぱりさっきのとなかいだけで……
『心配すんなって。
お前は別におかしくない。
まぁ、信じられないのも無理はないけどな。
でも、これは現実だ。
おいらは特別なとなかいなんだ。』
そんなこと言われても、はいそうですかと納得できるはずはない。
だって、となかいと人間が話せるはずなんて……
『テレパシーっていうのを聞いたことあるだろ?
動物の言葉がわかるって人間もいるよな。
お前は今、そういう力を与えられたんだって、そう考えれば不思議でも何でもないだろ?』
いや、十分不思議ですから…
『それに考えてもみろよ。
こんな貴重な体験はそうそうあることじゃないぞ。
そんな機会を不意にするなんて、もったいないと思わないか?』
そうそうあることじゃないっていうのはわかるけど、貴重かどうかはわからない。
でも……
おかしくなったならなったで良いのかもしれない。
となかいと会話できるほどおかしくなってるのなら、今更あたふたしたって仕方ないし。
そう割り切ってしまうと、怖さは消え去り、今のこの状態がとても楽しく感じられた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる