85 / 171
side ひかり
85
しおりを挟む
「良かった、ぴったりだ!」
やっぱりシュウにはこういう服が似合うなぁ…
兄さんのはシンプル過ぎて真面目臭いっていうか、変に地味だから。
「ひかり…これ、高かったんだろ?」
「そんなことないよ。
そりゃあ、いつものよりは高いけど…普通だよ。」
「……嬉しいけど…もう今度からはこういうことはやめてくれよ。」
「え…」
「……ほら、こういうの着て行く場所もないし。
それに、これはひかりが一生懸命働いて稼いだ金だからさ…」
「あ……ご、ごめん……」
「何言ってんだ。
ひかりが謝る事なんてないだろ…ただ……」
ぎくしゃくしていた。
お互いが気を遣いすぎて、却ってうまく噛み合わない……
でも、私にはこの状態をどうにかする案は浮かばなかった。
シュウに喜んでほしくて買ったジャケットが却ってシュウを困らせてしまったことが辛かった。
そうだ…毎日、家事や畑仕事ばかりしている今のシュウには、おしゃれな服なんてあげちゃいけなかったんだ、きっと。
私は自分の配慮のなさに、打ちのめされるような気分だった。
これからはもっと考えて行動しなきゃ……
「ひかり…俺のことより、ご両親になにか贈ったらどうなんだ?
普通、初めての給料では両親になにか贈るもんだろ?」
「あ…そ、そっか……」
それはそうなんだけど、バイトのことは父さん達にはしばらく内緒にしておきたかった。
だって,万一、それで仕送りをなくされたり減らされたら困るもの。
今しばらくは内緒にして、その分、お金を貯めて…なんて考えてることを言ったら、シュウはやっぱり怒るだろうか?
きっと怒りそうだから、そのことは黙っておこうと思った。
そんなことより、私の頭の中はシュウへの贈り物のことでいっぱいで……
あぁ…こんなことなら腕時計の方が良かったかなとか、ジャケットの失敗をとり返すことは出来ないかとあれこれ考えていた。
そうだ…!
今月は無理でも,近いうちにどこかシュウの喜びそうな所へ旅行をしよう!
やっぱり都会が良いよね。
シュウの好きなビリヤードが出来る所とか…あとはショッピングとかして…何かのライブとかも良いかもしれない!
私はそんなことを想像して浮かれてて、シュウが寂しそうな顔をしていることにも気付いていなかった。
やっぱりシュウにはこういう服が似合うなぁ…
兄さんのはシンプル過ぎて真面目臭いっていうか、変に地味だから。
「ひかり…これ、高かったんだろ?」
「そんなことないよ。
そりゃあ、いつものよりは高いけど…普通だよ。」
「……嬉しいけど…もう今度からはこういうことはやめてくれよ。」
「え…」
「……ほら、こういうの着て行く場所もないし。
それに、これはひかりが一生懸命働いて稼いだ金だからさ…」
「あ……ご、ごめん……」
「何言ってんだ。
ひかりが謝る事なんてないだろ…ただ……」
ぎくしゃくしていた。
お互いが気を遣いすぎて、却ってうまく噛み合わない……
でも、私にはこの状態をどうにかする案は浮かばなかった。
シュウに喜んでほしくて買ったジャケットが却ってシュウを困らせてしまったことが辛かった。
そうだ…毎日、家事や畑仕事ばかりしている今のシュウには、おしゃれな服なんてあげちゃいけなかったんだ、きっと。
私は自分の配慮のなさに、打ちのめされるような気分だった。
これからはもっと考えて行動しなきゃ……
「ひかり…俺のことより、ご両親になにか贈ったらどうなんだ?
普通、初めての給料では両親になにか贈るもんだろ?」
「あ…そ、そっか……」
それはそうなんだけど、バイトのことは父さん達にはしばらく内緒にしておきたかった。
だって,万一、それで仕送りをなくされたり減らされたら困るもの。
今しばらくは内緒にして、その分、お金を貯めて…なんて考えてることを言ったら、シュウはやっぱり怒るだろうか?
きっと怒りそうだから、そのことは黙っておこうと思った。
そんなことより、私の頭の中はシュウへの贈り物のことでいっぱいで……
あぁ…こんなことなら腕時計の方が良かったかなとか、ジャケットの失敗をとり返すことは出来ないかとあれこれ考えていた。
そうだ…!
今月は無理でも,近いうちにどこかシュウの喜びそうな所へ旅行をしよう!
やっぱり都会が良いよね。
シュウの好きなビリヤードが出来る所とか…あとはショッピングとかして…何かのライブとかも良いかもしれない!
私はそんなことを想像して浮かれてて、シュウが寂しそうな顔をしていることにも気付いていなかった。
0
あなたにおすすめの小説
わたしの下着 母の私をBBA~と呼ぶことのある息子がまさか...
MisakiNonagase
青春
39才の母・真知子は息子が私の下着を持ち出していることに気づいた。
ネットで同様の事象がないか調べると、案外多いようだ。
さて、真知子は息子を問い詰める? それとも気づかないふりを続けてあげるか?
そのほかに外伝も綴りました。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
不倫妻への鎮魂歌 ―サレ夫が選んだ、最も残酷で静かな復讐―
MisakiNonagase
大衆娯楽
「サレ夫、再生。不倫妻、転落。──その代償は、あまりに重い。」
「嘘で塗り固めた20年より、真実で歩む明日がいい。」
失って初めて気づく、守られていた日々の輝き。
46歳の美香にとって、誠実な夫と二人の息子に囲まれた生活は、退屈で窮屈な「檻」だった。若い男からの甘い誘惑に、彼女は20年の歳月を投げ打って飛び込んだ。 しかし、彼女が捨てたのは「檻」ではなく「聖域」だったのだ。 不倫、発覚、離婚、そして孤独。 かつての「美しい奥様」が、厚化粧で場末のスナックのカウンターに立つまでの足取りと、傷つきながらも真実の幸福を掴み取っていく夫・徹の再生を描く。 家族とは何か、誠実さとは何か。一通の離婚届が、二人の人生を光と影に分かつ。
還暦の性 若い彼との恋愛模様
MisakiNonagase
恋愛
還暦を迎えた和子。保持する資格の更新講習で二十代後半の青年、健太に出会った。何気なくてLINE交換してメッセージをやりとりするうちに、胸が高鳴りはじめ、長年忘れていた恋心に花が咲く。
そんな還暦女性と二十代の青年の恋模様。
その後、結婚、そして永遠の別れまでを描いたストーリーです。
全7話
屈辱と愛情
守 秀斗
恋愛
最近、夫の態度がおかしいと思っている妻の名和志穂。25才。仕事で疲れているのかとそっとしておいたのだが、一か月もベッドで抱いてくれない。思い切って、夫に聞いてみると意外な事を言われてしまうのだが……。
17歳男子高生と32歳主婦の境界線
MisakiNonagase
恋愛
32歳の主婦・加恋。冷え切った家庭で孤独に苛まれる彼女を救い出したのは、ネットの向こう側にいた二十歳(はたち)と偽っていた17歳の少年・晴人だった。
「未成年との不倫」という、社会から断罪されるべき背徳。それでも二人は、震える手で未来への約束を交わす。少年が大学生になり、社会人となり、守られる存在から「守る男」へと成長していく中で、加恋は自らの手で「妻」という仮面を脱ぎ捨てていく…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる