赤い流れ星

ルカ(聖夜月ルカ)

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side ひかり

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「わぁ…やっぱり都会だなぁ…!」

降りた駅にはしばらく見た事のなかった程大勢の人々が忙しく行き交っていた。
見上げるような大きなビル……長い長いエスカレーター。
どれもこれも久し振りに目にするものばかりだった。




「なんだ、なんだ。
おまえ、都会で育ってる方が長いんだろ?」

兄さんはそう言って微笑み、シュウは落ち付かない様子であたりを見回していた。



私達は次の朝、出発した。
行き先は、中学の時の修学旅行で行った伝統的で綺麗な西の都市。
思いつく場所っていったら、結局、そこしかなかったから。
とても良い所だから家賃は高いと思ったんだけど、兄さんがネットで調べてくれた所によると、中心地から離れた所に行くとけっこう田舎な雰囲気になって、家賃もかなり安いとのことだった。
不便な暮らしにも長い通勤にも私はそこそこなれていたから、中心地から離れた所に住んでちょっと都会な所に働きに行けば、今と変わらない生活が送れそうな気がした。



おばあちゃんの家を出る時はさすがに寂しかった。
そんなに長く暮らしてたわけじゃないけど、短くてもそれなりに思い出が一杯になっていて、いつの間にか私の中では一生暮らしても良いと思えるくらい大切な場所になってたから、離れるのは本当に辛かった。
せっかく綺麗に住みやすくなって来てたのに、私達がいなくなったらまた寂れてしまうんだろうな……

バイトのことも気になったけど、やめるというとそこから私達の考えてることが母さん達にバレるかもしれないからということで、風邪をひいたので、二、三日休むと連絡した。
せっかく気にいって働いてたあの店をやめることも、もう二度と行く事はないとわかっていてそんな嘘を吐くことも辛かった。
でも、それが私の選んだ道だから。
シュウと一緒にいるためには仕方のないことなんだと、自分に言い聞かせた。

家を出る前に、私は部屋や畑を何枚も携帯で写した。
せめてもの思い出に……
本当はアニメさんも撮りたかったのだけど、みつかるとまずいからさすがに行けなかった。



「じゃあ、とりあえずどこかでめしでも食べるか。
腹減っただろ?
ホテルはもう予約してあるから、心配するな。」

心配なんてしてない。
兄さんのことだもん。
そういうことはぬかりないと思ってた。

朝早くから移動続きで疲れてたから、私達は構内の目についたお店に入り、そこで少し早めの夕食を摂った。
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