20 / 171
side ひかり
20
しおりを挟む
*
(ちょっと遅いんでないかい?)
私は壁の時計を見上げた。
シュウが家を出てから、もう一時間が経っていた。
私は、庭の片付けも玄関の草引きも終えて、もちろん、お皿も洗った。
こんなにてきぱきと身体を動かしたのは、かなり久し振り…いや、生まれて初めてのことかもしれなくて、私はちょっと疲れてお茶を飲んで休んでた。
なのに、40分を過ぎ…50分を過ぎて、一時間が過ぎてもシュウは戻ってこなくて…
(もしかして…
やっぱりシュウなんていなかった?
あれは、全部、私の妄想?)
そう思うと、私は急にものすごく不安な気持ちになってしまった。
どうしよう…そこまで酷い幻覚を見るようになってたとしたら…
不安にかられ、とりあえず母さんに電話しようと立ち上がった時、玄関の引き戸が開く音が聞こえた。
「ただいまーー」
シュウの声だった。
でも…顔を見るまでは…
「玄関、えらく綺麗になってるな!」
「シュ…シュウ!」
「はい、これ。」
シュウは、むき出しの洗剤を私に手渡し、庭の方へ歩いて行く。
「わぁ、庭もずいぶんさっぱりしたなぁ…
……大変だっただろ?よく頑張ったな!」
シュウは、庭を見て嬉しそうに目を細めた。
「な?綺麗な方が……あれ?ひかり、どうかしたのか?」
私は余程おかしな顔をしていたのか、シュウは私の顔をのぞきこむようにして私に声をかけた。
「どうかって……遅いから、私、心配で……」
「そんな遅かったか?
店でちょっと話して、そこらを散歩しながらゆっくり歩いて来ただけだぞ。
だけど…良い所だよなぁ…
のどかで……なんか、時間の流れを忘れてしまうっていうか…
あ、それで遅くなったのかな?」
シュウは私の心配をよそに呑気に話して笑った。
このあたりのことを気に入ってくれたのはちょっと嬉しい気もするけど、私はなんだか複雑な心境だった。
「あ、そうだ。
店のおじさんが俺のこと怪しんでたみたいだったから、ひかりの兄貴だって言っといた。」
「そ…そんな…」
「まずかったか?」
「えっと…」
まずいかどうか、咄嗟にはよくわからなかったけど、とにかく私は気持ちがもやもやしてて…
「ちょっと出かけてくる!」
そう言い残し、私は外へ飛び出した。
(ちょっと遅いんでないかい?)
私は壁の時計を見上げた。
シュウが家を出てから、もう一時間が経っていた。
私は、庭の片付けも玄関の草引きも終えて、もちろん、お皿も洗った。
こんなにてきぱきと身体を動かしたのは、かなり久し振り…いや、生まれて初めてのことかもしれなくて、私はちょっと疲れてお茶を飲んで休んでた。
なのに、40分を過ぎ…50分を過ぎて、一時間が過ぎてもシュウは戻ってこなくて…
(もしかして…
やっぱりシュウなんていなかった?
あれは、全部、私の妄想?)
そう思うと、私は急にものすごく不安な気持ちになってしまった。
どうしよう…そこまで酷い幻覚を見るようになってたとしたら…
不安にかられ、とりあえず母さんに電話しようと立ち上がった時、玄関の引き戸が開く音が聞こえた。
「ただいまーー」
シュウの声だった。
でも…顔を見るまでは…
「玄関、えらく綺麗になってるな!」
「シュ…シュウ!」
「はい、これ。」
シュウは、むき出しの洗剤を私に手渡し、庭の方へ歩いて行く。
「わぁ、庭もずいぶんさっぱりしたなぁ…
……大変だっただろ?よく頑張ったな!」
シュウは、庭を見て嬉しそうに目を細めた。
「な?綺麗な方が……あれ?ひかり、どうかしたのか?」
私は余程おかしな顔をしていたのか、シュウは私の顔をのぞきこむようにして私に声をかけた。
「どうかって……遅いから、私、心配で……」
「そんな遅かったか?
店でちょっと話して、そこらを散歩しながらゆっくり歩いて来ただけだぞ。
だけど…良い所だよなぁ…
のどかで……なんか、時間の流れを忘れてしまうっていうか…
あ、それで遅くなったのかな?」
シュウは私の心配をよそに呑気に話して笑った。
このあたりのことを気に入ってくれたのはちょっと嬉しい気もするけど、私はなんだか複雑な心境だった。
「あ、そうだ。
店のおじさんが俺のこと怪しんでたみたいだったから、ひかりの兄貴だって言っといた。」
「そ…そんな…」
「まずかったか?」
「えっと…」
まずいかどうか、咄嗟にはよくわからなかったけど、とにかく私は気持ちがもやもやしてて…
「ちょっと出かけてくる!」
そう言い残し、私は外へ飛び出した。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
不倫妻への鎮魂歌 ―サレ夫が選んだ、最も残酷で静かな復讐―
MisakiNonagase
大衆娯楽
「サレ夫、再生。不倫妻、転落。──その代償は、あまりに重い。」
「嘘で塗り固めた20年より、真実で歩む明日がいい。」
失って初めて気づく、守られていた日々の輝き。
46歳の美香にとって、誠実な夫と二人の息子に囲まれた生活は、退屈で窮屈な「檻」だった。若い男からの甘い誘惑に、彼女は20年の歳月を投げ打って飛び込んだ。 しかし、彼女が捨てたのは「檻」ではなく「聖域」だったのだ。 不倫、発覚、離婚、そして孤独。 かつての「美しい奥様」が、厚化粧で場末のスナックのカウンターに立つまでの足取りと、傷つきながらも真実の幸福を掴み取っていく夫・徹の再生を描く。 家族とは何か、誠実さとは何か。一通の離婚届が、二人の人生を光と影に分かつ。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる