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side ひかり
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安心してしまったのか、私の瞳からまたぼろぼろと涙がこぼれた。
(シュウ…来てくれたんだ…!)
涙を拭って息を吸いこみ、大きな声で私は彼の名を叫んだ。
「シュウーーーー!」
「ひかりーーーー!」
返事は驚く程すぐに戻って来た。
あたりを見渡すと、私が進みかけていたのとは反対の方角からシュウが走って来る。
(あ……)
走って来るシュウは、大きく手を振っていて……
その姿を見たら、私は思わず走り出していた。
子供みたいにわんわん泣きながら……
さっきまで足が痛くて、力も入らなくて、歩くことさえままならなかったはずなのに、シュウの姿を見た途端、まるで錆びが落ちたように私の身体はスムーズに動き出した。
だんだん大きくなって来るシュウの姿が涙で歪む。
助かった…
シュウはやっぱり私を助けに来てくれた。
これでもう安心……
走るのと泣いてるのとで息が苦しくてそう早くは走れないけど、シュウの姿はどんどん大きくなって来る。
違う方向からお互いを目指して走り続けた私達は、ついに、畑のあぜ道の真ん中で出会うことが出来た。
「ひかり…!」
「シュ…シュウーーーー!」
私は、速度も緩めず、まっすぐにシュウの胸に飛びこんだ。
その身体は熱く、心臓の鼓動がどきどきとすごい勢いで動いているのが感じられた。
その感触は確かな現実。
シュウはここにいて、私もここにいて、私は助かって……
止めようと思うのに涙が止まらない。
苦しくて、息が出来なくて…何がなんだかよくわからない状態で……
「もう大丈夫だからな。
よく頑張ったな……」
何度もシュウはそんなことを言い…その言葉は魔法の呪文のように、私の気持ちを落ち着かせてくれた。
苦しかった呼吸も少しずつおさまってきて…
ふと気付くと、私はシュウに抱き締められるようにして、背中をさすられていることに気がついた。
「わ…わぁっ…!!」
我に返った私は、恥ずかしさのあまり、おかしな叫び声と共にシュウの胸を突き飛ばしていた。
(シュウ…来てくれたんだ…!)
涙を拭って息を吸いこみ、大きな声で私は彼の名を叫んだ。
「シュウーーーー!」
「ひかりーーーー!」
返事は驚く程すぐに戻って来た。
あたりを見渡すと、私が進みかけていたのとは反対の方角からシュウが走って来る。
(あ……)
走って来るシュウは、大きく手を振っていて……
その姿を見たら、私は思わず走り出していた。
子供みたいにわんわん泣きながら……
さっきまで足が痛くて、力も入らなくて、歩くことさえままならなかったはずなのに、シュウの姿を見た途端、まるで錆びが落ちたように私の身体はスムーズに動き出した。
だんだん大きくなって来るシュウの姿が涙で歪む。
助かった…
シュウはやっぱり私を助けに来てくれた。
これでもう安心……
走るのと泣いてるのとで息が苦しくてそう早くは走れないけど、シュウの姿はどんどん大きくなって来る。
違う方向からお互いを目指して走り続けた私達は、ついに、畑のあぜ道の真ん中で出会うことが出来た。
「ひかり…!」
「シュ…シュウーーーー!」
私は、速度も緩めず、まっすぐにシュウの胸に飛びこんだ。
その身体は熱く、心臓の鼓動がどきどきとすごい勢いで動いているのが感じられた。
その感触は確かな現実。
シュウはここにいて、私もここにいて、私は助かって……
止めようと思うのに涙が止まらない。
苦しくて、息が出来なくて…何がなんだかよくわからない状態で……
「もう大丈夫だからな。
よく頑張ったな……」
何度もシュウはそんなことを言い…その言葉は魔法の呪文のように、私の気持ちを落ち着かせてくれた。
苦しかった呼吸も少しずつおさまってきて…
ふと気付くと、私はシュウに抱き締められるようにして、背中をさすられていることに気がついた。
「わ…わぁっ…!!」
我に返った私は、恥ずかしさのあまり、おかしな叫び声と共にシュウの胸を突き飛ばしていた。
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